http://www.asyura2.com/15/kokusai11/msg/247.html
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ロシア市場から投資家撤退−モルガンSは冷え込み長期化予想
2015/07/27 13:34 JST
(ブルームバーグ):ロシアの市場環境が冷え込みつつあることを受け、海外投資家が逃げ出している。しかもそうした市場の冷え込みは長引くと予想されている。
最大輸出品目である原油の相場見通し悪化と国際的制裁でロシアは2009年以来のリセッション(景気後退)入りが見込まれており、フランクリン・テンプルトン・インベストメンツやBNPパリバの運用担当者は投資縮小を進めている。世界最大のエネルギー輸出国であるロシアでは予算の半分近くが石油と天然ガスの収入で賄われており、モルガン・スタンレーは他に成長のけん引役を持たない「長い冬」を見込んでいる。
モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントの新興市場責任者ルチル・シャルマ氏はニューヨークのブルームバーグ本社でのインタビューで、「現時点では安定しているが、原油価格はニューノーマル(新たな標準)で落ち着きつつあるようだ」と指摘。「安定しているものの、低迷に伴う安定だ」と述べた。
ロシア株が14年に世界で最も大きく落ち込んだ後、同国にいったん戻って来ていた投資家が再び資金を引き揚げつつある。北海ブレント原油が今年の高値から19%下落し、新興市場の通貨で最も大きく値上がりしていたルーブルが最悪のパフォーマンスに転落したためだ。ウクライナ問題に関連した制裁の延長で投資が抑制され、外国市場へのアクセスも限られたことで、リセッションが予想よりも軽めにとどまるとの観測が後退している。
原題:Investors Flee Russia as Morgan Stanley Sees Long Market Chill(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Elena Popina epopina@bloomberg.net;ニューヨーク Ye Xie yxie6@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Nikolaj Gammeltoft ngammeltoft@bloomberg.net; Richard Richtmyer rrichtmyer@bloomberg.net Richard Richtmyer
更新日時: 2015/07/27 13:34 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NS4MEF6TTDS001.html
シェール革命の風雲児が危ない
OPECの増産、中国経済の変調─なお続く原油の供給過剰状態
2015.7.27(月) 藤 和彦
国連安保理、イラン核合意を正式承認 制裁解除への道開く
イランへの制裁解除でOPECはさらなる原油増産に? 米ニューヨークの国連本部で開かれた国連安保理の会合でイラン核開発をめぐる決議の採決を行う各国の代表ら(2015年7月20日撮影)。(c)AFP/JEWEL SAMAD〔AFPBB News〕
原油市場が再び弱気相場入りした。7月22日のWTI原油先物価格は、米エネルギー省が発表した週間石油在庫統計で「原油在庫が増加し、引き続き5年間の季節平均を上回った」ことが明らかになり、3カ月半ぶりに1バレル=50ドルを下回った。翌23日も4カ月ぶりに同48ドル台に続落した。
7月17日、米資源開発サービス大手のベーカーヒューズが「米国の稼働中のリグ数が7基減少した」と発表したにもかかわらず、原油価格は反転しなかった。シェールオイル企業が少々減産したとしても石油輸出国機構(OPEC)の増産傾向が止まらない。これに中国需要への不安が加わり、世界的な供給過剰状態は一向に改善しないとの認識が広がり、原油価格の下押し圧力が高まっているためである。
サウジが主導するOPECの「暴走」
このような状況下でも、OPEC加盟国関係者は、「今月に入っての原油価格の下落は短期的なもので、世界経済の成長で価格上昇が見込めるため、市場シェア確保のために生産量を高水準で維持するという機構の方針に変更はない」と述べた(7月22日付ロイター)という。
