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リー氏が懸念した未来:マレーシアの人種間対立も英国(+蘭)植民地支配の“負の遺産”
http://www.asyura2.com/15/kokusai11/msg/581.html
投稿者 あっしら 日時 2015 年 10 月 21 日 19:16:02: Mo7ApAlflbQ6s
 


[地球回覧] リー氏が懸念した未来


 唇をゆがめて笑う姿が印象的だった。オウ・インケットさん(34)はマレーシアの首都クアラルンプールの華人街(チャイナタウン)でかばんを扱う露天商の男性だ。その言葉にはあきらめがにじむ。「どうせ俺たちが悪いってことだよ」

 高卒で仕事を始め、休みなく店頭に立ってきた。だが、マレーシアの祝日だった9月16日は珍しく店を閉じた。国民の6割強を占めるマレー系が集まり、「反華人」を叫んでチャイナタウンになだれ込んでくるとの噂を聞いたためだ。「店を壊されるのではないか」。周囲の多くの商店も臨時休業を余儀なくされた。

 当日、赤いシャツを着た3万人近いマレー系住民がクアラルンプールの中心部を練り歩いた。「華人は出て行け」との怒声も聞こえた。警察の制止で大事には至らなかったが、民族対立の根深さを印象づけた。

 マレーシアは多民族国家だ。華人は人口の3割弱にすぎない。多くはマレー系と生活圏が重ならず、近年は目立った衝突がなかった。だが、今年はマレー系による華人攻撃が目立つ。

 7月にはマレー系の万引き犯を取り押さえた華人系とされる携帯電話店が、激高したマレー系の集団に取り囲まれる事件があった。「華人がマレー系を侮辱した」といったデマがインターネットで流れたためだ。

 マレーシアの歴史は民族対立を映してきた。はじまりは英国植民地の時代、華人系やインド系が移住してきたことだ。主に都市部で商店を営んだ華人系の所得が農漁村のマレー系を上回ると、亀裂が広がった。

 双方の間では1969年に大規模な衝突が起き、合わせて約200人が死亡した。その後、マレーシアは進学や就職でマレー系を優遇する「ブミプトラ(土地の子)」政策を強め、不満の抑制に努めた。この政策はいまも続き、結果的にマレー系と華人系の所得格差は縮まったが、相互不信も膨らんでいった。

 露天商のオウさんには恋人がいるが、結婚は半ばあきらめている。「この国は華人を守ってくれない。子供なんてつくれない」

 多数派を優遇するいびつな「アファーマティブ・アクション(積極的な差別是正措置)」は、少数派にとって「差別」だ。一方、マレー系は優遇されることでかえって「華人は不正にもうけている」との不信を強め「華人はもっと経済面で譲るべきだ」と主張する。

 「平和な集会だった」。ナジブ首相は9月16日のマレー系による大規模デモの後でこう発言した。民族間の対立を事実上、黙認したと受け止められている。今年に入って民族対立が激化している背景には、こんなナジブ氏の姿勢がある。

 ナジブ氏は国営企業からの不透明な資金提供で批判にさらされ、国内の景気減速に有効な手を打てていない。有力世論調査機関ムルデカ・センターのイブラヒム・スフィアン氏は「華人への敵視を黙認し自身への非難をかわす狙いだ」と指摘する。民族間の分断を利用して政権維持を目指す危険なかけにもみえる。

 65年にマレーシアから独立したシンガポールの初代首相、リー・クアンユー氏は晩年に「マレーシアはいまだ民族を政治利用している」と警鐘を鳴らした。シンガポールは華人系が多数派だが、リー氏は公用語に英語を採用した。「民族や宗教にとらわれない」ことが国是だ。マレーシアとは対照的な手法で幅広い人材を登用し、シンガポールが世界で最も豊かな国の一つに成長する基礎を築いた。

 マレーシアはいま、リー氏が拒んだ「未来」に向かい、ひた走っているようにみえる。入り組んだ民族対立を解く道筋はみえない。

 (シンガポール=吉田渉)

[日経新聞10月18日朝刊P.15]


 

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コメント
 
1. 2015年10月22日 07:57:26 : jXbiWWJBCA
英国の中国傾斜に苛立つ米国
台頭著しい中国との外交、英米同盟の間に鮮明な差
2015.10.22(木) Financial Times
(2015年10月21日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

