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欧米の無分別さのおかげで親密化するモスクワとバクー
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2015年6月23日 マスコミに載らない海外記事
Dmitry BABICH
2015年6月22日 | 00:00
Strategic Culture Foundation
バクーで行われているヨーロッパ競技大会に対する欧米の悪意ある態度のおかげで、アゼルバイジャンは、ヨーロッパやアメリカ合州国との関係に、より慎重になっている。これは、単に不当な扱いというだけでなく、露骨な侮辱がイベントに暗い陰を投じている。アゼルバイジャンを人権侵害で非難するドイツ国会決議や、ヨーロッパ指導者達が開会式(ちなみに壮大だった)を無視した事実をお考え頂きたい。これはウラジーミル・プーチン大統領や、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の出席のおかげで、相殺されたが。
アゼルバイジャンは人口900万人の国家だ。石油とガスが豊富で、ユーラシア状況に影響を与えるのに十分な政治的影響力を持っている。ヨーロッパは、 アゼルバイジャンが、ガス供給者として、ロシアになりかわり、地域におけるモスクワの影響力を弱めることを望んでいる。欧米マスコミは、ヨーロッパ競技大会の前も、その最中も、アゼルバイジャンに対して、極めて批判的だ。アゼルバイジャン政府は、これは画策されたプロパガンダ行為だと見なしている。アゼルバイジャン大統領の公共・政治問題補佐官アリ・ハサノフは、いくつかの組織とマスコミ代表が繰り広げている悪意あるキャンペーンが、独自の政策を行い、屈服しようとしないアゼルバイジャンに圧力をかける手段であることは確実だと考えている。
この見方が正当であることがあきらかになった。これは、単に批判的なだけではなく、追求している狙いがあるのだ。アゼルバイジャンは、直接的な言葉で、アメリカ国務省が、このキャンペーンの背後にいると述べている。理由は、例えばポーランドやラトビアの様な国々の従順な振る舞いとは異なるアゼルバイジャン独自の政策だ。アゼルバイジャン当局者やマスコミは、あからさまにワシントンを批判している。アゼルバイジャン・イズベスチアによると、アメリカは、この地域の政治について、バクーが、自分達のルールに従い、ロシアとイランに反対して、アメリカ合州国の手駒になって欲しいと考えている。
ポーランドやラトビアのマスコミは、“ビッグ・ブラザー”を批判しない。欧米マスコミは、ある狙いを追求しているのだ。今回は、南アフリカでの、2010年ワールド・カップの時の様な治安問題の懸念は皆無だ。バクーは比較的安全な場所だ。インフラ(支出は、9億1500万ドルにのぼった)が合格レベルに達していることに疑問の余地はない。欧米マスコミは、2014年のソチ・オリンピックの時と同じように振る舞った。振る舞いの動機は、政治的なものだ。ドイツ議会決議の立案者達は、治安や、サービスや競技大会には一言も触れていない。ドイツの議員達が、突然、アゼルバイジャンの人権を気にし始めたのだ。通常、こうした問題は、欧米では、もっぱら政治的な理由で持ち出される。スポーツとは無関係なのだ。決議の名前さえ - “アゼルバイジャンにおける人権保護要求” - ソ連時代のプロパガンダの様な響きだ。
この文書は、アゼルバイジャンのヨーロッパ国際機関加盟に疑問を投じた。1990年代、バクーは、ヨーロッパ体制に参加することは大きな成果だと考えていた。アゼルバイジャン、それがカラバフ問題に対する解決策を見いだす方法だと見なしていた。そのおかげで、アゼルバイジャンが得たものがこれだ。ドイツ議会が採択した決議は、欧州評議会と欧州安全保障協力機構OSCE加盟国としての義務に反する、大規模で、ひどい人権侵害の責任がある国で、今のスポーツ大会が行われていると述べている。
ロシア人読者なら、どこかで聞いたような話だ。上記を裏付けるため提示された“事実”は全く同じ代物だ。内部告発者の逮捕と、似非ジャーナリストの入国拒否だ。スポーツ・フォー・ライト同盟のメンバー、プラットフォームのエマ・ヒューズがアゼルバイジャン入国途中、バクー空港で拘束され、その後、強制送還された。彼女は激怒した。彼女によれば、彼女が焦点を当てたかったのはスポーツ大会ではなく、内部告発者の公判進行状況裁判だ。