筆者はかねてからOPECの見通しに対し違和感を抱いていたが、7月18日にバーレーンのエネルギー戦略研究所が発表した報告書の内容は衝撃的だった。その内容をかいつまんで言えば、「サウジアラビアは制裁解除後のイランの石油生産拡大を妨害するため、過剰な量の原油を世界市場に供給することで原油価格下落の要因を無理やり作り出そうとしている」というものである。この推測が正しいとすれば、サウジアラビア関係者がしきりに「来年の原油需要は拡大する」と強調している理由が分かるような気がする。
しかしサウジアラビアと並ぶ原油生産大国であるロシアにとって、「最近の原油値下がりは、リセッションが来年も続き、ここ20年で最長となることを意味する」(7月22日付ブルームバーグ)
ロシアでは今年に入り6カ月連続で新車販売が前年に比べて大幅減になっている。7月23日付CNNによれば「3月末の貧困層が前年比で300万人増加した」という。来年9月に議会選挙を控える現政権への圧力は高まっており、ロシアのノバク・エネルギー相は7月30日にOPECのバドリ事務局長と石油市場とイランの状況について協議することを明らかにした。一方で、ロシアは中国の原油市場でサウジアラビアとシェア争いを演じるなど利害が対立しており、OPECの「暴走」を止めるのは難しいだろう。
中国経済に立ち込める暗雲
世界の原油需要拡大の頼みの綱だった中国経済には、ますます暗雲が立ちこめている。
中国の自動車市場の不振は誰が見ても明らかだ。フォルクスワーゲンの今年上半期の中国市場での出荷台数は2005年以来初の減少となった(前年比3.9%減の174万台)。7月23日付ブルームバークによれば、世界の自動車メーカー各社は中国での工場の稼働率を抑制する「転換点」を今年中に迎えるという。
中国政府も7月22日、「製造業は深刻な供給過剰の状態が続いており、潜在需要の強い海外へ生産施設を移転することでしか解決しない」との見方を示した。
中国が官民挙げて株式市場下支え策に投じた金額は、リーマン・ショック後の経済対策(4兆元)を超える5兆元相当に上った(7月23日付ロイター)。中国メデイアによれば、「6月中旬から始まった株価暴落の影響により、中国の家計資産に占める株式資産が6.8兆元(約136兆円)目減りした」という。株式市場に連動して不動産市場が一段と悪化すれば、「住宅ローンによる大規模な焦げつきが家計に発生して、金融システムが混乱する恐れがある」(7月20日付ドイツ連邦銀行月報)
「中国の株式市場のリスクよりも、中国企業が抱える債務の方が深刻だ」とする声も高まっている。
格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は7月16日に発表した報告書で「中国政府主導の独自の資本主義のもとで、企業の債務負担は政府の8倍に達する」ことを指摘した。また、7月16日付ロイターは「中国の企業債務は2013年のGDP比120%から2014年は同160%の16.1兆ドルに拡大し、米国の2倍の規模に達した」と報じた(米マッキンゼーは28兆ドルと試算している)。
膨大な規模の借金を抱える中国企業にとって、さらなる悩みの種は資金の海外流出である。米JPモルガンは7月17日に発表した報告書の中で、「過去15カ月に中国から流出した資金は5200億ドル(2011年から中国に流入した資金の総額と同額)に達した」と分析。その理由は「投資家が中国の経済成長を悲観的に見ているため」としている。
シェール革命で駆け上がり、転落したチェサピーク
以上のような状況を踏まえ、市場関係者の間で「1バレル=30ドルの水準まで下落する可能性がある」との声が囁かれている。そうなれば、低油価に抗してきたシェール企業も「万事休す」かもしれない。
「米チェサピーク、7〜9月期以降の配当中止へ」──2015年7月21日付ウォール・ストリート・ジャーナルは米石油・ガス生産大手のチェサピーク・エネジー(以下「チェサピーク)が苦境に陥っている状況を報じた。
チェサピークといえば、「シェール革命の風雲児」である。1990年にオーブリー・マクレンドン氏が従業員10人で立ち上げた会社は、現在エクソンモービルに次ぐ全米第2位のガス生産会社に成長した。
