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石油価格下落の要因:イランの解説 アメリカとサウジの行動が主な原因、行動の動機については様々な推測
http://www.asyura2.com/15/kokusai10/msg/703.html
投稿者 あっしら 日時 2015 年 5 月 19 日 02:05:00: Mo7ApAlflbQ6s
 


2015/05/11(月曜) 19:47
石油価格下落の要因 [イランラジオ日本語]

2014年は経済界やその最も重要な要素である石油にとって、紆余曲折の多い年となりました。世界市場で黒い金とも言うべき石油の価格下落が続いたことにより、現在石油の平均価格は1バレル当たりおよそ50ドルに達しています。石油と関連する規模の大きな経済・貿易機関の多くは、この状況を懸念しています。

しかし、どのような要素が石油価格の下落の要因となったのでしょうか。この下落に関するサウジアラビアの役割は果たして実質的なものであり、またアメリカは経済的なソフトパワーとして、石油を武器に利用したのでしょうか。この下落で利益を得た、あるいは損をしたのは、どの国であり、2015年、石油に関して、今後どのような状況が待ち受けているのでしょうか。

石油価格は、2014年6月から、世界規模での原油の過剰な供給やドルの高騰、停滞した世界経済における原油の需要が減少したことで、以前の半分にまで下落しました。この下落のプロセスは、2014年11月、OPEC石油輸出国機構が供給過多にもかかわらず、生産枠を縮小しないという決定を下してから、さらに加速しました。そのプロセスがもっとも急速に進んだのは、2014年11月のOPEC外相会合の開催から、2015年2月上旬までの段階だったとすべきでしょう。この期間の石油価格の下落は、一部のメディアが自由落下と表現するほど、急速に進みました。

OPECは11月の定例会合で、日量3000万バレルの生産枠を維持しました。11月27日、サウジアラビアやペルシャ湾岸諸国などのOPEC加盟国が、日量3000万バレルの生産枠の縮小に反対したのです。

2014年の5月上旬、石油市場のアナリストは、日量140万バレルの石油需要の拡大を明らかにしていました。こうした需要の増加により、世界の原油需要は全体で、日量およそ9300万バレルと見積もられていました。この時期の石油の平均価格は、1バレルあたり106ドルで、上昇傾向も示していました。つまり、アナリストの予測通り、2014年の5月から6月にかけて、世界の原油需要は次第に高まったのです。

2014年6月は、中旬まで石油需要が次第に伸び、世界市場における石油の平均価格は1バレル当たりおよそ110ドルまでに達しました。一方、その時期、石油の生産と供給も拡大しており、6月下旬には供給が需要を上回りました。それは、この時期、アメリカ政府が40年間禁止していた石油の輸出を許可したからです。この措置の背景には、アメリカのシェールオイルのかつてないほどの増産が存在します。シェールオイルは生産コストの高い石油であり、水圧破砕という方法により地下の深い層から採掘されます。

アメリカの原油生産は2008年、日量470万バレルのみでした。2014年のシェールオイルの増産により、この生産量は日量およそ900万バレル、つまり世界全体の産油量の10%近くに達しています。昨年の7月には、リビアの反体制派武装組織が、ヨーロッパ向けの原油を生産する2つの油田の生産量をふたたび拡大しました。同時に、リビアの石油の不足分によりヨーロッパ市場に供給されていたアフリカのOPEC加盟国のナイジェリアの石油が、アジアと中国の市場に向けて供給されました。

2014年8月、石油の供給の著しい増加と、6月分、7月における余剰分の発生にもかかわらず、8月中、世界市場における原油価格は依然として1バレル当たり100ドル以上でした。

9月上旬、西側の組織や国際機関は、西側やアジア、特に中国の経済を対象とした、成長率に関する世界の経済指標を当初よりも大幅に下方修正して発表しました。これらの機関の中で、IEA国際エネルギー機関は石油需要の伸びの遅さについて語りました。
昨年の9月下旬まではまだ、原油価格は100ドルを少し上回っていましたが、この時期、OPEC加盟国のアラブ諸国、特にサウジアラビアやクウェートは、ナイジェリアのアジアにおける長期的な石油取引を妨害するため、自国の原油を1ドル安くして供給するようになりました。その結果、世界の原油価格は9月末には1バレルあたり95ドルに下落しました。

