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ロシアのむなしい希望
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2015年9月26日 マスコミに載らない海外記事
Paul Craig Roberts
2015年9月23日
ロシアは、恥ずべき崩壊しつつある欧米の仲間になりたくて必死なあまりに、ロシアは現実をしっかり認識できなくなっている。
厳しい教訓につぐ、厳しい教訓を積み重ねたにもかかわらず、ロシアは欧米に受け入れられるという望みを捨てることができない。ロシアが欧米に受け入れられる唯一方法は、傀儡の立場を受け入れることだ。
ワシントンがウクライナ国内に作り出した危機を、外交で解決できると、ロシアは計算を誤り、キエフでも、ワシントン、ロンドンや、NATOでも欧米の支持を全く得られていないミンスク協定に期待をかけている。
ロシアは、ロシアと再結合するという旧ロシア領の要求を受け入れるだけでウクライナ危機を終わらせることができる。分離派の共和国がロシアの一部となってしまえば、危機は終わる。ウクライナは、ロシアを攻撃しようとはしないだろう。
ロシアが、再結合は挑発的で、ヨーロッパを怒らせるだろうと考えているため、ロシアは危機を終わらせずにいる。実際、ロシアがすべきことは、ヨーロッパを怒らせることなのだ。ロシアに対して、ワシントンの手先になるのは、ヨーロッパにとって危険なことで、高くつくことを、ロシアは、ヨーロッパに気づかせる必要があるのだ。
逆にロシアは、ワシントンが、ヨーロッパに押しつけている代償から、ヨーロッパを守り、ワシントンの利益のため、ロシアに不利な行動をとっていることに対し、ほとんど代償を負わせようとしていない。空軍がロシア国境沿いに挑発的飛行を行っている公然の敵に、ロシアはそうした戦闘機を発進させるためのエネルギー供給を依然継続している。
これは外交の失敗であり、成功ではない。一方が外交を信じていて、相手側が武力を信じている場合、外交は成功することができない。
外交を信じておらず、代わりに、武力を信じているワシントンと、そのNATO傀儡とでは外交が機能しえないことを、ロシアは理解する必要がある。ロシアは、ワシントンが、ロシアは“国際規範に従って行動しない”無法国家だと宣言している場合、ワシントンは、ロシアがワシントンの命令に従っていないと言っていることを理解する必要がある。“国際規範”という言葉で、ワシントンは、ワシントンの意思を意味しているのだ。ワシントンの意志に従わない国は、“国際規範”に従って行動していないのだ。
ワシントン、そしてワシントンのみが“国際規範”を決めるのだ。アメリカは“例外的で、必要欠くべからざる”国なのだ。他のいかなる国も、この資格は持てない。
独自の外交政策を持った国はワシントンにとって脅威なのだ。ネオコンのウォルフォウィッツ・ドクトリンがこれを完全に明らかにしている。アメリカの外交・軍事政策の基盤、ウォルフォウィッツ・ドクトリンは、ワシントンの一方的行動に対し、制約として行動できる十分な力をもったいかなる国も脅威として定義している。ウォルフォウィッツ・ドクトリンは、世界において、ワシントンの狙いを阻止する十分な力を持ったいかなる国も脅威であり“我々の第一目標はいかなるそうした国の再登場も防ぐ”と明確に述べている。
ロシア、中国とイランは、ワシントンによって照準が定められている。条約や“協力”には何の意味もないのだ。協力で、ワシントンの標的は、集中力を失い、自分たちが標的であるのを忘れてしまうようになるに過ぎない。ロシアのラブロフ外務大臣は、現在、ワシントンの中東における戦争と破壊政策が失敗したので、ワシントンとロシアが、イラクとシリアのISIS聖戦戦士封じ込めで協力できると考えているように見える。これは空想的な考えだ。二つの政府の狙いは対立するので、ロシアとワシントンは、シリアとイラクでは協力できない。ロシアは平和、国際法の尊重と、過激な聖戦戦士分子の封じ込めを望んでいる。ワシントンは戦争を望んでおり、法的制約は望んでおらず、中東不安定化とシリアのアサド打倒のため、過激な聖戦戦士分子に資金を与えている。たとえワシントンが、ロシアと同じことを望んだとしても、ワシントンにとって、ロシアと協力することは、脅威で敵としてのロシアの姿を薄れさせることになる。
ロシア、中国とイランは、ワシントンの一方的行動を抑制できる三国だ。結果として、三国は、先制核攻撃される恐れがある。14年も続いている中東におけるワシントンの強制と暴力の政策の失敗に対して、もしこの三国が、ワシントンを「イスラム国」を生み出した泥沼から救うことで、今ならワシントンと協力できると考えるほど考えが甘いのであれば、彼らは欺かれた、先制核攻撃のいいカモだ。
ワシントンが「イスラム国」を作り出したのだ。ワシントンは、これらの聖戦戦士をリビアで、カダフィを打倒するのに利用し、連中をシリアのアサド打倒に送り込んだのだ。全員がシオニスト・イスラエルと組んでいるアメリカ・ネオコンは、“ナイル川からユーフラテス川までの大イスラエル”に干渉できる結束力のある中東の国など全く望んでいない。
ISIS聖戦戦士は、7つの国の何百万人ものイスラム教徒を殺戮し退去させるワシントンの政策を理解して、中東の人々の間に反欧米組織を作り出し、ワシントンの連中の創造主から独立して行動し始めた。
結果は、中東におけるさらなる混乱と、ワシントンの支配力の喪失だ。
ワシントンが自らの所業のせいで苦しむにまかせる代わりに、欧米で最も嫌われ悪魔化されている二国のロシアとイランが、中東での愚行からワシントンを救おうと駆けつけた。これはロシアとイランの戦略思考の失敗だ。戦略的に考えられない国は生存できない。
イランは、ワシントンとの条約には何の意味もないことを理解する必要がある。ワシントンはいかなる条約も守ったことがない。プレーンズ・インディアンやソ連最後の大統領ゴルバチョフに質問願いたい。
もしロシア政府がワシントンの約束に意味があると思うなら、ロシア政府は正気を失っている。
イランでは上手く政治が行われており、ウラジーミル・プーチンは、アメリカとイスラエルの支配からロシアを救ったが、両政府は、ワシントンがパートナーになり得ると自分たちを思い込ませる薬を何か飲み続けているかの様に振る舞い続けている。
こうした妄想は、ロシアとイランにとってのみならず、全世界にとって危険だ。
もし、ロシアとイランが警戒を緩めれば、彼らは核攻撃される。中国もそうだ。
ワシントンは、ただ一つのことだけのために戦っている。世界覇権だ。
ネオコンに質問するか、連中の文書をお読み願いたい。
ネオコンがワシントンを支配している。政府内の他に誰にも発言権はない。
ネオコンにとって、アメリカ世界覇権という狙いを実現するために、アルマゲドンは許容リスクなのだ。
ロシアと中国だけが世界をアルマゲドンから救えるのだが、彼らも欺かれるあまりに、欧米が地球を救ってくれると、尊敬しているのだろうか?
記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/09/23/russias-false-hopes-paul-craig-roberts/
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