その成長の原動力はシェール革命だった。シェールガス・オイルの生産を可能にした水平掘削や水圧破砕などの技術の将来性にいち早く注目したマクレンドン氏は、偉大なる「ランドマン(地権交渉人)」となり、地主を説得し、所有地での掘削権のリース契約を結ぶ交渉人を何千人も集めて生産性の高い米国のシェール埋蔵地のほぼすべてに多大な権益を確保した。こうしてマクレンドン氏は2009年米500社CEOの報酬ランキング1位(約112億円)に輝くなど、アメリカンドリームを達成した。日本でも各種メデイアがチェサピークを取り上げ、視察ツアーが相次いだ。
しかし、チェサピークの転落は早かった。シェール層からの天然ガスや石油の生産が可能と分かるとシェールブームが起こり、多くの企業が参入した。そのため、米国内の天然ガスがあふれ、天然ガス価格が急落したからだ。
2008年に百万BTU当たり13ドル超の高値を記録した米国のガス価格は、2009年には3ドル台に落ち込み、エクソンモービルなどガス生産会社は軒並み赤字に転落。チェサピークは経営危機に見舞われた。
危機を乗り切るためにチェサピークは、他のガス生産会社と同様にシェールガスの生産から徐々に手を引き、価格が高い原油などの生産にシフトする。同時に、豊富に有するシェールガス関連権益を売却する動きに出た。2010年10月に中国海洋石油(CNOOC)が約11億ドル、2011年2月に世界最大の鉱山会社である英豪BHPビリトンが約48億ドルでチェサピークの権益を取得するなど資産売却は順調に進んだが、チェサピークの経営は想定通りには改善しなかった。2012年に入ると米国の天然ガス価格が100万BTU当たり2ドル前後まで下落し、業界全体で年間約100億ドルの赤字という事態になってしまったからである。
マクレンドン氏は2013年1月にCEOを退任することとなったが、まさに「シェール革命の浮沈を体現する人物」だったと言えよう。
体制を一新したチェサピークは経営立て直しのために、さらなる資産売却とシェールオイル・ガスの増産に努めてきた。しかし2014年後半以降の原油価格急落で2015年第1四半期は大幅な赤字に転落した。2014年9月時点で25ドル台だった株価は、2015年7月には9ドル台と低迷(前述の「配当停止」報道後、株価は8ドル台に下落した)、さらなる資産売却も困難になりつつある。
資金難に陥るシェール企業が続出
7月に入り、海外勢で最もシェール事業への投資額が多い多国籍企業、BHPビリトンがシェール事業で多額の損失(28億ドル)を計上し、米シェール事業への設備投資額を2016年6月期は前年度より55%減らすことを明らかにした。大手石油・ガス企業では、英BPが21億ドルの評価損を計上。英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルも多額を投じた開発が失敗に終わるなどシェールブームはすっかり冷え込んでいる。
2013年1月31日付フィナンシャル・タイムズは、「チェサピークは前払いで現金を受け取る見返りに将来生産する石油やガスを現物で支払う『ボリュームメトリック・プロダクション・ペイメント(VPP)』などの不透明な金融契約を駆使して債務を積み上げている」と報じている。原油価格の下落で、チェサピークの生産物の価値はますます下がり、借金の返済のために赤字覚悟の生産の増加に迫られることになる。
リーマン・ショック後からシェール革命の最大の支援者だったウォール街は、銀行監督当局がシェール企業への融資に関連するリスクについて警告を発しているため、今後融資返済に向け圧力を強めつつある(7月21日付ブルームバーグ)。銀行の与信枠の再検証は通常4月と10月に実施されるが、生産物の価値に基づく与信枠が10月までに縮小されれば、チェサピークは資金繰りに窮する事態に追い込まれるだろう。
7月22日付ブルームバーグは、「資金難に陥る企業が増える中で、投資家たちは次に支払いが難しくなる企業がどこか探し、もっと大きな賭けを行いたいため、レバレッジを活用する複雑なクレジットデリバテイブの一種である『インデックストランシュ』と呼ばれる金融商品の取引が急拡大している」と報じ、この商品を「金融危機前に人気を集めた仕組み商品と瓜二つだ」と評している。
1兆ドル規模のサブプライム関連CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)市場が、世界を金融危機に引きずり込んだことは記憶に新しい。現在100億ドル超のインデックストランシュ市場が、今後、ウォーレン・バフェットが言う「金融版大量破壊兵器」にならないという保証はない。
サウジとロシアが核で協力?
