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国連のオーウェル: 民主主義をアメリカの政策を支持する国として再定義したオバマ(マスコミに載らない海外記事)
http://www.asyura2.com/15/kokusai11/msg/493.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 10 月 02 日 09:17:05: igsppGRN/E9PQ
 

国連のオーウェル: 民主主義をアメリカの政策を支持する国として再定義したオバマ
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-9052.html
2015年10月 2日 マスコミに載らない海外記事


2015年9月29日

Michael Hudson

2015年9月28日、国連でのオーウェル風演説で、オバマ大統領は、もし民主主義がシリアに存在していたなら、アサドに対する反乱は決して起きていなかっただろうと述べた。これはISILのことを言っているのだ。民主主義が存在する所には暴力行為や革命はないと彼は言った。

“民主主義”と見なさないあらゆる国に対しては、革命、クーデターや暴力行為を推進するという彼の脅しだった。このほとんどむき出しの脅しをするにあたり、国際政治の語彙にある単語を彼は再定義した。民主主義とは、CIAが、イランで、モサデクを打倒し、シャーをすえることなのだ。民主主義とは、アフガニスタンの非宗教的政府を、反ロシア・タリバンによって打倒することなのだ。民主主義はヤッツとポロシェンコの背後のウクライナ・クーデターだ。民主主義はピノチェトだ。アメリカ外交政策によって据えられた中南米の独裁者連中について、リンドン・ジョンソンが言った通り、連中は“我々の庶子だ”。

百年前“民主主義”という単語は、選挙によって選ばれた代表によって政策が形成される国を意味していた。古代アテネ以来ずっと、民主主義は、小数独裁政治や貴族政治と対比されてきた。ところが冷戦とその余波以来、アメリカの政治家によるこの用語の使い方が変わったのだ。アメリカ大統領が“民主主義”という単語をつかう場合、国が軍事独裁であれ、ジョージアやウクライナのように、政権がクーデター(カラー革命と婉曲表現される)でもたらされたものであれ、アメリカ・ネオリベラル政策に従っている親米国家のことを彼は言っているのだ。“民主的”政府は、単に、ワシントン・コンセンサス、NATOとIMFを支持するものとして再定義された。つまり、政策決定を、選挙によって選ばれた代表の手から、ウオール街、ロンドンのシティーや、フランクフルトに集まる小数独裁集団によって、その政策を指示される“自立した”中央銀行に移行させた政府だ。

このアメリカによる政治用語の再定義からすれば、オバマ大統領は、そのような国々は、クーデターや、暴力革命や、テロに苦しむことはないと語っているのは、確実にアメリカ外交の軌道内にある国々は、アメリカ国務省、国防省と財務省が支援する不安定化工作から免れられることを意味している。有権者が民主的に、独立して行動する政府や政権を選出する国々は(あるいは単に、アメリカの命令から独立して動く力を求めるだけでも)、シリア風、ウクライナ風、あるいは、ピノチェト将軍のもとでのチリ風に不安定化される。ヘンリー・キッシンジャー言った通り、ある国が、共産主義者に投票したからといって、我々がそれを受け入れなければいけないことにはならないのだ。これが全米民主主義基金が資金提供する“カラー革命”の姿だ。

国連での回答として、ロシアのプーチン大統領は、(現地雑役係を支持する、アメリカ合州国による)“民主主義革命の輸出”に警告した。ISILはアメリカ兵器を与えられ、兵士はアメリカ国軍に訓練されたのだ。もしこれに何らかの疑念をお持ちであれば、アメリカの石油・軍事政策に服従すべく、シリアのアサド大統領が排除されるまでは、ISILではなく、アサドが主要な敵であることを、オバマ大統領は国連で繰り返した。

“もはや現在の状態を我慢することは不可能です”とプーチン大統領は対応した。ウクライナの状況についても同様だ。CBSの番組60 Minutesでのインタビューで彼は述べた。““カラー革命”による、クーデターによる、権力者を違憲な手法で排除することによる、旧ソ連共和国の内政問題解決は、決して容認できないと私は思います。これは全く受け入れられません。アメリカ合州国の、わがパートナーたちが、ヤヌコーヴィチを打倒した連中を支援したのです。… 誰が、どこで、いつ、誰と会って、ヤヌコーヴィチを打倒した連中と協力し、どのように支援したのか、一体いくら支払ったのか、連中がどのように訓練されたのか、どこで、どの国で、そして指導者連中が一体誰だったのか、我々は正確に知っています。我々は全てを知っています。”[1]

これで、米露関係は一体どうなるのだろう? オバマの厳しい反ロシア言辞は、恐らく、5時の会談におけるプーチンとの合意に対する保護色なのだと当面期待したい。言ったことと違う形で行動できるような発言をするのは、多くの政治家と同様、常に彼のやり方だ。だがオバマは、ネオコン手中にい続けている。

一体どのような方向に向かうのだろう? 既成概念にとらわれずに物事を考える方法は色々ある。もしプーチンが、三分の一の人数のシリア難民を、ヨーロッパに、飛行機や船舶で輸送する提案をして、シェンゲン協定のもとで受け入れを義務付けられているオランダやイギリスに、彼らを上陸させたらどうなるだろう?

