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7月4日アメリカ独立記念日にギリシャの事等を熟考
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/07/74-c373.html
2015年7月 6日 マスコミに載らない海外記事
Paul Craig Roberts
2015年7月3日
退屈な7月4日のたわ言演説にいらついておられるのであれば、この疑問で気分をまぎらわせて頂きたい。欧米文明が代表しているとされている価値観は今も存在しているのだろうか? 哲学にはまりこむ必要は皆無だ。アメリカが公言している価値観のいずれかが、現在の出来事に反映されているのが見えるかどうか確認するだけで良い。
例えば、ウィキリークスの創設者ジュリアン・アサンジは、ワシントンによる迫害から守る為、エクアドル亡命を認められた。彼がジャーナリストとしての仕事を果たし、アメリカ同盟諸国を含むよその国々に対する、アメリカ政府の犯罪や陰謀を暴露する漏洩情報を公開したので、ワシントンは、アサンジを迫害すると心に決めている。アサンジは、1971年に、新聞が、ダニエル・エルスバーグが漏洩したペンタゴン・ペーパーズを発表した際に、ニューヨーク・タイムズがしたのと同じことをしたのだ。
アサンジは、ワシントンが、属国イギリスに、アサンジの亡命を認めず、エクアドルへの自由通行を許さないよう指示した為、ロンドンのエクアドル大使館で暮らして三年になる。アサンジに起きていることは、ソ連政府が、属国ハンガリーに亡命を認めないよう指示した為、1956年に、アメリカ合州国に政治亡命を認められたが、15年間、ブダペストのアメリカ大使館内で暮らしたミンツェンティ・ヨージェフ枢機卿に起きたことと全く同じだ。英米世界はソ連世界へと変身してしまった。
現在アメリカは、エクアドルをワシントン支配下に戻すべく、エクアドル政権の転覆を企んでいる。もしワシントンが、エクアドルを属国にするのに成功すれば、アサンジの亡命は無効にされて、彼はワシントンの手に落ちることになる。
おそらくは、アサンジに対する脅威を悟って、フランス司法大臣クリスチャーヌ・トビラは、アサンジのフランス政治亡命の可能性を持ち出した。アサンジは好機を捉えて、オランド大統領に亡命を要求したが、即座に拒否された。
1971年には、ダニエル・エルスバーグと、ニューヨーク・タイムズによる、民主主義と報道の自由を擁護する英雄的行為と見なされていたものが、40年後に、国事犯に変貌してしまったことは明らかだ。これ程重要な価値観が、40年で失われてしまうような文明は、公言している価値観から、明らかに後退している。現在、アメリカが公言している価値観は欧米が行っている犯罪を隠蔽する為の隠れ蓑に過ぎない。
7月4日の翌日、日曜日のギリシャ国民投票を考えて見よう。ギリシャ政府が、ギリシャ国民に、自らの運命を決めてもらうと発表した際、欧米の政治指導者やマスコミは、ギリシャ政府が民主主義を実行するのを非難した。ヨーロッパ指導者連中にしてみれば、ギリシャ国民ではなく、外国人エリートが、ギリシャに対する主権をもっているのだ。
ソ連に対する我々の批判は、ソ連には報道の自由が欠如しているということだった。現在、全欧米に、報道の自由が欠如している。2014年に、ドイツの新聞フランクフルター・アルゲマイネ・ツァィトゥング編集者だったウド・ウルフコッテが『買収されたジャーナリスト』という本を出し、大半の著名ヨーロッパ人ジャーナリストが、CIAから金を貰った工作員であることを暴露した。
日曜の国民投票を準備する段階で、こうした手先連中がギリシャで活躍するのを目にしている。ギリシャの世論調査会社『ギリシャ世論』が、同社の未発表で未完成の人々の傾向に関する断片的な所見を、ギリシャ新聞が公表して、国民投票に影響を与えようとしていると非難する声明を発表した。ギリシャの新聞は、ギリシャ人有権者の74.2%が、自分達に課される犠牲がどれほど大きかろうと、ユーロ圏に残りたがっており、ギリシャ国民に対する更なる緊縮政策の押しつけに反対するギリシャ政府の姿勢は、ギリシャ国民自身によって否決されると偽って報じている。新聞は、世論調査で、ギリシャ人は、EU緊縮政策案を、47.1%対39.3%で受け入れる投票をすることがわかったと報じている。世論調査会社は、裁判に訴えると脅している。http://sputniknews.com/europe/20150703/1024156209.html
ギリシャでは、外国が資金提供する非政府組織(NGO)も、世論に影響を与え、主権政府を不安定化さえするために利用されている。例えば、ギリシャのNGO、欧州外交政策財団は、ギリシャ国民に、ギリシャは、EU/IMF/ECB緊縮政策案を受け入れた場合にだけ有利な取り引きができると語っている。これは、もちろん、たわごとだ。緊縮政策案は取り引きなのだ。もしギリシャ国民が日曜日に“賛成”票を投じれば、彼等は、自らの敵に賛成し、自らの政府に反対投票することになる。