最後にサウジアラビアとロシアの気になる動きを紹介したい。
サウジアラビア政府系投資ファンドが、ロシアに100億ドルの投資を行うことになった。主導したのは、6月中旬のサンクトペテルブルク国際経済フォーラムに参加したサウジアラビアの副皇太子、ムハンマド国防相である。
そして、その見返りの一環として「同フォーラムでロシアによる原子力発電所建設を視野に入れた原子力協定が締結された」(7月23日付産経新聞)という。
7月22日付ロイターは、イラン核合意を受け「中東域内でイランとの権力争いを続けるサウジアラビアが、自国の原子力計画を加速し、将来的に核武装を可能にする核のインフラ構築に動く可能性がある」と指摘している。
イラン核開発疑惑が10年越しに解決した矢先に、今度はサウジアラビアによる核開発疑惑が浮上してしまうのだろうか。原油価格下落圧力を食い止めるための最後の手段として、中東地域で危機を演出するというシナリオだけはやめてほしいものである。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44381
中国株:続落、工業利益の減少で景気減速懸念-香港株も下げる
2015/07/27 13:51 JST
(ブルームバーグ):27日午前の中国株 は2営業日続落。中国政府が発表した6月の工業利益が減少したことで、同国の景気減速が深まっているとの懸念が高まった。
上海総合指数 は午前の取引終了時点で、前週末比2.4%安の3971.54。香港上場の中国本土株で構成されるハンセン中国企業株(H株)指数は同3.6%安。海通証券(6837 HK)と中信証券(6030 HK)が下げた。H株指数はここ1カ月で14%下落と、ブルームバーグが追跡する世界の93主要株価指数で最悪の下落率。
香港市場でハンセン指数は前週末比2.8%下げ、今月8日以来の大幅安となった。香港取引所(388 HK)は4.5%安。
原題:Chinese Stocks Slump for Second Day Amid Signs of Weak Growth(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:香港 Kyoungwha Kim kkim19@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Richard Frost rfrost4@bloomberg.net Allen Wan
更新日時: 2015/07/27 13:51 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NS4QEI6K50XX01.html
米株の強気相場に陰りも−わずか2業種が年初来の上昇支える
2015/07/27 13:47 JST
(ブルームバーグ):米国の主要株価指数 を押し上げている銘柄数がこの15年余りで最少となっており、強気相場の陰りを示唆している。
年初来のS&P500種株価指数の上昇は、ヘルスケアと小売りのわずか2業種 がもたらしたものだ。ブルームバーグのデータによると、上げに寄与する銘柄群がこれほどまでに特定の業種に集中するのは上昇相場の年では少なくとも2000年以来。
米国株は10%の調整を伴わない相場上昇が1400日近く続いており、これは過去3番目の長さ。その過程で裾野の広さが失われていった。今年の上げ相場を担っている2業種の株価収益率(PER)は22倍超と、他の業種より20%高いことも懸念材料だ。
マーケットフィールド・アセット・マネジメントのマイケル・シャウル最高経営責任者(CEO)は「市場がマクロの状況に関する見方に左右される状態から、限られた個別銘柄の見通しに関するボトムアップの見方に左右されるように変化してきている」と述べた。
より少数の企業に依存する状況は強気相場の成熟期の特徴でもある。最も記憶に残る例としては、インターネットバブル時に相場のピークまでの1年間にコンピューターやソフトウエア関連の6社がS&P500種 の上昇分の55%を占めたことが挙げられる。
今回の上昇相場でも一握りのテクノロジー株が同様の役割を演じており、これらの多くは現在、小売りの業種別指数に属している。
原題:S&P 500 Propped Up by Just Two Sectors Shows Bull Market Aging(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Lu Wang lwang8@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Jeff Sutherland jsutherlan13@bloomberg.net Chris Nagi
更新日時: 2015/07/27 13:47 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NS4IRS6K50XX01.html
日本株は下げ拡大、海外景気や円強含み警戒−香港・中国安も
2015/07/27 13:12 JST
(ブルームバーグ):27日午後の東京株式相場は下げ幅を広げた。米国企業の低調な決算や国際商品市況の軟調から海外景気の先行きに不透明感が広がっているほか、為替の円強含み、香港・中国株安も下押し圧力となっている。医薬品や電力など直近上昇業種のほか、その他金融や証券など金融株、化学など素材株中心に幅広く安い。
