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AIIB設立協定締結 年内にも設立へ[NHK]
6月29日 12時30分
中国が提唱しているAIIB=アジアインフラ投資銀行の枠組みを定めた設立協定が、29日北京で締結され、中国が大きな影響力を持つ国際的な金融機関が年内にも設立される見通しとなりました。
アジアインフラ投資銀行はアジアの途上国のインフラ整備を支援するため中国が設立を提唱し、アジアや中東、さらにヨーロッパなどの合わせて57か国が創設メンバーとして参加するとしています。
29日午前、北京の人民大会堂で設立協定の締結式が開かれ、50の国の代表が協定に署名しました。新しい銀行は法定の資本金が1000億ドルで出資額は中国が最も多く全体のおよそ30%にあたる297億ドル余りを出資するとしており、次いでインド、ロシア、ドイツの順となっています。
さらに中国は25%を超える議決権を持ち、増資や総裁人事、それに協定の改定などの重要な案件は、議決権ベースで75%以上の賛成が必要と規定されていることから、中国は1国だけで重要案件を否決できる事実上の拒否権を持つことになります。
ただ、フィリピンやタイなどの7か国は会場で名前を読み上げられず、29日の署名を見送りました。これについて、中国の史耀斌財政次官は「きょう署名をしなかった国はことしの年末までに国内の手続きを経て協定に署名できる」と述べましたが、理由については言及しませんでした。
一方、日本やアメリカは、銀行の運営に不透明な点が残るなどとして参加していません。各国は今後、協定の批准を行う手続きに入り、中国が大きな影響力を持つ国際的な金融機関が年内にも設立する見通しです。
比 検討すべき点があり署名見送り
中国が提唱しているAIIB=アジアインフラ投資銀行について、フィリピン政府は今回、枠組みを定めた設立協定の署名を見送りました。
フィリピンはこれまでに創設メンバーとしての参加を表明していて、今回、代表団を北京に派遣しています。署名を見送った理由について、フィリピン政府は、銀行の運営などについて検討すべき点があるとしていて、中国に引き続き情報を求め、ことし12月までに署名するかどうか決めると説明しています。
AIIB 協定の内容は
中国財政省は、AIIB=アジアインフラ投資銀行の協定の内容を29日に発表しました。
それによりますと、資本金は1000億ドルで、このうち750億ドルをアジア太平洋地域の国々が、残りの250億ドルをヨーロッパなど域外の国々がそれぞれ分担します。出資比率は各国の経済規模に基づいて算出され、最も多いのが中国でおよそ297億ドル、次いでインドの83億ドル、ロシアの65億ドル、ドイツの44億ドルなどとなっています。
また、議決権はこれらの出資比率に加え、各国に一律に与えられる分を勘案して配分され、中国は、現段階では26%余りの議決権を持ちます。
一方、協定では銀行の重要案件のうち総裁の人事、増資、協定の改定、それに域内の出資比率の変更などには、議決権ベースで75%以上の賛成が必要と規定しています。このため中国は重要案件を1国だけで否決できる事実上の拒否権を持つことになり、中国の影響力の大きさが際だつ内容となっています。
一方、銀行の日常業務の運営を決めるメンバーは域内が9人、域外が3人の合わせて12人で、コスト削減の観点からこれらのメンバーは中国の北京に置かれる銀行の本部に常駐しないとしています。
創設メンバー各国は批准手続きに
アジアインフラ投資銀行の設立協定の締結を受けて、創設メンバーの各国政府は今後、本国で協定の同意を得る批准手続きに入ります。
協定では10か国以上が批准し、かつ、出資金ベースで50%以上に達した段階で銀行業務を始めることができるとされています。中国政府は年内に銀行を設立し、実際の融資や投資の業務を始めることを目指しています。
一方、創設メンバーにならなかった国について、中国政府は一般のメンバーとして銀行に参加することができるとしており、日本やアメリカなどまだ参加していない国々にも、引き続き参加を呼びかけています。
菅官房長官「運用含め注視」
菅官房長官は29日午前の記者会見で、「AIIBがガバナンスを含め、国際金融機関にふさわしい基準を満たすことによって、アジア地域の持続的な発展に資する機関として役割を果たすことを期待したい。今後もこうした観点から実際の運用を含め、しっかりと注視していきたい」と述べました。
そのうえで、菅官房長官は「日本としても質の高いインフラ投資を推進する観点から、AIIBとの協調融資などの取り組みの可能性については検討していく考えだ。関係国と緊密に連携しながら中国とも対話を続けていきたい」と述べました。
世界銀行総裁「重要で新たなパートナー」
中国が主導するアジアインフラ投資銀行の設立協定の締結式を受け、世界銀行のキム総裁は声明を発表し、「世界銀行は、アジアインフラ投資銀行を貧困撲滅という目標を共有する重要で新たなパートナーと捉えている」と述べ、歓迎しました。
そのうえで「アジアインフラ投資銀行は、ばく大なインフラ投資のニーズに応えるため、高い運営基準のもとで、われわれ世界銀行やほかの開発銀行の仲間となるだろう」と述べ、既存の国際機関との連携を求めました。
専門家 情報開示など透明性確保を助言
20年にわたり世界銀行に勤務し、中国をはじめアジア各国の経済分析に当たってきたアメリカのシンクタンク、ブルッキングス研究所のデイビッド・ダラー主席研究員は、AIIBの運営についての助言を中国側に求められ、情報の開示や独立した監査、それに、苦情を処理する制度といった透明性を確保する方法について意見を伝えたということです。
NHKとのインタビューで、ダラー主席研究員は「中国は日本とアメリカに本当に参加して欲しいという印象を受けた。日米中は世界の3大経済大国であり、中国主導の計画に日米が入れば中国の外交的な成功にもなる」と述べました。そして、AIIBにG7=先進7か国のうち、イギリス、ドイツ、フランスなど4か国が参加を表明したのにアメリカが参加しなかったことについては、「政府の高いレベルでは決定が行われなかったと見ている。アメリカは真剣に受け止めないで、高くないレベルで各国と協議し、参加しないよう求めてきた」と述べました。
一方、AIIBに対するアメリカ政府の立場については「引き続き、中立か消極的な態度だ。参加を検討する前に、質の高い運営の確保を求めている」と述べました。そのうえで、ダラー氏は「アメリカが近い将来にAIIBに参加する可能性は低い。この先数年は、結論が出ることはないだろう」と述べ、アメリカがAIIBに参加するとしても、来年の大統領選挙で誕生する新政権の発足後になるだろうという見方を示しました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150629/k10010131521000.html
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