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本命ジェブ・ブッシュ氏も出馬表明したが、盛り上がりは今ひとつ(ロイター)
【世界を斬る】米国は国際指導力を取り戻せるのか 戸惑う富裕層と無関心なミレニアム世代
http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20150624/frn1506241140002-n1.htm
2015.06.24 夕刊フジ
来年の大統領選の結果、オバマ政権の後に共和党政権が登場したとしても、米国が強力な国際指導力を発揮することは難しいと思われる。
先週、ニューヨークで、共和党・保守派の政治家を財政的に支援してきた富豪らによる政治パーティーに出席した。私が所属しているハドソン研究所が共同主催者で、パーティーのテーマは「米国の国際指導力をとり戻す」という勇ましいものだった。
会場は、超高層ビル78階に住む大富豪のペンションだった。マンハッタンの豪華な夜景を見下ろす大きなリビングルームには、共和党の候補者に一人で何十万ドル(何千万円)という高額の政治資金を出す富豪がひしめいていた。
私は、こうした政治パーティーに幾度となく出席したが、大統領候補者のほか、キッシンジャー氏、ラムズフェルド氏といった外交政策や安全保障政策の専門家が呼ばれているのが常だった。
ところが、この夜のパーティーには候補者も専門家の姿もなく、ゲストとして呼ばれた有名なジャーナリストや外交官が、ひたすらオバマ政権の外交政策を非難するだけだった。
「今回の大統領選は、共和党の候補者が乱立しているだけではない。ほとんどの候補者が自らの外交政策を主張する前に、『ブッシュ前大統領のイラク戦争は間違っていた』などと弁解ばかりしている。この集まりに、候補者の誰を招待すればいいのか分からなかった」
主催者の一人はこう言った。米社会の成功者である富豪らはオバマ大統領の後、誰に政治を託したら世界的な指導力をとり戻すことができるのか分からず、戸惑っているようだった。
こうした富豪と対照的に、今、米国の将来に多大な影響を与える“ミレニアム世代”の米国人は、自分の生活を心配するのが精いっぱいだ。彼らは、大統領選でも外交には関心がなく、国内政治に目をむけるだけ。
ミレニアム世代とは、1980年から2000年初頭までに生まれた人々で、米国人口の30%以上を占めている。ミレニアム世代は、明日の仕事がどうなるのか、健康保険料や医療費を払えるのか、子供の教育費を捻出できるか、十分な老後資金をためることができるか……といった自分の生活と行く末が心配で、米国の国際社会における指導力など問題にしたくてもできない。
日本では、オバマ大統領後の米国の国際的な指導力を期待し、「日米新時代がくる」といった楽観的なことを言う学者やジャーナリストが増えている。だが、米国の社会で実際に何が起きているかを見れば、それほど単純に考えることはできないだろう。
ニューヨークからは、アムトラックの列車でワシントンに戻った。先月、速度の出し過ぎでカーブを曲がれず、大事故を起こした路線だ。今回、脱線はしなかったが、3時間で到着するところ4時間もかかった。
■日高義樹(ひだか・よしき) 1935年、名古屋市生まれ。東京大学英文科卒。59年NHKに入局し、ワシントン支局長、理事待遇アメリカ総局長を歴任。退職後、ハーバード大学客員教授・同大諮問委員を経て、現在はハドソン研究所首席研究員、全米商工会議所会長顧問。
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