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ノーベル平和賞にチュニジア民主化貢献団体
10月9日 18時06分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151009/k10010265001000.html
ことしのノーベル平和賞について、ノルウェーのオスロにある選考委員会は、チュニジアの民主化に貢献した「チュニジアン・ナショナル・ダイアログ・カルテット」を選んだと発表しました。選考委員会は選んだ理由について、「チュニジアの事例が民主化を目指す中東やアフリカなどの他の国々の手本となってほしい」としています。
ことしのノーベル平和賞に選ばれたのは、2013年に、チュニジアを拠点に活動する4つの団体でつくられた「チュニジアン・ナショナル・ダイアログ・カルテット」で、チュニジアの民主化に貢献したことが評価されました。
チュニジアでは、2011年に独裁政権への抗議デモが広がって政権が崩壊し、中東の民主化運動「アラブの春」の発端ともなりましたが、民主化へのプロセスの中で野党の政治家が相次いで暗殺され、与野党の対立が激化するなど大きく混乱しました。その中で、「チュニジアン・ナショナル・ダイアログ・カルテット」を構成する4つの団体は、与野党の間の仲介役だけでなく、政治家と市民との対話も進めるなどして、新たな政治体制の確立につなげ、チュニジアの民主化に大きく貢献しました。
ノーベル賞の選考委員会は選んだ理由の中で、「アラブの春」のあとも中東や北アフリカの多くの国で民主化のプロセスがつまずき混乱が続いている厳しい現状を挙げ、チュニジアは、暴力ではなく、基本的人権に配慮した活発な市民社会による民主化が可能であることを示したとしています。選考委員会は、「賞を通じて、中東や北アフリカをはじめ世界中で、平和と民主主義の実現のために努力しているすべての人々を励ましたい。チュニジアの事例が他の国々の手本となってほしい」としています。
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新憲法につながったロードマップ作成
「チュニジアン・ナショナル・ダイアログ・カルテット」は、チュニジア労働総同盟や、チュニジア人権連盟など4つの団体が集まったもので、おととし、世俗派の野党の党首や議員が相次いで暗殺され、与野党の対立が激しくなったことを受けて構成されました。4つの団体は、イスラム派と世俗派の対立による政治的な危機を打開しようと、与野党の間の仲介役となっただけでなく、政治家と市民との対話も進めるなどして、憲法の制定や選挙管理委員会の設置など主要な政治日程をまとめたロードマップを作成し、新たな政治体制の確立につなげました。この団体の働きかけによって双方が歩み寄った結果、このロードマップには21の政党が署名し、去年1月、信仰の自由を認め、男女平等、それに表現の自由を保障する新しい憲法が制定されました。
(以下、略)
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