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【コラム】影のドラクマと左派連合の「プランB」−レビーン 2015/07/29 02:59 JST(第3段落にリンクを追加します) 【コラムニスト: Matt Levine】 (ブルームバーグ・ビュー):ドナルド・トランプ氏はテレビのリアリティー番組での知名度をてこに政界に進出しようとしている。ではギリシャのバルファキス前財務相はその逆が可能ではないだろうか。バルファキス氏の才能は経済学教授に戻っても平議員としてギリシャの政界にとどまっても十分に生かされないだろう。同氏のためのテレビ番組を用意してほしい。対談番組ではなく、「影のドラクマ」のような策略と陰謀の話がいい。 驚くべき話はこうだ。バルファキス氏はプランB(代替策)として「ユーロ建てで機能しているが、必要なら『一夜』でドラクマに転換できる」並行決済システムを構築することを考えていた。「幼なじみでコロンビア大学教授になったIT(情報技術)専門家にシステムをハッキングしてもらう」ことが計画に盛り込まれていた。ギリシャの税収をめぐる情報が入っていたこのシステムは債権団の代表、いわゆるトロイカの監督下にあり、財務相だったバルファキス氏は自由にできなかった。 この話は元英財務相のノーマン・ラモント氏がコーディネートしたとされる16日のヘッジファンドとの電話会議で明らかにされたという。これがその電話会議の記録とされているものだ。バルファキス氏は今、「こういうことが出てくる背景は、私をならず者の財務相に彼らが見せかけたがっていることだ」と述べている。 ならず者の前財務相が逮捕されたが逃れてテレビに出演、欧州中に向かって無実を訴える番組が放送されたら、誰もが見るだろう。 影のドラクマほどではないが、伝えられている急進左派連合(SYRIZA)のプランBというのもずいぶんと過激な話だ。中央銀行総裁の逮捕やロシアからの支援獲得を含むプランだ。そしてなぜか、チプラス首相の人気は衰えない。(マット・レビーン) (レビーン氏はブルームバーグ・ビューのコラムニストです。このコラムの内容は同氏自身の見解です) 原題:Matt Levine’s Money Stuff: Quarterly Focus and Secret Drachmas(抜粋) 記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Matthew Levine mlevine31@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Zara Kessler zkessler@bloomberg.net 更新日時: 2015/07/29 02:59 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NS6UF56TTDSA01.html ユーロ圏離脱、ギリシャ前財務相が極秘計画
ギリシャのバルファキス前財務相とヘッジファンド団との会議を録音した内容が公開された PHOTO: REUTERS By SARA SJOLIN 2015 年 7 月 28 日 18:53 JST ギリシャのバルファキス前財務相とヘッジファンド団が今月行った電話会議の内容が27日、公開された。同氏は欧州中央銀行(ECB)が緊急融資を打ち切った場合に備えて、ギリシャの通貨ドラクマの復活などを含む、並行支払いシステムの導入を考えていたことが明らかになった。 録音された電話会議での会話は、ギリシャ政府が「借用証書(IOU)」やドラクマの復活にいかに近づいていたかを示している。その後、チプラス首相は国際債権団の要求に屈し、第3弾となる金融支援と引き替えに厳しい緊縮策を受け入れた。 バルファキス氏は債権団が要求する改革プログラムに声高に反対していた。春から初夏にかけて、ギリシャと債権団の交渉が頓挫した主因はここにある。同氏は、より良い救済策を引き出すために「グレグジット(ギリシャのユーロ圏からの離脱)」を脅しに使おうとしたが、6人の主要閣僚から支持を取り付けることに失敗して今月上旬に辞任した。 今回、公になったのは7月16日に行われたヘッジファンド団との電話会議の内容。バルファキス氏がどこまで並行支払いシステムの導入を考えていたのか、自国の納税システムへのハッキング計画も含め、その詳細が録音されている。録音された会議の内容はまずカティメリニ紙が26日に報じ、会議を主催した公的通貨・金融機関フォーラム(OMFIF)が27日に公開した。公開に当たってはバルファキス氏の了承を得たという。 「他言無用」 バルファキス氏は会議の場で、会話の内容を一般国民の耳に入れるべきではないと話している。バルファキス氏は自身の幼なじみに財務省のシステムに侵入する権限を与えたことに触れ(これについては後述)、同氏は会議の相手に「他言無用。