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中印関係を定義する5つの「ギャップ」
ANANT VIJAY KALA, RAYMOND ZHONG AND NIHARIKA MANDHANA
2015 年 5 月 14 日 19:37 JST
習近平・中国国家主席とモディ印首相 Raveendran/Agence France-Presse/Getty Images
インドのモディ首相は14日から首相として初めて中国を公式訪問する。アジアの大国である両国の関係を明確に定義する5つの「ギャップ」について以下に挙げた。
1. 貿易のギャップ
インドが抱える巨大な対中貿易赤字の理由をよりよく理解するために、両国から輸出される品目のリストを見てみる必要がある。
中国からインドに最も多く輸出される品目には、通信機器やコンピューターハードウエア、産業機械といった工業製品が含まれる。一方、インドから中国への輸出品は、綿糸や銅、石油製品、鉄鉱石といった原材料がほとんどだ。
インドの経済成長に伴い、同国の消費者や企業は価格の手ごろな中国製品の輸入を増やしてきたが、インドから中国への輸出はそうしたペースに追いついていない。
モディ首相は今回の中国訪問中に、貿易不均衡の拡大を是正するために中国市場へのアクセス向上を求めることになろう。
ニューデリーのシンクタンクNIPFPのエコノミスト、N・R・バヌマーティー氏は、「わが国が抱える対中貿易赤字は他国と比較して非常に大きいので、首相の訪中が非常に重要になる」との見方を示している。
アナリストらは、中国が大半の製品でコスト面での優位性を持つ一方、インドは医薬品や繊維製品、一部のサービスセクターで非常に競争力があると指摘。インドが貿易不均衡を是正し始めたいのであれば、一層のアクセスが必要になるのはそうした分野だと述べた。
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赤:中国からの輸入額、黄:中国への輸出額(単位はともに10億ドル)
2. 「13年」のギャップ
現在、インド経済は中国を上回るペースで成長しているものの、世界最大の民主主義国インドが、世界で最も人口の多い中国の経済規模に追いつくまでの道のりはまだ遠い。
経済開放と、企業に投資と生産のより大きな裁量を与えるという点で、中国はインドに13年先行した。輸出や設備投資、国外投資という点で、今日のインドは2001年ごろの中国と非常に似ている。
インドが3年間続いた低成長と高インフレから回復する中、このことは同国にとって励みにもなるし懸念材料にもなる。励みになるのは、インド経済が今後何年間も中国さながらの景気回復軌道にとどまることが示唆されること。一方で懸念されるのは、インドの出遅れが、中国の景気拡大を誘発したいくつかの大きな利点を逃したことを意味しかねない点だ。
赤:中国、黄:インド(左から一人当たりGDP(インフレ調整ベース)、対GDP比での財・サービスの輸出、対GDP比での対外直接投資、対GDP比での機器やインフラなど物的資本への国内投資)
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3. 国境認識のギャップ
両国の約3540キロに及ぶ国境をめぐる紛争がここ数年深刻さを増していると、インドは見ている。国境の大半は確定されていない係争地だ。これが両国の関係改善に深刻な障害となっている。
インドの当局者らは、両国の統治を分ける「実効支配線」として知られる事実上の国境をめぐり、インドと中国の間で「認識のずれ」があることがこの問題の一因だと見ている。両国とも、自分たちの認識する国境地点まで巡回しており、これが国境を侵犯したという主張の繰り返しにつながっている。
中国国防省の耿雁生報道官は昨年9月、インドとの国境対立が再燃した際、国境を確定しなければ「何かしらの出来事が発生するのは極めて当然だ」と発言した。
黄色は最近、対立が生じた場所
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4. GDP伸び率のギャップ
世界銀行から米金融大手ゴールドマン・サックス・グループに至るまで、あらゆる専門家はインドの成長率が中国に追いつくまであと2年はかかるだろうと予想していた。ただ、最近の計算ではインドは既に中国を追い越し、世界で最も経済成長ペースの速い国になっている。
四半期ごとのGDP伸び率(オレンジ:インド、グレー・中国)
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5. 対外直接投資のギャップ
中国企業はインドでの製品販売に非常に長けているが、中国企業はインドへの投資には驚くほど消極的だ。中国からのインド投資は、ポーランドやマレーシア、カナダからのインド投資さえも下回っている。
過去14年間の国別の対インド直接投資額(単位は10億ドル)
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原文(英語):5 Gaps That Define the India-China Relationship, in Charts and Maps
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