午後1時1分時点のTOPIX は前週末比24.09ポイント(1.5%)安の1631.77、日経平均株価 は261円7銭(1.3%)安の2万283円46銭。東証1部の値上がり銘柄数は188、値下がりは1616。
午後のドル・円相場は1ドル=123円40銭台と、東京株式市場の前週末終値時点の123円91銭、きょう午前終値時点の123円55銭に対し円が強含んでいる。
きょうの中国上海総合指数は2.1%安で取引を開始し、午前終値は2.4%安だった。香港ハンセン指数も2.8%安と下げがきつい。24日のニューヨーク原油先物は根強い供給過剰観測から0.6%安と続落し、終値で3月31日以来の安値。商品市場では、中国の景気減速による需要減少への警戒感が出ている。
東京証券取引所によると、国内の3月期決算企業の4−6月期業績発表は前週末の31社に対し、27日は37社、28日は55社、29日は105社と増え、31日の421社が1日当たりの発表ピークとなる。個別の決算内容を見極めたいとの姿勢から、午後1時時点の東証1部売買代金は1兆3738億円と低調だ。
東証1部33業種ではその他金融、その他製品、電気・ガス、医薬品、化学、証券・商品先物取引、陸運、パルプ・紙などが下落率上位。売買代金上位ではトヨタ自動車や東京電力、エーザイ、良品計画、野村ホールディングス、任天堂、SMCが安く、三菱自動車、エムスリーは買われている。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 長谷川敏郎 thasegawa6@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Sarah McDonald smcdonald23@bloomberg.net 院去信太郎
更新日時: 2015/07/27 13:12 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NS49RA6JTSE901.html
【今週の債券】長期金利0.4%割れか、オペで需給逼迫−FOMCに注目
2015/07/27 07:03 JST
(ブルームバーグ):今週の債券市場では長期金利が0.4%割れとなると予想されている。日本銀行による長期国債買い入れオペが週の半分以上実施される見込みで、需給が逼迫(ひっぱく)するとの見方が背景にある。
長期金利 の指標となる新発10年物国債利回りについて、ブルームバーグ・ニュースが前週末に市場参加者3人から聞いた今週の予想レンジは、全体で0.39−0.45%となった。前週の相場では24日に0.405%まで下げた。0.4%割れとなれば、6月1日以来となる。
三井住友アセットマネジメントの深代潤債券運用グループヘッドは、今週の債券相場について、「日銀の長期国債買い入れが3回見込まれるほか、月末に伴う年限長期化の買い需要も期待される。原油価格の下落が欧州のデフレ懸念につながると、円債市場でも金利低下を意識した取引が膨らみやすい」と予想する。
米国の年内利上げ時期を見極める上で、28、29日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)が注目されている。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は、今月半ばの議会証言で、年内に利上げを開始する方針を維持する姿勢を示した。30日は4−6月期の米国内総生産(GDP、速報値)が発表される。
野村証券の松沢中チーフストラテジストは、「FOMCで9月利上げを地ならしするような声明文が出なければ、市場のリスクオフはある程度和らぐ。米GDPで1−3月期が思った以上に上方改定されれば、年初以降の雇用統計と整合的に、順調な景気回復との認識になる」と指摘。「それでも9月利上げを確定的にするほどのインパクトはない」とし、金利の動きは「基本的に長期ゾーン主導になる」とみる。
2年債入札
財務省は28日に2年利付国債入札を実施する。表面利率(クーポン)は引き続き0.1%に据え置かれる見込み。発行額は前回債と同額の2兆5000億円程度となる。24日の入札前取引で2年物は0.01%程度で推移した。
野村証の松沢氏は、「今回の入札では恐らくマイナス金利は免れ、前回、前々回入札とほぼ同様のゼロ%すれすれの落札利回りになるだろう。相場への影響も小さそうだ」と言う。ただ、「マイナス落札利回りとなった場合、ないしはそのリスクが高いと日銀が判断した場合、今年3月のように需給過熱を冷ますため、オペ減額に動く期待が高まる」とみている。
市場参加者の今週の先物 中心限月と新発10年物国債利回りの予想レンジは以下の通り。
◎DIAMアセットマネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャー
先物9月物147円20銭−147円70銭 10年国債利回り=0.39%−0.44% 「材料次第だが、レンジ内で推移か。国内の需給は良好。ただ8月第1週以降の入札などを控えて、高値警戒感から戻り売りなどが出やすい。今回のFOMCで政策変更はないと予想しているが、FRBが景況感をどう見ているのかを見極めたい。米GDP統計も重要。1−3月期にマイナス成長だったが、4−6月期の数字次第では9月利上げに直結する可能性がある」
