2. 2015年8月18日 22:44:04
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ギリシャの銀行、債券保有者も損失負担へ By CHRISTOPHER WHITTALL 2015 年 8 月 18 日 10:49 JST ギリシャの銀行債券の保有者は多額の損失に見舞われる見通しだ。 ユーロ財務相会合(ユーログループ)は14日に声明を発表し、資金難に苦しむギリシャの銀行への資本注入について、債券投資家に負担を求める可能性を示唆した。これを受け、17日の債券市場ではギリシャの銀行債券の価格が急落した。 ギリシャ危機特集 例えば、トレードウェブによると、ギリシャ・ナショナル銀行の2019年4月償還債は先週末、額面1ユーロ当たり0.66ユーロ前後で取引されていたが、17日は0.485ユーロに下落した。 アナリストらによれば、シニア債保有者とジュニア債保有者のどちらもが損失を被る見通しだが、ジュニア債の元本が全額カットされるのはほぼ確実で、シニア債保有者も銀行の資本増強のために多額の負担を強いられるとみられる。「ベイルイン(債権者や預金者の負担での救済)」と呼ばれる救済方法だ。年初からの銀行株の急落を受け、株式投資家はすでに大きな損失に直面している。一方、預金者は保護されるだろう。 企業が経営不振に陥った場合、資本構造上の優先順位として、シニア債保有者よりも先にジュニア債保有者が負担を被る。 ユーログループは声明で、ユーロ圏の救済基金である欧州安定メカニズム(ESM)から100億ユーロ(約1兆3800億円)をすぐに銀行へ資本注入できることを明らかにした。また、銀行資産の質の見直しやストレステスト(健全性審査)など最初の評価を行った後、第2弾として年内に150億ユーロの融資を行う可能性もある。 声明ではまた、シニア債保有者が負担を共有する一方で、銀行預金者は保護されることも明らかにした。これはキプロスが取った方法とは異なる。キプロスは2013年、銀行の資本不足を補うために、預金保険の対象外である10万ユーロ超の大口預金者に損失負担を強いた。 ロイヤルバンク・オブ・スコットランド(RBS)によると、ギリシャの4大銀行、アルファ・バンク、ピレウス・バンク、ユーロバンク・エルガシアス、ギリシャ・ナショナル銀行のジュニア債は合計19億ユーロ、シニア債は44億ユーロで、これらは銀行システム建て直しのために減免される可能性がある。 RBSのマクロ信用調査部門責任者、アルベルト・ガロ氏は、ジュニア債の元本が戻らないのは「当然だ」とする一方で、シニア債がどうなるかについては厳密には「はっきりしない」と指摘した。ユーログループはヘアカット(債務減免)や債券の損失の規模に関する詳細を明らかにしていないからだ。しかし、ベイルインが実施された場合、市場で取引されているシニア債に「少しでも価値が残る」ことは考えにくいと言う。 ガロ氏はギリシャの銀行の資本不足額を決めるにあたり、二つのシナリオを作成した。株式発行による民間投資家からの資金調達は不可能で、シニア債・ジュニア債が損失を全て負担するというのが両シナリオの前提だ。 銀行の不良債権が3月末時点での最新の数値からどれだけ増加したかによって不足額は大きく変わってくる。夏の初めに資本統制が導入されたことと「全般的な景気低迷」を理由に、ガロ氏はある程度の増加は避けられないとみる。 同氏は「基本シナリオ」で、不良債権を20%増と仮定した。この場合、資本不足額は132億ユーロと推計され、ユーログループがEMS融資第1弾として約束した100億ユーロでは不十分ということになる。 バークレイズのストラテジストらは先週のリポートで、欧州の銀行債権者への長期的な影響という点で、ギリシャの銀行再編が一つの先例になると述べた。 「将来的に銀行を清算する場合の前例を作る上で、規制当局には、負担共有の範囲を最大限にしたいという強い意向がある」と指摘し、銀行の資本不足額を最大150億ユーロと見積もった。 関連記事 ギリシャ支援、国債市場再建の追い風に ギリシャで広がる代替通貨 洗練された物々交換手段 ギリシャ経済の不透明さ、債権団の対立の種 ギリシャの債務持続性に「深刻な懸念」=欧州機関 ギリシャの銀行救済、債券保有者がベイルインか-優先債が急落 2015/08/18 00:44 JST (ブルームバーグ):ギリシャの銀行の優先債が17日に急落。ユーロ圏の財務相らが同国の銀行救済に際して預金者を保護することで合意したことを受け、債券保有者によるベイルインのリスクが意識された。 ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のデイセルブルム議長は14日、ギリシャの第3次救済の一環としての金融システム再編で預金者が損失負担を強いられることはないが、優先債保有者にはそれがあり得ると述べた。ギリシャの銀行が860億ユーロ(約11兆9000億円)の救済プログラムから資金を受け取った場合、債券保有者も負担を分担する仕組みになっている。 ECMアセット・マネジメントのシニアアナリスト、ロバート・モンターグ氏は「優先債保有者によるベイルインが明示的に言及されていなかったので保有者は過度に楽観していたが、これで現実に引き戻された」と指摘した。 救済に関する合意によれば、銀行への資本注入のための資金は最大250億ユーロ。これには初回支給額の100億ユーロが含まれる。14日の合意を好感して17日のギリシャ株と国債は上昇したが、銀行の無担保優先債は下落した。 ブルームバーグのデータによれば、ロンドン時間午後1時35分現在、ユーロバンク・エルガシアスの無担保優先債(表面利率4.25%、2018年6月償還)価格は額面1ユーロにつき0.19ユーロ下げ0.35ユーロ。ピレウス銀行の無担保優先債(表面利率5%、17年3月償還)は同0.15ユーロ安の0.37ユーロ。 デイセルブルム議長は14日ブリュッセルで「ベイルインの措置は優先債保有者に適用されるが、預金者は明確に除外される」と語った。 ユーロ圏諸国は欧州連合(EU)の銀行再建・破綻処理指令(BRRD)採用をギリシャ救済の条件とした。BRRDは優先債保有者に損失分担を求めることを容易にする。 原題:Greek Senior Bank Bonds Fall on Dijsselbloem Bail-In Comment (2)(抜粋) 記事に関する記者への問い合わせ先:ロンドン Alastair Marsh amarsh25@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Shelley Smith ssmith118@bloomberg.net Richard Bravo 更新日時: 2015/08/18 00:44 JST http://www.bloomberg.co.jp/bb/newsarchive/NT7YBH6K50XU01.html |