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インドの女子に教育を−草の根活動で8万人の就学手助け
By HANNAH BLOCH
原文(英語)
2015 年 6 月 19 日 18:05 JST
インドのサフィーナ・フサインさん(43)は15年前に父とインド北部に旅行したときのひとコマを覚えている。父が女性グループから子どもが何人いるかと聞かれた。この子だけだと答えると、女性たちはうめき声をあげ、泣き叫び始めた。「なぜ神はこの男性を呪(のろ)うのか」と嘆く女性たちに、父は「『この子は私のすべてだ』と答えた」。
当時、フサインさんは米国で保健衛生関連の仕事をしていた。インドで生まれ育ったフサインさんは「あの女性たちの目に私の姿は映っていないのだ」と気がついた。そしてふと思った−−「自分はここを離れるからいいが、この村で足手まといと自覚しながら成長していく少女たちはどうなるのか」。インドでは性差別的な考えが根強く、それは田舎に限らない。その数年前、ニューデリーでも家族ぐるみの付き合いをしている人が父にこんなことを言っていたことがあった−−フサインさんは女だから、教育にお金をかけるのは無駄だ、と。
フサインさんはこうした見方を変え、女子の教育機会を向上しようと2007年に活動を始めた。同年、ムンバイで非営利団体(NPO)「エデュケート・ガールズ」を設立。辺境部の貧困地域に住み、学校を退学していたり、入学したことさえなかった女子8万人の就学を手助けしてきた。そうした少女たちは学校をやめるケースも少なく、中学校時点で95%が学業を続けている。
インドはここ数年、女子の教育機会向上に取り組んでおり、6歳から14歳までのすべての子どもに「無料の義務教育」を受けさせる権利を保障使用としている。しかし国連児童基金(ユニセフ)によると、学校に通っていない少女の数は590万人にも上る。理由はさまざまだ。少女は家の手伝いを強いられることが多い。児童婚の風習もある。また学校にはそもそも女性教師が少なく、女子トイレなどの設備も整っていない。それに加えフサインさんが長年経験してきたような女性蔑視の慣習もある。
フサインさんらはまず、対象を北部ラジャスタン州の「深刻な男女格差」のある地域に絞った。女子の就学率が男子に比べて極めて低い地域だ。ここにある1067の村すべてで家を一軒一軒を訪ね、少女が学校に通っていない理由を聞き、学校に通わせるよう説得した。
これと並行して学校の登録手続きを策定し、学校施設を改善する手法を考え出した。地域の伝統からくる住民の不安にも対処した。親たちは娘が教育を受けることで伝統に根付いた衣服を身につけなくなったり、伝統に従った結婚をしなくなったりすることを恐れていたためだ。フサインさんらの熱心な取り組みで、この地域では男女の就学率の格差が7年間で19%から5%に縮小した。この地域は現在、当局も教育上の男女格差がほぼなくなったとの認識を示している。
エデュケート・ガールズの取り組みはその後インドの5地域・数千の村に広がり、4600人のボランティアと共に7500の学校と協力するまでになった。現在はカルティエやボーダフォン、ドイツ銀行などの大手企業や財団からの支援も受けている。
フサインさんは、少女を学校に通わせないことは慣習であり、悪循環になっていると述べる。フサインさんによれば「この悪循環は一度断ち切れば元に戻ることはない」。
http://jp.wsj.com/articles/SB12208919310003153678304581057300566031050?mod=wsj_nview_latest
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