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プーチン大統領 イラン核問題への思惑:「ユーラシアをチェス盤から家へ」:米露がウクライナとイランを同じテーブルに乗せ交渉
http://www.asyura2.com/15/kokusai11/msg/234.html
投稿者 あっしら 日時 2015 年 7 月 24 日 18:53:49: Mo7ApAlflbQ6s
 


2015年07月23日 (木) [NHK総合]
キャッチ!インサイト 「プーチン大統領 イラン核問題への思惑」
石川 一洋 解説委員

先週歴史的とも言われるイランの核開発を制限する合意がイランとアメリカなど6カ国との間で結ばれました。

ロシアはウクライナ危機で欧米と鋭く対立していますが、アメリカのオバマ大統領はニューヨークタイムスのインタビューで

「プーチン大統領とはウクライナ問題では深く意見が対立している。しかしイランの核問題でプーチン大統領とロシアはとても助けてくれた。正直にいえばこんなに貢献してくれるとは予想しなかった」と述べています。


なぜロシアは協力したのか、プーチン大統領の思惑に迫ります。

スタジオには石川解説委員です。

Q オバマ大統領がプーチン大統領に感謝の言葉を述べるとは、今の両国関係を考えると信じられないのですが、何故ロシアは協力したのですか。

A 3つの点があります。

1.核兵器拡散の阻止という安全保障上の理由です。
2.アメリカとの対話の維持と取引です。
3.地域大国イランとの関係強化と地政学的、経済的な理由です。

 
Q 安全保障上の理由というのは、ロシアにとってもイランの核兵器保有は脅威なのですか?

A ロシアは大陸国家で多くの国と国境を接しています。北朝鮮、中国、インド、パキスタン、イスラエル、ずらりと核兵器を開発保有した国が並び、ロシアを射程に収めるミサイルを保有しています。イランはすでに運搬手段のミサイルとしては、モスクワをも射程に収めるミサイルを保有しています。もしもイランが核兵器を開発し、ミサイルに搭載可能となりますと、ロシアにとっては脅威です。

今は、両国関係は良好ですが、イランとロシアの関係はカスピ海を挟み、長く地域の覇権を争ってきました。19世紀、ロシアは大英帝国の支援を受けたイランとの間で、中央アジアの覇権をめぐるグレートゲームを繰り広げました。また冷戦期、シャーの時代のイランはアメリカの支援を受けて、ソビエトと敵対していました。さらにイスラム革命後も無神論のソビエトは、イランにとって中悪魔と呼ばれ敵視されていました。今の両国の友好関係は、それは連邦崩壊後の20年余りにすぎないのです。

イランの核開発が進み、さらにサウジアラビアなど中東諸国も核開発に踏み切れば、ロシアの南に不安定な状況を作ることになります。
 

Q ウクライナ問題で鋭く対立し、新たな冷戦かとも言われる中で、核の拡散防止が、核保有国として米ロが一致する分野であるのは分かります。ただ取引というのは何でしょうか。

A イランの核交渉がまとまった直後、ウクライナでは親ロシア派が支配する地域に自治権を与えるための憲法改正案が議会に提案され、承認されました。アメリカのウクライナ担当のヌーランド国務次官補がウクライナを訪れ、憲法改正案が承認されるようさまざまな政治勢力に働きかけたと言われています。五月のケリー国務長官のロシア訪問、その後の米ロの外交当局者の交渉では常にウクライナとイランが交渉の主要なテーマとなっていました。取引があったかどうか確証はありませんが、しかし米ロがウクライナとイランを同じテーブルに乗せて、交渉を進めているのは事実です。

プーチン大統領
「国際経済の用語から経済制裁という4文字は無くなるべきです。制裁は、本末転倒、無用の長物で、世界経済では使うべきではありません。国際経済が通常な環境であってこそ、経済は成長するのです」
(上海協力機構・BRICS終了後の記者会見)
 
Q イランの制裁解除をロシアは強く主張していましたが、それは経済的な利益が大きいということなのでしょうか。

A 今ロシアとイランはシリア情勢など多くの国際問題で立場は一致しています。イランでの原子力発電所の建設などロシアはすでに先行しています。制裁が解除されれば、イランでの原発の建設や武器の輸出など経済的な利益も大きいでしょう。

ただロシアが狙っているのはユーラシアの地政学を塗り替えることです。

今月ロシアで、上海協力機構の首脳会議が開催され、イランのロウハニ大統領もオブザーバーとして招かれました。この会議でインドとパキスタンを正式メンバーとする手続きを進めることで合意しましたが、制裁が解除されれば、ロシアはイランを上海協力機構への加盟を積極的に進めるでしょう。上海協力機構の枠内で、中国、インド、ロシア、イランというユーラシアの大陸国家の大国の連携を強めることをロシアは狙っています。
 

Q しかしロシアと並ぶエネルギー大国であるイランが世界市場に復帰することは、原油価格のさらなる下落を招き、ロシア経済に打撃となるのではないですか。

A イランをめぐる欧米とのゲームが始まるとロシアは見ています。確かにイランへの制裁でロシアは漁夫の利を占めていた面があります。ただイランはユーラシアと南アジア、そしてヨーロッパをつなぐ地政学的に極めて重要な位置にあります。イランへの制裁は東西南北をつなぐこの絶好の輸送路を閉ざし、またガス大国としてのイランを国際マーケットから排除していたのです。
 
Q イランはガスの確認埋蔵量では世界最大と言われていますが、ヨーロッパはロシアガスの代替にイランを考えているのではないですか。

A その通りです。カスピ海からトルコを通り、中央に至るTANAPパイプラインの建設を始めています。ロシアとの対立の中で、ロシアへのガス依存を減らそうというのです。カスピ海のガスではロシアの代替とはなりません。そこにイランのガスが入ることで初めてロシアのガスの代替となるのです。イランとトルコの間にはすでにパイプラインがあり、ヨーロッパは、これとTANAPパイプラインを連結させることを狙っています。
 
Q ロシアはどのように対抗しようとしているのでしょうか。

A ロシアは逆にイランのガスをヨーロッパではなくインドなど南アジアに向かわせようとし、そのプロジェクトにロシアも参加することを考えています。そのためにイランを上海協力機構に加盟させるのです。イランは国内のパイプライン網の整備が遅れ、今でも北部は、トルクメニスタンなどからガスを輸入しています。すでにロシアから中央アジア、さらに中国までのパイプラインは整備されています。イラン北部にはロシア、中央アジアのガスを供給し、南部のガス田はイランと共同開発してインドに向けたパイプラインを伸ばす。あるいは南部にLNG基地を建設する。将来的にはロシアからイランまで繋がり、さらにインドまで伸びるパイプラインを作ることで、将来の成長が見込まれる南アジアの市場をロシアとイランが協力することで開拓しようとしています。
 
Q ただイランがそうしたロシアの思惑にのるのでしょうか。

A ペルシャ帝国以来の伝統を誇るイランはなかなかしたたかで、ロシアと欧米の出方を利用しようとするでしょう。ロシアは欧米が、イランをロシアに対するカードとして使おうとすることは織り込み済みです。その欧米主導によるゲームとならないためにも、上海協力機構の枠組みを強固にして、ユーラシアをつなぐパイプラインネットワークを、ロシア、中国、イラン、そしてインドの協力で築こうという構想を温めているのです。

http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/900/223567.html

 

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