ギリシャにのしかかっている緊急総合対策は決して初めてのものではない。国から、富のみならず、主権をも略奪する行為の、最新のものに過ぎない。前回の緊縮総合対策は、ギリシャGDPを、27%も低下させ、60%という青年の失業率、大量移民、年金、賃金や社会福祉の大幅に引き下げや、自殺率の増加をもたらした。ギリシャの新聞や、欧州外交政策財団の様なNGOが、“債務危機”に対する緊縮政策“解決策”の完璧な失敗を理解していないはずはない。それなのに連中は知らんぷりをして、更なる緊縮政策が必要だとのたまっている。ギリシャ・マスコミとNGOがグルなのは明らかだ。
長いこと苦しんで来たギリシャ国民自身の約半数が、緊縮政策が失敗しており、緊縮策強化が回答ではないことを理解していないように見えるのは驚くべきことだ。民主主義が適切に機能するには、欧米の人々は余りに洗脳されすぎている。人々は、しばしば、彼等を略奪・強奪している利権集団に賛成投票をする。トーマス・フランクは、数年前、著書『カンザス州で何が問題か』でこれを指摘した。
ギリシャ・マスコミやNGO内の外国の代理人連中に支援され、唆されて、欧米マスコミは、日曜、ギリシャ国民に、自らの経済的、社会的、政治的利益に反する投票をさせることに成功するかもしれない。
日曜日の“賛成”票は、奴隷を選んで、主権を放棄するに等しい。他の債務国も、それに習うよう期待されることになろう。
アメリカ人自身、同じ道の先を行っている。ギリシャに起きていることは、アメリカ人にも起きている。金融危機は、連邦準備金制度理事会の政策を、アメリカ国民を犠牲にして、ごく少数の“大き過ぎて潰せない銀行”の必要性に合わせるのに利用された。アメリカ国民が、貯金に対する金利を貰えなくなって長い。連邦準備金制度理事会が銀行にタダでくれてやるので、銀行は金を支払う必要は皆無だ。利子所得が全く無くなったことが退職者に打撃を与え、命が無くなる前に、お金が無くなる可能性を高めてしまった。社会保障を補う為の利子所得がないので、退職者達は貯蓄を引き出さざるを得ない。貯蓄が引き出されるので、将来の収入源は減少する。雇用が海外移転してしまう為の、息子や娘の失業を和らげるのは益々困難になる。進学ローンの借金に苦しみ、雇用なき経済の中で、仕事を見つけることができない孫を助けるのは益々困難になる。
アメリカ国民の大半が、経済的失望と困難を味わっているのに、政府と経済マスコミは、回復は進んでいる、失業率は低下している、建築と住宅販売は立ち直りつつあると語りつづけている。こうしたことは皆分かりきった嘘なのに、ほとんど抗議は起きない。
祭日のせいで、6月の雇用データは、木曜日に発表された。経済マスコミは、223,000人という新規就業者数や、5.5%から、5.3%へ、完全雇用に迫る数値に失業率が低下したという良いニュースで、祭日の週末休日を溢れさせている。
これは全くウソの構図だ。本当の数値は下記の通りだ。
5月分として先月報じられた就業者数の数値は、60,000人減らされた。過大評価された、5月就業者数を改訂した正味では、就業者数の増加は、223,000人ではなく、163,000人だ。良いニュースの効果を得るため、雇用の過大評価を発表し、それから、こっそり後で改訂するというこの手法は『マトリックス』が駆使する手口の一つだ。
163,000人の就業者数というのは雇用数であって、雇用された人数ではない。益々雇用はパートタイムと化し、一人が、2つも3つも仕事をかけもちする様になっている。6月、常勤の仕事についている人々の数は、349,000人減った。
5.3%の失業率(U3)は、何百万人もの失業者を数に入れないことによって得られた数値が。もし、読者が、職を見つけることができず、過去四週間、職探しをしていなければ、読者は5.3%という率の中には勘定されない。政府が、職探しを諦めた短期失業者も数に入れるもう一つの失業率(U6)も発表しているにもかかわらず、経済マスコミは、この誤解を招く恐れのある率を強調する。職探しを諦めた短期失業者を含めれば、つまり、仕事を見つけられず、探すことをあきらめた人々を含めれば、失業率は10.5%に倍増する。
真実をプロパガンダで置き換える政策の一環として、約20年前に政府は、職探しを諦めた長期失業者を、失業者として数えるの止めた。長期失業者を含めれば、6月のアメリカ失業率は、23.1%だった。
23.1%という失業率こそ、政府や、連邦準備金制度理事会、ウオール街、経済マスコミや、1パーセントの為にサクラ宣伝をするアイビーリーグ出身経済学者連中が回復と呼ぶものだ。
もしギリシャ人が、日曜日の投票の際に、自らの利益を識別することが出来なくとも、アメリカ人は、自らの利益を理解する能力がないことを、もう何度も繰り返して実証済みなので、アメリカ人はそれについて、何も言う権利はない。
Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOSTが購入可能。
記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/07/03/greece-musings-july-4th-paul-craig-roberts/
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