http://www.asyura2.com/15/kokusai10/msg/757.html
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去る日曜日に行われたスペインの統一地方選挙の結果に関するスペイン「TVEニュース」は、躍進したPODEMOSをほとんど取り上げないという異様な動きだった。
1ヶ月ほど前には、PODEMOSの共同創設者が「PODEMOSは社会主義労働者党などと同じような政治組織になってしまった」と言って党から去って行ったが、今のところ、反緊縮の支持を受けて躍進は続いている。
マドリードの市長に関しては、現在の政権与党である国民党が、反PODEMOS連合を組むよう社会主義労働者党など野党既成政党に働きかけているが、野党はその誘いに乗る動きは見せていない。
※ 関連投稿
「ギリシャ不安、再燃も 債務削減で綱引き:トロイカの対ギリシャ交渉はスペイン新興左翼ポデモスを念頭に置いたものに」
http://www.asyura2.com/14/kokusai9/msg/853.html
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[FT]スペイン政治 新勢力台頭で混迷(社説)
2015/5/27 15:23
ユーロ圏の危機で打撃を受ける全ての国々で、ポピュリスト運動が既存の政党に挑み、国政が分断されている。しかし、スペインほどその分断が劇的に示された国は他にない。スペインでは過去30年間、政権は必ず中道左派の社会労働党と中道右派の国民党という二大政党のどちらかが握ってきた。しかし、24日の統一地方選挙の後、同国は両政党と新たな対抗勢力とが共に政治の舞台に立つ不安定な時代に突入したようだ。
ある意味でこの選挙結果に驚きはない。ラホイ首相率いる国民党と野党の社会労働党は議席数を大きく減らした。最近の経済苦境や政治腐敗に有権者が反発した。一方で、反緊縮財政を掲げる急進左派政党のポデモスや改革推進派の中道政党シウダダノスが地方議会の議席数を大きく伸ばした。
しかし、これらの地方選挙で注目すべきはある1つの政党の成果ではなく、全体的な選挙結果が今後のスペイン政治の行方の不確かさを示唆していることだ。24日に選挙が行われた13地域のいずれでも議席の過半数を獲得した政党はなく、今年行われる総選挙も同様の煮え切らない結果となる兆候を示している。
■政治的腐敗に対する怒り
ラホイ氏にとって、この投票結果は当然のことながら不本意なものである。過去4年間、同氏は特に労働市場での徹底した改革プログラムを通じてスペインの経済危機からの脱却を支えた。同国の経済は今年、ユーロ圏のどの国よりも高い3%という順調な成長を見せており、消費者センチメントも経済危機前の水準まで急上昇している。しかし、この急成長もいまだに23%と高い失業率を大幅に引き下げるのには十分ではない。この失業率は主にラホイ氏が就任する前の不動産バブルの崩壊によるものであるが、同氏が高い代償を支払っている。同氏の政党を悩ませる汚職問題も、計り知れないダメージを与えている。
ラホイ氏はこの選挙結果から教訓を得るべきだ。国民党の得票率が27%とスペイン最大の勢力を保てたことや、ポデモスが、同じく反緊縮を掲げるギリシャの急進左派連合の強さとはかけ離れていることは慰めにはなる。しかし、同氏は政治的腐敗に対するスペイン人の怒りを過小評価してきており、汚職撲滅のための断固とした措置を講じる必要がある。さらに、経済改革への取り組みを緩めないと同時に、時にスペイン人の若者の将来に対する深い憂慮を正しく判断できていないように映っているということも知るべきだ。
スペインの全ての政党にとってより普遍的な教訓もある。複雑さを増す国政の姿を受け入れる必要があるということだ。決着のつかない可能性がある総選挙に向けて、新旧にかかわらず全ての政党が互いに成熟した対応をする必要があるだろう。与党となる可能性もあるポデモスとシウダダノスは、政府の責任を負う党となることを目指すか、純粋な野党勢力となる運命を受け入れるか、最終的に決めなければならないだろう。
スペインが今年の総選挙に前向きな姿勢で臨むのはもっともだ。この国はどん底の経済危機を脱するために驚くほど長い道のりを歩んできており、多くの意味で欧州の周辺諸国の手本となっている。特にラホイ政権には、主張すべき堅実な改革の業績がある。政治的な分断から動きが止まり、これまで目にしてきた貴重な経済的業績を損なう結果にならないことを願うばかりだ。
(2015年5月27日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
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http://www.nikkei.com/article/DGXMZO87337240X20C15A5000000/?n_cid=DSTPCS013
- スペイン首相、続投に逆風 地方選、与党低迷 緊縮策理解進まず あっしら 2015/5/31 04:14:56
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