あるいは、“民主的”ウクライナからの大量移民に加えて、シリアがそれで名高い最高のコンピューター専門家や、他の熟練労働者をロシアに招き入れたらどうなるだろう?

日曜日に発表された、イラク、イラン、シリアとロシアが協力して、ISISと戦う共同計画、アメリカ/NATOが参加するのを控えている連合が、アメリカ軍や、ISILの主要資金提供者サウジアラビアとまで対立するようになったとしたらどうなるだろう?

ゲームはアメリカの手から離れた。アメリカが唯一できるのは、御しがたい国々を、リビア、イラクや シリアに変えるクーデター用武器として“民主主義”の脅威を振りかざすだけだ。

[1] “All eyes on Putin,” CBSNews.com、2015年9月27日

マイケル・ハドソンの新刊Killing the Hostは、CounterPunch Booksから電子書籍で、印刷本はIsletから刊行されている。彼のウェブ、mh@michael-hudson.comで連絡できる。

記事原文のurl:http://www.counterpunch.org/2015/09/29/orwell-at-the-un-obama-re-defines-democracy-as-a-country-that-supports-u-s-policy/


 

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コメント
 
1. 2015年10月27日 03:33:12 : jXbiWWJBCA
煮ても焼いても食えない世界の“官僚組織”、ユネスコをコントロールする方法
2015.10.26(月) 加谷 珪一
仏シャンパーニュのブドウ畑、世界遺産に登録決定
ユネスコの世界遺産に登録されているフランス・シャンパーニュ地方のブドウ畑。(資料写真)(c)Relaxnews/Shutterstock.com/PHB.cz (Richard Semik)〔AFPBB News〕
 菅官房長官が国連教育科学文化機関(ユネスコ)に拠出する分担金や任意の拠出金について、停止もしくは削減を検討すると表明したことが波紋を呼んでいる。

 南京大虐殺に関する資料が記憶遺産に登録されたことへの対抗措置として当然という声が聞かれる一方、河野洋平元衆院議長のように「拠出をやめるというのは恥ずかしいこと」とする意見も出ている。

 日本では、国連をはじめとする国際機関に対して、何か特別な存在であるとのイメージを持つ人が多い(肯定的な人は理想的な国際組織と考え、否定的な人は、いかがわしい組織だと批判している)。だが、その実体は、国をまたいだ巨大な官僚組織であり、世間から隔絶された公務員集団である。

 こうした官僚組織を外部からコントロールすることの難しさは、戦後日本において政治主導による行政運営がほとんど実現せず、多くの政策が霞が関の意向で決まってきたという現実を見れば容易に想像できるはずだ。

 今回のユネスコ問題のような事態に対処するためには、肥大化した官僚組織をどうコントロールするのかという現実的な視点が必要不可欠である。

ユネスコの活動は実質的に日本の資金で支えられている

 日本政府は、国際機関に5000億円以上の金額を投じている。国際機関への拠出は大きく分けて「分担金」と「拠出金」の2種類がある。分担金は、国際機関の設立憲章や総会決議などにより加盟国に義務的に割り当てられたものであり、拠出金は、加盟国等が国際機関と協議し、自発的に提供する資金のことを指している。2013年度の分担金は約1400億円、拠出金は約3800億円であった。

 これらの中で金額が多いのは、世界銀行やIMF(国際通貨基金)といった国際金融機関で、拠出金のうち約6割が金融機関向けで占められている。同様に金額が大きいのがユネスコを含む国連の各機関で、分担金のうち約25%、拠出金のうち約70%が国連および関連機関向けである。今回、日本政府が減額などを検討すると表明したユネスコ向けは約43億円なので、金額的に見れば全体のごくわずかということになる。

 ただ、ユネスコは職員数が約2000名とそれほど大きな組織ではない。ユネスコの主要国における分担比率(分担金のみ)は、米国が22%、日本が11%、ドイツ7%、フランス6%、英国5%となっており、日本は米国に次いで2番目に多くの資金を拠出している。

 しかも米国は、パレスチナがユネスコに加盟したことをきっかけに分担金支払を停止している(米国の法律では、国際的に独立が承認されていない団体が正式加盟する国連機関への分担金拠出は禁止されている)。よって、ユネスコの活動資金のほとんどは実質的に日本が担っていることになる。

 こうした状況から、資金面でゆさぶりをかけ、日本に不利となっている状況を変えようというのが、ユネスコに対する強硬派の見解である。もちろん、こうした国際機関は資金がなければ活動することができないので、資金面を交渉材料にするというのは、1つの有力な方法であることは間違いないだろう。

 だが、国際機関に対する交渉は、思ったほど簡単にはいかないことが多い。その理由は、相手が強固な官僚組織だからである。

国連は特別な存在ではなく巨大な公務員集団

 日本人は、国連など国際機関に対して、肯定的な人であれ、否定的な人であれ、特別な存在であってほしいという願望を持っている。少なくとも国連に対する思い入れが大きい国であることは間違いないだろう。

