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(回答先: 中国外務省「南シナ海における米国の行動は、中国の主権を侵害」 投稿者 あっしら 日時 2015 年 10 月 27 日 17:53:50)
記事入力 : 2015/10/27 10:21
【コラム】南シナ海紛争、いつ黄海に飛び火するか分からない
中国は昨年8月、南シナ海にある南沙諸島(スプラトリー諸島)のファイアリー・クロス礁(中国名:永暑礁)に人工島を造り始めた。フィリピン、ベトナムなど周辺諸国と米国は「国際規範に反する現状変更行為」だと反発したが、中国は工事を強行した。およそ1年後、ここには長さ3キロを超える大きな島が生まれた。滑走路や港、早期警戒レーダー、対空砲、通信施設に温室・農場まで備えていた。米国に対抗する、中国の海洋軍事拠点が生まれたわけだ。
これにより、最近米中の仲は険悪になった。単に人工島一つの領有権をめぐる問題ではないからだ。中国の人工島建設は、米国に対する「接近阻止・領域拒否(A2AD)」戦略に伴うものだ。中国は、米空母などが中国周辺海域に接近することを阻止するため、沖縄や南沙諸島などを結ぶ「島鏈(れん)」という仮想の防衛ラインを引いた。南シナ海・東シナ海一帯を中国の「内海」化し、その向こうにまで制海権を拡張しようとする戦略だ。米国が中国の大洋進出を防ぐために張り巡らした包囲線とほぼ重なる。
中国は今年9月3日の戦勝節軍事パレードで、新型の中距離弾道ミサイルをPRした。「東風21D」は射程2000キロ前後の地対艦ミサイルで、大気圏外まで飛んでいって再突入し、動く目標に当てることができる。迎撃が困難なため「空母キラー」と呼ばれる。「東風26D」は移動式発射台から撃つことができ、グアムまで射程に収めている。米海軍の強大な戦力をけん制するための新兵器だ。
米国は、近々人工島海域に軍艦を派遣するという意向を南シナ海周辺諸国に伝えた。現役最強の空母「ロナルド・レーガン」を支援するため、今月19日にはイージス艦「ベンフォールド」なども日本に追加配備された。
来年には、次世代タイプの超大型空母「ジェラルド・フォード」がアジア・太平洋地域に投入されるという。「東風」を無力化するため、新しいミサイル防衛(MD)システムや衛星・電子戦兵器、ステルス駆逐艦の配備なども取り上げられている。韓国の背後で、米中間の激しい軍事的暗闘が繰り広げられているのだ。
にもかかわらず、韓国外交部(省に相当)の尹炳世(ユン・ビョンセ)長官は今月20日「(韓米首脳会談で)南シナ海の『南』の字も出なかった」と語った。米国のオバマ大統領があえて「南シナ海」を取り上げ、韓国の立場を尋ねるまでは、重要な問題ではないという形だ。韓国大統領府(青瓦台)は「韓米関係はオートパイロットのようにすっと進んでいる」というが、米国政界から聞こえてくる声は、さほど友好的なものではない。
韓国が、今すぐオバマ大統領の問いに答える必要はない。とはいえ、有事の際の選択肢を、韓国は準備しておかなければならない。軍事・安全保障問題で「この子もあの子もこちら側」という論理を通用させ続けるのは困難だ。南シナ海の火の手が、いつ東シナ海を越えて西海(黄海)まで押し寄せるか分からない。2013年末、中国が一方的に防空識別圏を宣言したときの、韓国の急迫した安保状況を忘れてはならない。韓国にとって南シナ海は、輸出と原油輸入の生命線でもある。
既に、米国は韓国に選択を要求する請求書を押し付け、中国は経済と北朝鮮を人質に取っている。正解を探すのは容易ではないが、ずっと避けていることはできない。韓国の安全保障上の利益と価値に合う道を探し、相手を説得すべきだ。眺めてばかりでは、古い友人も新しい友人も失ってしまう。
ペ・ソンギュ論説委員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/10/27/2015102701220.html?ent_rank_news
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