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「TPPは米国の中国牽制?」 商務部部長が回答
人民網日本語版 2015年10月09日16:21
米国など12カ国の経済・貿易閣僚は5日に共同声明を発表し、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定の交渉が大筋合意したことを明らかにした。このことが国内外で高い関心と熱い議論を呼び起こした。商務部(商務省)の高虎城部長はこのほど、社会各界が関心を寄せるTPPの注目点について、取材に答えた。人民日報が伝えた。
‐‐10月5日に米国をはじめとする12カ国の経済・貿易閣僚が共同声明を発表し、5年余りに及んだTPP交渉が大筋合意したことを明らかにした。中国はこれをどう評価するか。
中国は、アジア・太平洋地域の成立した自由貿易協定、または交渉が進行中の自由貿易協定は、TPPも含め、すべてアジア・太平洋地域の貿易投資の自由化と円滑化を促進し、地域の一体化を促進し、経済発展を推進する重要なルートであり、世界経済の持続可能な発展の促進に対する貢献であるとの見方を一貫して示し、たびたび主張してきた。中国は世界貿易機関(WTO)のルールに合致し、アジア・太平洋地域の経済一体化促進にプラスになる制度の建設には等しく開放的な態度で臨む。中国はTPPがこの地域の他の自由貿易の枠組と相互に促進しあい、アジア・太平洋地域の貿易投資や経済発展に向けてともに貢献することを願う。
‐‐TPPは米国が中国のアジアで日増しに高まる影響力を牽制するための手段の一つであり、交渉の合意は米国が中国とのグローバル貿易の新ルールの主導権争いで勝利したことを示すとの見方がある。これを中国はどのように考えるか。
中国と米国の国交樹立から30年余りの間に、双方の経済貿易関係の広さと深さは絶えず拡大してきた。歴史と現実が証明するように、広大な太平洋は中国と米国を受け入れることができる。中国とTPPの主要参加国とはこれまでずっとそれぞれが進める自由貿易交渉についてスムースな情報のやりとりを維持してきた。米国政府とTPP参加国はこれまで、TPPは中国をターゲットにしたものではないこと、中国を牽制するためのものではないこと、中国を排斥しようという意図はないことをたびたび表明してきた。実際、中米をはじめとするアジア太平洋経済協力(APEC)の参加21各国・地域が昨年に北京で行ったAPEC閣僚会議では、「アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)実現に向けたAPECの貢献のための北京ロードマップ」が可決され、これも中米間の重要な協力だ。中国は米国と多国間貿易体制の枠組の下で、グローバル貿易ルールの制定で協力を強化し、地域と世界の経済発展を積極的に推進し、国民の福祉を絶えず高めていきたい考えだ。
‐‐世論にはTPPが中国の対外貿易と投資にマイナスの影響や打撃を与えるのではないかとの見方がある。中国はTPPの影響をどのように評価するか。
すべての地域レベルの自由貿易の枠組は、成立すると、非参加国に貿易投資に関わる一定の波及効果をもたらす可能性がある。TPPの影響について、中国は関連方面が正式に発表した合意文書に基づいて全面的で系統的な評価を行った。中国は、国際貿易局面の変化というものは、つまるところ国際産業構造の調整と各国の製品の国際競争力によって決定されると考える。中国は終始一貫して対外開放の基本的国策を堅持し、グローバル経済一体化と多国間貿易体制を揺らぐことなく支援し、グローバルバリューチェーンの充実と発展を奨励し、グローバル経済の繁栄と安定の促進に努力してきた。
‐‐米国はTPP交渉を主導して12カ国が参加する自由貿易協定(FTA)を構築した。今後も引き続き欧州連合(EU)とのFTA交渉を推進するとみられる。中国にはFTA交渉についてどのような動きと措置があるか。
中国共産党の第18回全国代表大会と第18期中央委員会第3回全体会議および第4回全体会議の開催以降、中国は改革開放の各種取組を緩やかに推進している。「世界を視野に入れた高い基準の自由貿易圏ネットワークの構築」が第3回全体会議で確定された重要措置だ。現在、中国は東南アジア諸国連合(ASEAN)、チリ、スイス、ニュージーランド、韓国、オーストラリアなど22カ国・地域と14のFTAを締結したほか、関連国と共同で「東アジア地域包括的経済連携」(RCEP)、中日韓FTA、中国・ASEANのFTAのバージョンアップなどの交渉を進めており、世界をカバーする高基準のFTAネットワークを徐々に構築しつつある。
‐‐TPP交渉の大筋合意は米国が多国間体制を放棄したことを意味すると同時に、TPPルールがWTOルールに取って代わるようになることを意味するとの見方がある。これについてどう思うか。
過去半世紀あまりにわたり、多国間貿易体制と地域貿易自由化がグローバル化のプロセスをともに推進してきた。中国は多国間貿易体制の積極的な関与者であり、擁護者であり、貢献者であったし、WTOを代表とする多国間貿易体制がグローバル貿易ルールの主軸であり、地域貿易自由化がこれを効果的に補うものであり、両者が相互に促進しあい、ともに発展することを主張してきた。中国は関連国が貿易投資の関連分野のルール制定で積極的な模索を行うことに開放的な態度を取ると同時に、1995年に現行の多国間貿易体制が確立して以来、これがグローバル貿易投資の自由化とグローバル経済の成長に代替不可能な役割を発揮してきたとの見方をする。中国は、WTO加盟国がグローバル経済に利益を与えてきた多国間貿易体制をやすやすと放棄することはなく、各方面がともに努力して、WTOのドーハラウンドの早期妥結を支援し、すべての参加国が共同で制定した発展目標が真に実現されることを信じている。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年10月9日
http://j.people.com.cn/n/2015/1009/c94476-8959796.html
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