訪英の中国国家主席、女王の晩さん会に出席 周辺では抗議活動も
10月20日、バッキンガム宮殿で開かれた公式晩さん会で、エリザベス女王(右)と乾杯する中国の習近平国家主席〔AFPBB News〕
 先月のこと。中国の習近平国家主席が米国を訪れる直前に、バラク・オバマ大統領はサイバー犯罪について中国に制裁を発動する用意があると警告した。この厳しいメッセージは、今週の習氏の訪問を控えた英国のスタンスとは文字通り対照的に見える。何しろ英国の政府高官らは、中英関係が突入したのは「黄金の10年間」なのかそれとも「黄金時代」なのかという議論をしているのだから。

 米国と英国はともに、中国の指導者のために適度に壮麗な歓迎準備を整えた。

 習氏はホワイトハウスで21発の礼砲に迎えられ、晩餐会でもてなされた。英国ではバッキンガム宮殿での晩餐会に臨み、議会で演説する予定が組まれていた。

 しかし、ワシントンにいる中国問題の専門家たちによれば、大西洋を挟む同盟国の英米は、台頭著しい太平洋の大国と付き合うにあたって、その他ほぼすべての面において異なる対応を見せている。

 コンサルティング会社ユーラシア・グループのアジア事業のトップで、かつてはオバマ氏のアジア問題主席アドバイザーを務めていたエバン・メディロス氏は、英国は中国に対して見当違いなアプローチを採用していると述べている。

経済的利益を優先する戦術的な「対中迎合」に批判

 「台頭する中国との関係の管理に自明なことが1つあるとするなら、それは、もし中国の圧力に屈したらさらに圧力をかけられることは避けられないということだ」とメディロス氏は言う。「英国政府は、経済的な利益を期待して戦術的に迎合するという危険なゲームに臨んでいる。これでは今後、さらに問題を抱える恐れがある」

 米国が、中国に建設的な関係構築を求めることと数々の問題(人権問題、サイバースパイ問題、南シナ海での強引な行動など)について非難することとの両立を試みる一方で、英国のデビッド・キャメロン首相とジョージ・オズボーン財務相は、貿易の拡大や中国からの投資獲得のために自分の理念に背いた行動を取っていると批判されている。

英国の「オランダ化」への懸念

 オズボーン氏は先日、中国の新疆ウイグル自治区――中国共産党が現地のウイグル族を迫害している地域――を訪れてかなり批判を浴びたが、その訪問中に、中国との関係では「リスクを取り」たいと発言した。

 米国政府はこのオズボーン氏のアプローチを、経済面で利益を得るための中国宥和政策だと見ている。

 「懸念されるのは、英国の今後の対中政策を規定するのは商業と経済協力だけだというメッセージが発信されていることだ」

 ブルッキングス研究所に籍を置く外交政策の専門家トム・ライト氏はそう語る。

 米国は英国の「オランダ化」、すなわち大国志向を捨てて防衛費を減らし、国際社会の表舞台とも距離を置くことを心配しているが、米政府高官は英国の中国に対するスタンスに特に当惑している。

 英外務省は、英国が貿易のために自らの原理原則を犠牲にしているとの見方を一蹴し、英国政府は「人権問題についての中国への働きかけに真剣に取り組んでおり、閣僚も人権面での懸念を相手方に引き続き提起していく」と語った。

英米関係にすきま風

 米英関係は今年3月、オバマ政権が英国による中国への「絶え間ない迎合」を酷評した際に悪化した。英国がホワイトハウスにほとんど知らせることなく、主要7カ国(G7)の一角としては初めてアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加を決めた後のことだった。AIIBとは、世界銀行とアジア開発銀行に対抗するために中国が立ち上げた資本金500億ドルの融資機関である。

 「我々が驚いたのは、米国にほとんど相談のないまま(英国の参加が)実行されたことだった」。かつてオバマ政権にいたある人物はこう語る。「米国だけじゃなく、G7全体の威信を英国は傷つけた」

 英国のスタンスは2012年から、つまりキャメロン氏がチベットの精神的指導者であるダライ・ラマに会ったことを知った中国が激怒し、英国政府幹部を1年以上締め出した時から転換点を迎えている。

 「中国は実に効果的な圧力をかけてきた」。米国政府の上級幹部だったある人物はそう話す。

 「英国政府の上層部で大規模な見直しが行われ、中国とは良好な関係を望んでいるというシグナルを送るために一生懸命努力しようという話になった。実に英国らしくない対応だ」