この暴露は偽善のにおいがする。ブラッドリー・マニングは、35年間の刑に処せられ、刑期をつとめる中、女性になったアメリカ人内部告発者だ。人権問題について、彼にはもっと言い分があるだろう。外国人ジャーナリストが、オリンピック大会を機会にアメリカ合州国を訪問し、突如アメリカの内部告発者が耐えねばならない苦難を報道し始めたと想像願いたい。彼(なり彼女なり)が強制退去させられるまで一体何時間かかっただろう。おそらく、強制退去前に、エマ・ヒューズがバクー空港で過ごした時間より短かったろう。
少し前から、バクーは、欧米が望んでいるものとは違う外交政策を実施し始めた。ヨーロッパ競技大会前と期間中の人権侵害批判は、アゼルバイジャンが独立していることを懲罰する報復行為だ。2014年12月、アメリカ国務省、ヒューマン・ライツ・ウォッチ、アムネスティー・インターナショナルや、他の組織の偏った、根拠のない発言に関して、アゼルバイジャン共和国大統領広報官アゼル・カシモフは、APA通信社にこう述べた。“そもそも、上記の非政府組織や、国務省広報担当官が行った発言は、現実を反映しておらず、国務省に、他国の善悪を判断する権限を与えた国際組織など存在しない。これらのNGOの本拠は、アメリカ合州国にあり、彼等が実際には、国務省の一部として機能していることに留意すべきだ。”
当時、あの忘れがたいジェニファー・サキが、フォギーボトムにある国務省の広報担当官をつとめていた。アゼルバイジャンは(2014年までは、ロシアでもそうであったのと同様)自分達の経済利益に反する様な政策など、欧米は実施しないだろうと信じていた。そう考えたのは間違いだった。同じことがロシアでも起きた。欧米の狂気には、何か筋道でもあるのだろうか? アゼルバイジャンは、モスクワを振り返ることなく、欧米が出資するエネルギー・プロジェクトに参加してきた。故ヘイダル・アリエフ大統領が、1990年代中期に下した決断によって、アゼルバイジャンは、バクー-トビリシ-ジェイハン・パイプライン・プロジェクトに参加した。バクーは最近、南エネルギー回廊に参加した。バクーは、見返りに何を得るだろう?
ロシアのレグナム通信社によれば、ワシントンとブリュッセルは、グルジアの前例を利用して、アラブの春という破壊的なウイルスを、アゼルバイジャンに持ち込んで、アゼルバイジャンで、政治危機を誘発したがっている。
こうしたこと全てから、アゼルバイジャンは、2014年オリンピック中に圧力に抵抗せざるを得なかったロシアとの連帯感を強めている。現在、モスクワは、ユコス裁判解決策の一環として、ヨーロッパにある国家資産凍結に直面している(元ユコスの株主レオニード・ネブズリンや、ウラジーミル・ドウーボフは、裁判で有罪になった犯罪人だ)。
アゼルバイジャンが、リガにおける東方パートナーシップ・サミットの反ロシア共同宣言署名に乗り気でなかった理由はこれだ(アゼルバイジャンは、宣言への署名は拒否したが、最終的には署名するよう説得された)。ヨーロッパ競技大会のロシア選手団は温かく迎えられた。ロシア-アゼルバイジャン二国間関係を強化する上で、この前向きの傾向の継続に弾みをつけることが重要だ。
ナゴルノ・カラバフを巡る紛争処理の為に、アメリカ合州国と欧州連合が何もしないことに、アゼルバイジャンはいらだっている。ロシアとのつながりを断ち切られ、欧州安全保障協力機構会議によって立ち上げられたOSCEミンスク・グループの欧米メンバーは、実際、その作業が麻痺している。彼等は、アゼルバイジャンは十分努力していないと言って、バクーがアルメニアとの和平に到る努力を強化することを望んでいる。この様にして、欧米は、ロシアとアゼルバイジャンという二国の関係を親密にしているのだ。
記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/06/22/west-indiscretion-brings-moscow-baku-closer-each-other.html
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