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アングル:北朝鮮「100年に1度の干ばつ」、闇市場が飢きんリスク減少
2015年 06月 23日 17:16 JST
[ソウル 22日 ロイター] - この100年で最悪の干ばつに見舞われ、農作物に甚大な被害が出ていると伝えられる北朝鮮。しかし、同国に芽生え始めた市場経済や農民が個人的に作る作物のおかげで、1990年代に見舞われたような壊滅的な飢きんにはならないとみられる。
北朝鮮では、1994─98年の飢きんで数十万人が死亡したが、市民に根差した市場や非公式経済により、個人が作物を作り、それを売買できるようになったことで、大規模な飢きんが起きるリスクは減少していると専門家は指摘する。
北朝鮮が過去100年で最悪の干ばつに見舞われているという同国からの報道には誇張があるかもしれないが、国連は栄養失調に陥る人が急増する恐れがあると警告している。
韓国ソウルにある国民大学校の北朝鮮専門家、アンドレイ・ランコフ教授は「農業は以前に比べて民営化が進んでいる。自分たちのために働く農民はよく仕事をするし、効率も良い」と指摘。「北朝鮮がまた飢きんを経験する可能性はほとんどない。特に、1990年代後半に起きたような飢きんはないだろう」と語った。
北朝鮮の従来の協同農場では、国家が作物を管理し分配する。そこでは、より多くの作物を作ろうというやる気を農民たちに起こさせるものがほとんどなかった。
しかし1990年代の飢きんを受け、北朝鮮は国営農場や自宅の裏庭で個人が小規模に作物を作ることを容認した。農民たちは穀物や野菜を育て、自分たちで消費したり売ることができる。こうしたやり方は、肥大化した集団農業よりも効率的である場合が多い。
要するに、北朝鮮が「先軍」体制を維持し、食糧や電力が強大な軍に優先的に与えられることに変わりはないが、一般市民がかつてのように苦しむことにはならないということだ。
ある非政府組織(NGO)職員は、北朝鮮の農業専門家の話を引用しながら、同国の農民たちは自分たちの区画を耕すため、平均で労働時間の3割を費やしていると推測している。
韓国の北朝鮮専門ネット新聞「デイリーNK」によれば、今年の干ばつで動員された北朝鮮の人たちは、個人の農地区画でも一段の働きを見せているという。
脱北者支援団体「リバティー・イン・ノースコリア(LiNK)」のソキール・パク氏は「こんにちの北朝鮮経済は本質的に、隠れた資本主義。国家社会主義の仮面をかぶってはいるが、実体は国民の下層で闇にまぎれて取引されている」と述べた。
<生産量が半減>
朝鮮中央通信社(KCNA)は先週、黄海南北道と平安南北道を含む北朝鮮の穀倉地帯が干ばつで干上がっていると伝えた。KCNAは22日、降水はあったものの、干ばつは長引くとみられると報じた。
国連食糧農業機関(FAO)は最近、北朝鮮の主要な生産地域の生産高は半減する見通しだと発表している。
今年の降雨量は昨年よりもさらに少ない。北朝鮮の作物生産高や食糧備蓄量を知ることはできないが、中国から密輸された食糧が供給の不足分を補ってくれる可能性はある。中国政府も北朝鮮に支援を申し出ている。
北朝鮮への国際援助は近年、減少している。その理由の一部として、同国が人道支援活動家を制限しており、食糧援助の分配監視に非協力的であることが挙げられる。また核開発を続ける同国は、国連の制裁下に置かれている。
大規模な飢きんが起きるリスクが大幅に減少した一方、干ばつがもたらす国家の食糧配給への打撃は、市場価格を上昇させることになる。
デイリーNKによると、恵山市の市場でイモの価格は、この1年で約3倍に跳ね上がっているという。
とはいえ、北朝鮮が長い間依存してきた海外からの食糧援助もしばしば非公式な市場に出回るため、価格はすぐに元に戻る可能性はある。
一方、北朝鮮の貧困地域では少ない食糧配給の影響を依然として受けやすく、すでに慢性化している栄養失調を干ばつが悪化させる可能性も否定できない。
(James Pearson記者、翻訳:伊藤典子、編集:新倉由久)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0P30QB20150623
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