完全にここだけの話だ」とし、「たとえ(誰かが漏らしたとしても)、私は発言を否定する」と話している。 プランB ギリシャと債権団との交渉が手詰まりになるなか、グレグジットに備える緊急対応策が練られた。バルファキス氏と少人数のチームも、ギリシャの納税システムのウェブサイトを利用してひそかに対応を検討した。 録音テープの中でバルファキス氏は「首相が就任する前、つまり私たちが選挙で勝つ前、プランB(代替案)の作成を許可した」と話している。 「私たちは内密にすべての納税者番号にひもづけされた銀行口座を創設し、このシステムを秘密裏に機能させる計画を進めていた。ボタンを押せばPINナンバー(暗証番号)が納税者にあてがわれる予定だった」 納税システムへの侵入 並行支払いシステムの準備は容易に進んだわけではなかった。バルファキス氏はこの計画の遂行役に「幼なじみ」を指名したが、問題が生じた。納税システムは主にブリュッセル(EU本部)が管理しているためだ。 「そこで、われらが財務省のプログラムに侵入することを決めた。納税システムのプログラムを彼のオフィスにある大きなコンピューターにコピーすれば、彼が並行支払いシステムを設計し、起動させることができる」 独ショイブレ財務相の計画 ギリシャのユーロ圏離脱は今のところ回避されている。だが、バルファキス氏は録音の中で、グレグジットが起こり得るリスクが「間違いなく」あると話している。 その一因はドイツのショイブレ財務相が「グレグジットの実現に必死になっている」ことだとバルファキス氏は言う。 「ショイブレ(財務相)にはプランがある。彼が私に描いてみせたのはかなり単純なものだ。彼はユーロ圏が今の状態のままでは持続可能ではなく、財政移転がいくらか必要だと考えている。ある程度の政治統合もだ」 「そして彼は私にはっきりとこう言った。グレグジットは、フランスがずっと抵抗してきたものを負わせることができる十分な交渉力と威嚇力をドイツに与えることになると。それは何か。予算編成力の一部をパリからブリュッセルに移転させることだ」 原文(英語):Secret ‘Plan B’ for Greece revealed in explosive Varoufakis recording http://jp.wsj.com/articles/SB10412567118926353716304581135820829760538
ギリシャ:「ユーロ圏離脱へチーム」前財務相が極秘計画 毎日新聞 2015年07月28日 12時02分
【ローマ福島良典】ギリシャのバルファキス前財務相が在任中、財務省内に少人数の特別チームを作り、ユーロ圏離脱の事態に備えた極秘計画を立案していたことが27日に明るみに出た。バルファキス氏は、欧州連合(EU)のユーロ圏など債権者側が提示した財政緊縮策を巡って5日に行われた国民投票の翌日に突然、辞任したが、背景に極秘計画の存在があった可能性が浮上した。 関連記事 IMF:ギリシャリスク、食い止め全力を 報告書 余録:古代ギリシャの人は迷うことがある時… 余録:古代ギリシャの人は迷うことがある時、今は… ギリシャ支援:EUとIMF、協議を見送り ギリシャ支援:EUが協議見送り…安全の問題が理由 バルファキス氏は財務相辞任から10日後の16日、ロンドンに拠点を置く国際金融シンクタンク「公的通貨・金融機関フォーラム(OMFIF)」が主催した投資家との電話協議で極秘計画の存在を暴露した。シンクタンクが27日、本人の承諾を得たとして会議の録音を公開した。 録音などによると、バルファキス氏は今年初め、米テキサス大学のジェームズ・ガルブレイス教授を長とする5人の特別チームを結成した。チームは、債権者側の監督下に置かれている税務当局のコンピューターに侵入して国民や企業の納税者番号を入手し、新たな電子口座と連動させる秘密システムの構築に取り組んだ。秘密システムによって、銀行が閉鎖された場合でも支払いや納税ができるようになるはずだったという。 バルファキス氏によると、システムはユーロでの運用を想定していたが、いつでも独自通貨「新ドラクマ」に切り替えることができた。チプラス首相からは今年1月の総選挙前に「代替案検討のゴーサイン」を得ていたとされるが、6月末に銀行休業や預金引き出し制限の資本規制を導入した際、首相は計画を実行に移すのを許可しなかった。 ガルブレイス教授は声明で「ギリシャが借用書の発行やユーロ圏離脱を強いられた場合に起きる運用上の問題を研究するのが仕事だった」と説明。計画の立案は5月上旬に完了していたという。 ギリシャの親EU派の野党は極秘計画を批判し、チプラス首相に事情説明を求めている。これに対してバルファキス氏は声明で「財務省が緊急対応策の立案に取り組んでいなかったとすれば怠慢だ」と計画を正当化した。 http://mainichi.jp/select/news/20150728k0000e030193000c.html
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