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[海外メディアから]駆け引きの策巡らすロシア
ウクライナ問題で米欧や日本から経済制裁を受けるロシア。主な収入源である原油の価格も下がって二重苦を味わうが、巻き返しを狙い外交や軍事、資源で多様な動きをみせている。
プーチン大統領は最近サンクトペテルブルクで開いた国際経済フォーラムで、24人の西側経営者が参加したことを強調し孤立イメージの払拭を狙った。23日付米紙ニューヨーク・タイムズ社説は「欧州連合(EU)が対ロ経済制裁を6カ月間延長することを決めたことで、その試みは絶望的に映る」と切り捨てた。
だが虚勢ばかりではない。フォーラムに中国副首相に加えサウジアラビアからムハンマド副皇太子、外相、石油鉱物資源相ら要人を招いたことは目を引く。
19日付アラビア語紙アルハヤートは1面トップでサウジ側が「防衛、経済、核の平和利用などの分野で協力文書に調印し、ロシアとの関係強化で得る利益を強調」し、プーチン氏をサウジに招いたと伝えた。イランやシェールオイルで米と利害が対立するサウジのロシア接近は、米国の新たな心配の種となりそうだ。
11日付米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは商用利用で注目される北極海にロシアが着目していると分析する。「北極圏にある旧ソ連時代の軍事基地再開を急ぎ、新規の建設も検討している」という。北極海航路は夏から秋の解凍期に欧州や東アジアを速く低コストで結ぶ利点がある。同紙は、ソイニ・フィンランド外相が「ロシアは北海航路と(石油・ガスなど)海底資源を押さえる狙いだ」と警戒する声を伝えた。
ロシアは制裁への対抗手段を国際的視野で考え、米欧との駆け引きに使おうと戦略を巡らせる。年内に予定されるプーチン大統領の来日にもそんな側面があることに留意した方がいい。
(編集委員 中西俊裕)
[日経新聞6月28日朝刊P.15]
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