 だが現実の国際機関は、多くの日本人が思い描くような組織ではない。

 国連の職員は一般に国際公務員と呼ばれている。国連をはじめとする国際機関はまさに国をまたいだ公務員の集団であり、巨大な官僚組織である。日本国内にいるとあまり意識することはないが、霞が関の上に、さらに強固で尊大な霞が関が存在しているようなものである。

 こうした官僚組織は、一般的な営利組織とは異なるメカニズムで動くことが多い。官僚組織にとって重要なことは予算と権限の拡大であり、そこで働く公務員にとってはポスト(立身出世)がすべてということになる。

 一般的な政治の世界では、よい意味でも悪い意味でも、理想や情念といった情緒的な面に大きく左右されるが、ガチガチの官僚組織にこうした要素が入り込む余地はほとんどない。

 こうした官僚組織特有のメカニズムは、霞が関の行動原理を考えてみれば容易に想像がつくだろう。2007年、消えた年金が大きな社会問題となり、当時、年金を管理していた社会保険庁は世間から激しい批判を受けた。しかし、官僚組織というものは、こうした批判すら予算獲得の材料にするものである。表面的には国民に頭を下げながら、消えた年金への対応策を講じるという名目で、システム予算を含め、次々と大型予算を獲得していった。

公務員にとってはポストがすべて

 一般的に官僚組織には複雑な制度と利権が入り組んでおり、その全貌を掴むことは非常に難しい。日本では、これまで多くの政権が「政治主導」を掲げ、霞が関から国民の手に実権を奪い返すと主張してきたが、実現したケースはほとんどない。現実には、今も多くの政策が霞が関の官僚組織の手によって作られている。

 日本国内においてすら、政治が官僚をコントロールするのは難しいのが現実である。ましてや各国の利害関係が複雑に絡み合う国際機関を外部からコントロールするのは至難の業といってよいだろう。

 音楽家ジョン・レノン氏の妻であるオノ・ヨーコ氏の妹で、長年、国際機関で勤務した経験のある小野節子氏は、国際機関について「政治力なしには生き抜けない、野心と利権の渦巻くジャングルだった」と評している。

 今回、問題となった記憶遺産とは、危機に瀕した文書や書物といった歴史的記録物を保全し、広く公開することを目的としたユネスコの事業である。南京大虐殺の記憶遺産登録に際して大きな役割を果たしたのは、ユネスコのボコバ事務局長だと言われている。

 ボコバ氏は、ブルガリア出身でモスクワ国際関係大学を卒業し、ブルガリア外務省を経てフランス大使となった典型的な官僚である。報道では、次期、国連事務総長のポストの有力候補の1人であり、本人もその野心を持っていると言われる。

 南京虐殺を記録遺産に指定したい中国の意向を汲み取り、今後のポスト獲得に向けて戦略的に動いている可能性は高い。こうした人物に対して、理念や正義などを説いてもあまり意味はないだろう。

官僚組織をコントールするためには?

 短期的には、予算を使って揺さぶりをかけるというのは、有効な方法であり、筆者もそれ自体は否定しない。だが、官僚組織というものは、単に予算面で圧力をかければコントロールできるわけではないということも併せて理解しておく必要がある。

 官僚というものは、面従腹背を何よりも得意とする。また、財源の確保が彼等の本業であり、仮に日本が予算をチラつかせて交渉をしたとしても、必ずそれに対応する措置を作り出してしまう可能性が高い。

 官僚組織をコントロールするためには、マクロ的なアプローチとミクロ的なアプローチの両面が必要と言われる。

 マクロ的なアプローチを実施するには、予算の面に加えて、世論やメディアによる圧力、国家が持つ権威など、いわゆるソフトパワーを総動員することが重要となる。

 国際社会は壮大なタテマエの世界であり、現実はともかく、それを押し通した方が勝ちという冷酷なルールに支配されている。基本的人権や民主主義、多様な価値観、機会の平等という、絶対に批判できない根本的な部分において、日本はむしろ批判される側であり、各国に正論を押しつける側にはなれていない。米国やドイツのふるまいは時に尊大だが、民主主義や基本的人権という正論において両国の振る舞いに異論を挟める国がないのもまた事実である。こうした「強い国」に官僚組織はなびく。

 ミクロ的なアプローチは、人事や文書といった細部における戦術である。これは、上記のマクロ的なアプローチに対して官僚組織が面従腹背することに対処するための方策でもある。

 霞が関改革に関する議論で何度も耳にしてきたように「悪魔は細部に宿る」と言われる。見過ごしてしまいそうな文書のちょっとした表現に重大なポイントが隠されていたりする。多くの人員を組織に送り、内部の情報を日常的に収集していないと、こうしたミクロな面での対応は難しい。

 こうした取り組みは、一朝一夕に実現できるものではないが、官僚組織をコントロールする方法は残念ながらこれしかない。ユネスコ問題をきっかけに、日本の国際社会への関わり方について、もう一度、ゼロベースで考え直してみることが大事である。少なくとも、日本は国際社会におけるゲームの被害者だというナイーブな意識を持っている限り、こうした官僚組織をコントロールすることは難しいだろう。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45058


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