★阿修羅♪ > 国際10 > 900.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
過剰な教育熱が生んだ嘘?〜米国で起こった韓国人天才少女事件 学校で人間性教育を義務化へ「日本と韓国の交差点」
http://www.asyura2.com/15/kokusai10/msg/900.html
投稿者 rei 日時 2015 年 6 月 24 日 09:10:22: tW6yLih8JvEfw
 


「日本と韓国の交差点」
過剰な教育熱が生んだ嘘?〜米国で起こった韓国人天才少女事件

学校で人間性教育を義務化へ

2015年6月24日(水)趙 章恩

 6月19日付の米ワシントンポストが、米国のハーバード大学とスタンフォード大学を巻き込んで騒ぎになった、韓国人少女の虚偽合格事件を報じた。(関連記事:Harvard-Stanford admissions hoax becomes international scandal)

 この事件は6月2日、中央日報米州版が「韓国人天才少女」を紹介したことから始まった。記事の内容は以下のようなものだ。

 米バージニア州トーマスジェファーソン高校(Thomas Jefferson High School for Science and Technology)3年生の韓国人少女が、米の名門大学であるハーバード大学とスタンフォード大学に同時に合格した。この少女は米国で有名な数学賞を数々受賞している。
 両大学は、この韓国人少女を自分の大学に通わせるため、それぞれの大学に2年ずつ通い、本人が選んだ大学で卒業資格を得られるよう特別な便宜を図ることにした。ハーバード大学はこの少女に6万ドルの奨学金を支給すると決めた。
 フェイスブックの創業者であるマーク・ザッカーバーグ氏がこの少女に電話し、少女の数学の能力を称え、同社のプロジェクトを手伝ってほしいと提案した。名門大学の数学教授らが少女の天才性を認めて指導したいとメールをしてきた。
 6月4日から、「韓国人天才少女」の話を韓国メディアが一斉に後追いした。どの大学を卒業したのかを重視する学歴社会の韓国で、ハーバード大とスタンフォード大に同時に合格するというのは、読者が喜ぶニュースだからだ。ハーバード大やスタンフォード大に確認することなく、中央日報米州版の報道を鵜呑みにして紹介し始めた。

 6月5日には少女本人が自ら韓国のラジオ番組に出演し、「ハーバード大とスタンフォード大が特別に、私の同時入学を認めた」と話した。本人が言うのだから間違いないとして、韓国中が天才少女の話に沸いた。

確認することなく後追い報道

 しかし、その直後から米国の韓国人オンラインコミュニティで「2つの大学に同時入学するなんてあり得ない」「本人が主張する受賞歴を検索したところ嘘だった。大学合格も嘘の可能性が高い」という疑惑が出始めた。

 韓国のキョンヒャン新聞が、ハーバード大とスタンフォード大に確認したところ様々な虚偽が発覚したと6月10日に報道した。この記事によると、少女が韓国メディアに見せた合格証明書は偽造されたものだった。複数の大学に同時入学できる制度は存在しない。名門大学の数学教授らから送られた電子メールもすべて偽造だった。

 中央日報は6月11日、「事実確認をせず報道し読者を混乱させた」として、誤報を認め謝罪した。東亜日報と朝鮮日報も同日、この後を追った。

 この少女の父親は6月11日、「事実ではない内容で物議を醸して申し訳ない」と謝罪した。少女の家族は6月12日、米国を発ち韓国へ帰国した。

入試地獄が生んだ妄想か

 ワシントンポスト紙は、韓国中を騒がせた天才少女事件について、成功に対する親の過度の期待が生んだスキャンダルと分析した。受験生たちにとっては、名門大学に入れたかどうかが成功のバロメーターになる。大学入試に失敗するとプライドに大きな傷がつく。特に在米韓国人は子供の教育のために移民を選んだ人が多い。子供を米国の名門大学に進学させるために母親と子供だけ米国で暮らし、父親は韓国で十年以上も仕送りを続ける家庭もたくさんある(関連記事「受験競争に勝つため友情はいらない?」)。

 韓国の教育制度は「入試地獄」と呼ばれる。小中高校のすべての教育が、名門大学に入るための成績を競う入試教育になっている。「競争に負けてはならない」という恐怖のために、競争に勝つためなら手段を選ばない自己中心な子供が多いことが問題なっている。

 天才少女の嘘も、まさに競争に負けたことを認めるのが怖くて始まった妄想のように見える。韓国内では少子化の影響で一人っ子が多く、「成功しないといけない」と子供に圧力をかける親も多い。そのために、子供に全財産を投資することもやぶさかではない。就職難も重なり、名門大学に進学しなければならないという意識がますます高まっている事情もある。教育部(部は省)の調査によると、家計消費額が減る一方で、教育費は増え続ける傾向にある。

大学入試、就職試験で人間性を採点

 過剰な競争をやめさせるべく、入試ばかり重視する教育を変えるべきという声が韓国内で大きくなっている。これを受けて、7月21日から「人性教育振興法」という新しい法律が施行される。これは健全な人間性を持つ国民を育成して国家と社会の発展に寄与することを目的に、小中高校に人間性教育を義務付ける法律である。韓国の国会は「世界で初めて韓国が人間性教育を法律で定めた」と宣伝した。

 全国の学校は2015年度の重要業務として「人性教育強化」を掲げた。教育界では「勉強がすべてではない、人間性を大事にする教育が必要だ」という意見もあれば、「人間性までも教師が教えて評価して点数を付ける法律はいかがなものか」という意見もある。

 競争をやめ、人間性を取り戻すことが目的の法律が、別の競争を生み出してしまう可能性が既に出ている。早速、2016年度入試では21校、2017年度入試では38校の大学が、入試の際に高校での人性点数を考慮することにした。財閥系大手企業も、人間性を計る独自の採点基準を設けて、入社試験の際に反映するところが現れてきた。

 韓国の教育部が公開した「人性評価自己診断法」を見ると、「私は自分を誇らしく思う」「私は今日すべきことは今日する」「友達の悩みをよく解決してあげる」「私は国旗、国花など韓国を象徴するものを大事にする」などの項目がある。教師はこの評価を元に人間性を評価し、点数を付ける。SNSでは「友達の悩みを解決できなかった子供は人間性が悪いのか」といった疑問を唱える教師の発言が後を絶たない。

 入試地獄から脱皮するはずが人性点数を巡る新たな競争が始まる可能性が高くなった。このような点数重視の競争がなくならない限り、「天才少女事件」のような嘘と誤報をまた繰り返すことになるかもしれない。

このコラムについて
日本と韓国の交差点

 韓国人ジャーナリスト、研究者の趙章恩氏が、日本と韓国の文化・習慣の違い、日本人と韓国人の考え方・モノの見方の違い、を紹介する。同氏は東京大学に留学中。博士課程で「ITがビジネスや社会にどのような影響を及ぼすか」を研究している。
 趙氏は中学・高校時代を日本で過ごした後、韓国で大学を卒業。再び日本に留学して研究を続けている。2つの国の共通性と差異を熟知する。このコラムでは、2つの国に住む人々がより良い関係を築いていくためのヒントを提供する。
 中国に留学する韓国人学生の数が、日本に留学する学生の数を超えた。韓国の厳しい教育競争が背景にあることを、あなたはご存知だろうか?
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/215834/062200001  

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 国際10掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
国際10掲示板  
次へ