2014年10月、IEAは世界の石油需要の成長に関する予測を再び修正し、以前の予測の半分としました。アジアの、とりわけ中国の経済成長を以前の予測より低く見積もったこの修正は、正当な措置とされました。その結果、10月中に、前月末と比べて石油価格は11ドル下落し、1バレルあたりおよそ84ドルに達しました。この下落の傾向が続く中で、下落が停止する唯一の希望は、11月27日にオーストリア・ウィーンで開催されたOPEC12カ国による外相会合と、ここで生産枠の縮小の合意が行われることでしたが、この合意は成立しませんでした。

実際、サウジアラビアや、OPEC加盟国のアラブ諸国の首長国の反対と、石油価格の伝統を守る人々の抵抗がなかったことから、OPECは石油価格のコントロールに向けた供給の削減に関して、決定を行うことができませんでした。

明らかにサウジアラビアとその同盟国は、ナイジェリアのようなほかの産油国にアジアの顧客を奪われるよりは、石油価格の下落と自国の石油収入の減少を優先させたのです。

これに加えて、サウジアラビアは日量およそ950万バレルの生産と日量700万バレル以上の輸出量の維持を正当化する中で、価格の引き下げによりアメリカのシェールオイルの市場参入に抵抗することを提案しました。

OPECのバドリ事務局長はこの会合の2週間後、OPECの市場におけるシェアを維持するための戦略とされた、驚くべき決定を支持し、「石油の供給と需要のギャップは、原油価格の下落の原因ではない」と語りました。

しかし、この説明の一方で、サウジアラビアの外務大臣はOPEC外相会合の4日前に急遽ウィーンを訪問し、アメリカのケリー国務長官と、イランと6カ国の核協議の傍らで30分間の会談を行いました。このため、一部のアナリストはサウジアラビアの石油のスタンスをイラン、ロシア、ベネズエラに対する陰謀におけるアメリカとの協力を示すものだとしています。

いずれにせよ、サウジアラビアの妨害行為やアラブ諸国以外のOPEC加盟国が適切な決定を下す上で消極的で無力だという事実により、石油価格は2014年の11月末までに1バレル当たりおよそ70ドルに下落しました。さらに、2014年12月から2015年1月にかけて、原油価格の急速な下落傾向は続き、1バレルあたり60ドルにまで達しました。

この傾向は2015年1月まで続き、原油市場では1バレルあたり50ドルという衝撃的な価格を記録しました。この2ヶ月間、過去数ヶ月間の要因に加えて、原油価格が20ドルに下落するまで減産を行わないとするサウジアラビアの石油大臣のコメントなどの、一部の石油関係者の表明、アメリカの輸出用の石油備蓄がかつてないほどに拡大したという報告といった、石油市場におけるマイナスの雰囲気などが、石油価格の下落をあおり、この下落の継続に大きな影響を及ぼしました。

すべての石油の専門家やアナリストの見解では、間違いなくアメリカとサウジアラビアが2014年の石油の市場価格の下落の主な原因だったということです。アナリストの見解の対立は、この2カ国の動機をめぐるもののみです。

あるグループは経済的な動機に従い、原油の市場価格の下落は、アメリカとサウジアラビアの石油市場におけるシェア争奪戦の結果だとしており、この2カ国(2大産油国)の価格競争について語っています。

また、あるグループは、アメリカと西側諸国の核問題をめぐる対イラン制裁、ウクライナ危機における親ロシア派への支援の問題をめぐる対ロシア制裁に注目し、また一方ではアメリカとサウジアラビアのかつてない石油政策の転換を指摘し、政治的な動機を強調することで、石油価格の下落はアメリカとサウジアラビアの共同の陰謀だとしています。

明らかなのは、いずれの動機であれ、2014年の石油価格の下落の主な責任者はアメリカとサウジアラビアだということです。

これに加えて、世界の経済成長と石油需要に関する西側の機関、特にIEAの予測の連続的な下方修正も原油価格下落の主な要因とみなされています。これらの要因は、石油取引の関係者や石油の投機家の行動にマイナスの影響を及ぼしました。

その他の重要な要因としては、北アメリカでのシェールオイルの生産競争、さらに、中国の経済成長の鈍化と、ヨーロッパの経済停滞による世界レベルでの石油の消費の減少が挙げられます。

http://japanese.irib.ir/programs/世界の情勢/item/54596

 

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コメント
 
01. 2015年5月19日 16:56:55 : nJF6kGWndY

分析自体は、ありふれているな

問題は、今後の予測だが

お手上げか



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