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〈FT特約〉TPPで影響力狙うが… 米、中国を抑え込めず
オバマ米大統領はなぜ環太平洋経済連携協定(TPP)締結にこだわるのか。環太平洋12カ国の垣根を取り除き、より大きな繁栄をもたらすから、というのが公式な答えとされてきた。しかし端的な答えは「中国」だ。 重要な事実は、TPPが日米と環太平洋の10カ国で構成する協定だという点である。ここに中国はいない。TPPを巡る米政府の議論の多くは貿易交渉にありがちな農業従事者、通貨、知的財産に関するものだ。だが、オバマ氏と安倍首相の根底にある動機は戦略的なものだ。
残念ながら、TPPが仮に締結されても、日米両政府がそこにかけていた地政学的な期待を全てかなえられるほど意味のあるものにはならない。
オバマ氏は数週間前に米ウォール・ストリート・ジャーナル紙に対し、TPPが貿易問題以上であるとの認識を示した。TPP締結が重要な理由として「もし米国がルールを作らなければ、中国がルールを確立する。そうなれば米国が閉め出される」と明かした。
最近話題になった米外交問題評議会の報告書は「中国を自由な国際秩序に統合する」ためのこの数十年の米国の取り組みが裏目に出ていると指摘した。
著者のアジア専門家、ロバート・ブラックウィル氏とアシュレイ・テリス氏は様々な対抗策について論じ、TPPを「意識的に中国を除外する手段を用い、米国の親密国や同盟国でつくる選択的な新貿易協定」と呼ぶ。
米国は中国が主な出資国であるアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加を重要な同盟国に思いとどまらせられなかった。このような影響力低下に直面し、オバマ政権はTPPでアジア太平洋地域における米国の影響力を確保しようと意気込んでいる。
しかし、TPPは期待に応えられない。まず、参加する12カ国が合意できるかも、米国が大統領貿易促進権限(TPA)法案を可決できるかもはっきりしない。
より重要なのは、アジア経済において中国が中核になるのを阻止するのはもう手遅れだということだ。中国は既に日本、シンガポール、オーストラリアといったTPPの重要交渉国にとって最大の貿易相手国になっている。そして米国自身にとっても2番目に大きな貿易相手国だ。
米国が依然アジア太平洋地域で支配的軍事力を持つ一方、中国はいまや卓越した経済力を持つ。TPPにこの現状を変えるだけの影響力はないし、時期も遅すぎる。
(19日付)
=英フィナンシャル・タイムズ特約
[日経新聞5月20日朝刊P.6]
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