◎三井住友アセットマネジメントの深代潤債券運用グループヘッド 先物9月物147円10銭−147円70銭 10年国債利回り=0.39%−0.45% 「需給環境が良好であることは確かだが、金利水準を切り下げてまで買っていく雰囲気はない。超長期ゾーンについては、入札一巡と投資家の一定の買いで金利が下がったが、ここからさらに買い進むには慎重な向きが多い。ただ、鉱工業生産などの国内指標が弱めに出ると、債券の買い材料となる可能性は否定できない。週末にかけては、8月4日の10年債入札が視野に入るほか、その後の米雇用統計発表を見極めたい意向も強まりそうだ」
◎JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジスト 先物9月物147円30銭−147円70銭
10年国債利回り=0.39%−0.43% 「月末週で狭いレンジでの動きを想定している。直近、フラットニングが進行したことで、さらなる金利余地が乏しくなっている。5年債利回りで0.1%、10年債で0.4%という心理的な節目が近いことも、低下余地を狭めている。国内要因での手掛かりはなく、FOMCの声明文に市場の注目が集まりそう。ただ、利上げのタイミング関して、予断を持たせるものにはならないとみられ、相場へのインパクトは乏しいものになりそうだ。中国株の動向や商品市況に上下両サイドのリスクがあるため注意が必要」
更新日時: 2015/07/27 07:03 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NRZCON6K50Y101.html
米国債:週間ベースで2週連続上昇、インフレ見通しが後退
2015/07/25 06:50 JST
(ブルームバーグ):24日の米国債相場は週間ベースで先週に続き上昇した。商品相場の値下がりで、インフレ見通しは3月以来の低水準に近くなっている。
10年債と同年限インフレ連動債(TIPS)の利回り格差(ブレークイーブンレート)は縮小、商品の価格指数も下げた。2年債と30年債の利回り格差は6月以来の最小に近づいた。
マニュライフ・アセット・マネジメントの債券トレーダー、マイケル・ロリジオ氏(ボストン在勤)は「市場は商品の売り浴びせに気を揉んでいる。それに、初回利上げが近づいているのは支援材料ではない」と述べた。
ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは週間で9ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.26%。同年債(表面利率2.125%、2025年5月償還)価格は23/32上昇して98 25/32。利回りはこの日1bp下げた。
10年物ブレークイーブンレートは一時174bpと、3月30日以来の低水準まで下げた。インフレ期待の抑制は借り入れコストの上昇圧力を緩和する。
FRBスタッフの経済予測
米連邦準備制度理事会(FRB)は本来非公開の経済予測を意図せずしてウェブサイトに掲載していたことを、24日に明らかにした。掲載されたのは6月16−17日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)に向けFRBスタッフが独自の予測をまとめたもの。スタッフが予測した第4四半期の政策金利はFOMCメンバーの中間予測値を下回っていた。
この影響で短期債利回りが変動した。2年債利回りは一時、15分間で2bp下げて0.66%となった。
イエレンFRB議長は、16日の上院銀行委員会での証言で、性急な利上げは回復を阻害する恐れがある一方で、 利上げを長く待ちすぎると景気の過熱を防止するためより急ピッチな政策引き締めを余儀なくされかねないと指摘。「私自身は慎重かつ漸進的なやり方で進めるのが好ましいと考える」と発言した。FOMCの次回会合は7月28−29日に開かれる。
2年債と30年債の利回り格差は24日に一時225bpと、6月1日以来の幅に縮小した。
ブルームバーグ米国債指数によると、償還期限が1年以上の国債は年初からのリターンが0.4%。10年以上の長期債はマイナス2%。
原題:Treasuries Advance for Second Week as Inflation Outlook Slumps(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Alexandra Scaggs ascaggs@bloomberg.net;ロンドン Anchalee Worrachate aworrachate@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先: Boris Korby bkorby1@bloomberg.net Paul Cox, Kenneth Pringle
更新日時: 2015/07/25 06:50 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NS0E0JSYF01S01.html
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