 人権擁護団体ヒューマン・ライツ・ウォッチの中国ディレクター、ソフィー・リチャードソン氏は、ドイツのアンゲラ・メルケル首相は中国政府に人権問題を提起することにキャメロン氏よりも積極的であり、メルケル氏に比べるとキャメロン氏は弱々しく見えると指摘している。「(メルケル氏は)早くからそういう態度を取り始めた。堂々としていた。中国側もそれに慣れた」

英国が切望する中国の投資

 かつて米中央情報局(CIA)の中国主任アナリストだったクリス・ジョンソン氏も英国のアプローチには疑問を呈しているが、「バラク・オバマは習近平の隣に立って、習近平のやり方がどのようにひどいかを口に出して言うことができるが、英国の指導者たちにはそれができない」とも述べている。

 ただジョンソン氏は、英国が中国から引き出したいと思っている投資には気をつける必要があると付け加えている。中国企業が重要な分野に進出する時の手法に言及し、中国は毛沢東がかつて唱えた「まず農村を押さえ、それから都市を包囲する」戦法を実践しているとも述べている。

米中首脳、サイバー攻撃抑止などで合意も人権・領有権で意見に相違
9月25日、ホワイトハウスのローズガーデンで、共同記者会見に向かうバラク・オバマ米大統領(右)と中国の習近平国家主席〔AFPBB News〕
 中国の通信機器メーカー、華為技術(ファーウェイ)は今年、英国に投資する許可を得た。

 安全保障上のリスクはないという審査会の結論を受けてのことだが、米国では状況が大きく異なっており、同社はかなりの不信感にさらされている。

 また中国と英国は今週、英国の原子力発電プロジェクトについて中国企業が3分の1の権益を取得することを発表する予定だ。

中国側の狙いは・・・

 新アメリカ安全保障センター(CNAS)のアジア専門家、パトリック・クローニン氏は、英国を国家安全保障と経済的利益のバランスを維持できるよう注意しなければならないと指摘している。中国は特にエネルギーや通信、金融といった分野を狙っているという。

 「米国政府内では、主要な同盟国である英国とのつながりを深める中国の意図について懸念が強まっている」とクローニン氏は言う。

 「中国は間違いなく、こうした投資を通じて英国の国家安全保障(の世界)の奥の院に入り込みつつある」

 米連邦議会スタッフの1人は、英国が国際的な規範を支持しないことを米国は懸念していると話している。これは、南シナ海の係争中の海域で中国が領有権を主張し、米国がそれに対抗する準備をしていることにかかわるポイントだ。

 「すぐに何かがどうかなるという話ではないと思う。キャメロンが英国を見当外れの黄金期に導いているとの見方を受け入れる場合でもそうだ・・・ただ、もしこれが今後10年間の、英国のオランダ化に向かう下り坂であるのなら、やはりいろいろな影響が出てくるだろうし、我々もアジアだけじゃなく数多くの地域について見直しを迫られることになるだろう」

By Demetri Sevastopulo in Washington

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45062

[32削除理由]:削除人:関連が薄い長文

2. 2015年10月23日 15:22:35 : OO6Zlan35k
EU離脱支持する英国民が急増、移民問題で=世論調査
[ロンドン 22日 ロイター] - 22日に公表されたイプソス・モリの世論調査によると、英国が欧州連合(EU)にとどまることを支持する国民の割合が、過去4カ月で急速に低下した。欧州に大量の難民と移民が押し寄せていることで、多くの有権者がEU離脱支持にシフトしたとみられている。

英国では2017年末までに、EU離脱の是非を問う国民投票が行われる。

調査では、EU加盟継続に投票すると答えた回答者の割合は全体の52%で、6月に記録した過去最高の61%から急低下した。一方、離脱を支持する回答者の割合は39%で、6月の27%から上昇したほか、2012年以来最高水準に達した。

これにより、加盟継続を支持する回答のリード幅が、6月の34%ポイントから13%ポイントと、半分以下に縮小した。

キャメロン首相は、英国の権限回復、労働者の自由移動規制、EUの移民に対する恩恵の削減などの変革が実現すれば、英国の加盟継続を提唱したいとしている。ただ世論は安定せず、イプソス・モリの調査では2012年時点で離脱支持が優勢だったが、その後賛否の割合が逆転している。

http://jp.reuters.com/article/2015/10/23/eu-exit-idJPKCN0SH09A20151023



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