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汚職疑惑に揺れるFIFA、収益マシンはなお安泰 世界を魅了するスポーツ、スポンサー企業はW杯から手を引けない?
http://www.asyura2.com/15/kokusai10/msg/783.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 6 月 01 日 00:25:05: igsppGRN/E9PQ
 

           5月29日、スイス・チューリヒで開催された国際サッカー連盟(FIFA)年次総会〔AFPBB News〕


汚職疑惑に揺れるFIFA、収益マシンはなお安泰 世界を魅了するスポーツ、スポンサー企業はW杯から手を引けない?
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43919
2015.6.1 Financial Times JBpress


(2015年5月29日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)


 「陽光降り注ぐ丘」に本部がある組織にしては、サッカー・ワールドカップ(W杯)の運営機関であり、国際スポーツにおける最も重要な団体でもある国際サッカー連盟(FIFA)の見通しは突如、大きく暗転した。


 だが、スイスのゾンネンベルクにあるFIFA本部の幹部たちに対する汚職捜査の結果がどうなろうと、収益マシンとしてのFIFAの地位は揺るぎないように見える。


 「放送局やスポンサー企業は、これからも延々と続く巨大なグローバルイベントであるW杯を支援するのを思いとどまることはないだろう」。FIFAとともにサッカーのテレビ放映権の開発に取り組んだスポーツマーケティングの大家、パトリック・ナリー氏はこう話す。


 驚異的な人気を誇るスポーツのテレビ放映権とスポンサー契約の世界的な決済機関であるFIFAは、昨年のブラジルW杯までの4年間に570億ドルの収入を上げた。


■FIFAの驚異的な収益力


 5月末の総会の前にFIFAの代表団に送られた報告書の中で、ゼップ・ブラッター会長は、FIFAは4年間の財務サイクルを「絶好調」のうちに終了したと述べた。


 「組織の健在な自己資本と堅実な水準の収入は、財務、運営双方の観点から我々を非常に安定した地位に置いている」とブラッター氏は述べた。


 資金のプールが非常に深いため、FIFAは2014年のW杯を組織した対価としてブラジルに4億5300万ドルを支払い、賞金に3億5800万ドル、4年間の人件費に3億9700万ドルを支出した後でも、チューリッヒにある客室数72の4つ星ホテル「アスコット」を購入するだけの資金が残っていた。


 スポーツ連盟として、FIFAは有利な税制を享受しており、スイスの法律の下では決算を公表する義務もない。2014年のW杯までの4年間で、FIFAが23億2000万ドルの総収入に対して支払った税金はわずか7530万ドルだった。


 FIFAの財務的な成功は、ブラジルのジョアン・アベランジェ前会長の功績によるところが大きい。


 1974年にスタンリー・ラウス氏を破って会長に就任し、世界のサッカーに対する長年のイングランドの支配を終わらせた人物だ。


 アベランジェ氏はW杯を主として欧州のお祭りから世界的な競技に変貌させた。この事業拡大の財源確保を助けたのが、アディダスの当時のトップ、ホルスト・ダスラー氏で、同社は後にFIFAにとって最も重要なパートナーになった。


 2006年のドイツW杯の後、FIFAは3階層のスポンサーシップの選択肢を考え出した。6社の「パートナーシップ」、8社の「スポンサーシップ」、そして「ナショナルサポーター」だ。


 この戦略は大成功することになる。2014年のW杯までの4年間に、FIFAはマーケティング契約から16億3000万ドルを稼ぎ出した。それ以前の4年間から60%近く増えた格好だ。


■収入の半分近くを占めるようになったテレビ放映権



FIFAは2014年のW杯ブラジル大会に対する世界中の放映権で24億3000万ドルを稼ぎ出した(写真は同大会で優勝トロフィーを掲げて歓喜するドイツの選手)〔AFPBB News〕


 ダスラー氏は、FIFAのテレビ市場を生み出す手助けもした。


 「私は1978年に、サッカーに対する権利というこの概念を作り出すために、彼(ダスラー氏)とともに働いた」とナリ―氏は言う。


 「我々は仕組みを根本的に変え、独占権があるようにし、放送局にとって、これらの権利を持つことに価値があるようにした」


 サッカーの魅力が大きくなるにつれ、FIFAの収益ポテンシャルも大きくなった。今ではFIFAの収入の半分近くがテレビから来ている。


 FIFAは2014年のW杯に対する世界中の放映権で24億3000万ドルを稼ぎ出し、米国は今やFIFAにとって4番目に大きなテレビ放映権市場になっている。


 米国の検察当局によれば、FIFAのテレビ放映権や商業権の価値が上昇するとともに、汚職の金額も増えたという。


 ある1件の汚職疑惑だけで、スポーツマーケティング企業2社がコパ・アメリカの4大会に対する権利を獲得するために、南米サッカー連盟関係者に1億ドルの賄賂――3億5250万ドルの価値がある契約のほぼ3分の1――を払ったとされる。


■FIFA幹部の贅沢な暮らし


 確かに、FIFAの代表団は贅沢な生活を送っている。FIFAは年次総会の旅費や宿泊費、運営費だけで年間3000万ドル以上支出している。幹部らの気前良さの物語は伝説になっている。


 FIFAの北米連盟の元事務局長で現在は米国の捜査当局と協力しているチャック・ブレイザー氏はかつて、もっぱら飼い猫を住ませるためにニューヨークのトランプタワーにマンションを持っていた。



贈収賄に関与したとして起訴された国際サッカー連盟(FIFA)のジェフリー・ウェブ副会長(上段左から3人目)ら7人〔AFPBB News〕


 5月27日に逮捕されたFIFA理事会のメンバー、ジェフリー・ウェブ氏はある仲介者に、プール建設業者の口座に120万ドルの賄賂を振り込ませたとされている。


 ジョージア州にある同氏の自宅にオアシスを作るためだ。


 身元が明かされていない別のFIFA幹部は、ウェブ氏への賄賂の支払いを容易にしたことで、ニューヨークの画廊から高価な絵を受け取ったという。


 5月27日の逮捕劇の前でさえ、FIFAの財務については疑問があった。主な疑惑は、スポンサーシップやテレビ放映権の配分の仕方だ。


 米国の捜査官たちが、社名が特定されていないスポーツウエア会社がスポンサー契約を巡ってブラジルのあるサッカー関係者への贈賄支払いに加担したと述べた後、ナイキは米国当局に協力していると述べた。


 FIFAと同様に、ナイキもサッカー人気の波に乗ってきた。昨年はサッカーから上げた利益が22億7000万ドルとなり、1994年の4000万ドルから大きく膨らんでいる。


 W杯の多くのスポンサーは、FIFAとの契約から手を引けば悲惨なことになると感じているが、FIFAとの関係が切れるに任せたところもある。


 これまでのところFIFAとの契約を取り消す可能性があると述べたのはVISAだけだが、5月27日の逮捕のニュースを踏まえ、スポンサーシップ契約の見直しを迫られる企業はほかにも出てくるかもしれない。


 

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