米国でふたりの上院議員がTPPの秘密主義と巨大資本との癒着をを批判する文書をオバマ大統領に
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201504260000/
2015.04.26 16:45:43　櫻井ジャーナル

　アメリカのバラク・オバマ政権は環太平洋でTPP（環太平洋連携協定）、EUとの間でTTIP（環大西洋貿易投資協定）を締結しようとしている。いずれも秘密交渉で、その内容は議会にも明らかにされず、勿論、庶民にも知らされていない。そこで、議会に協定の承認を求める前に中身を国民へ示すべきだとする文書をふたりの上院議員、シェロード・ブラウンとエリザベス・ウォーレンがオバマ大統領へ突きつけている。
http://big.assets.huffingtonpost.com/WarrenBrownTPPLetter.pdf

　両議員によると、アメリカ政府が設置しているTPPに関する28の諮問委員会には566名の委員がいるが、そのうち480名、つまり85％が大手企業の重役か業界のロビイスト。交渉をしているのは大手企業の「元重役」。当然、交渉には業界や大手企業の意向が反映される。委員会をこうした構成にしたことからもTPPが目指している方向がわかる。巨大資本に各国政府を凌駕する力を持たせようということで、民主主義の否定とも言える。

　以前から多くの人が指摘しているように、最大の問題はISDS条項。巨大企業のカネ儲けを阻むような法律や規制を政府や議会が作ったなら、企業は賠償を請求できるとしている。健康、労働、環境など人びとの健康や生活を守ることを許さないというわけだ。農産物云々という議論に終始する政党があるとするならば、それは人びとをミスリードしようとしている、あるいはTPPに反対しているように見せかけながら、実は成立させようとしていると疑われてもしかたがない。

　これとは逆の方向を目指したのが1932年のアメリカ大統領選挙で勝利したフランクリン・ルーズベルト。巨大企業の活動を規制し、労働者の権利を拡大しようとした。最高裁の妨害で政策の実現は難しかったが、それでも巨大資本はルーズベルト政権を排除しようと計画、1933年から34年にかけてクーデターを目論んでいる。これはスメドリー・バトラー少将の議会証言で明らかになった。

　そうした経験をしたルーズベルトは1938年4月29日、ファシズムについて次のように定義している。

「もし、私的権力が自分たちの民主的国家より強くなるまで強大化することを人びとが許すなら、民主主義の権利は危うくなる。本質的に、個人、あるいは私的権力をコントロールするグループ、あるいはそれに類する何らかの存在による政府の所有こそがファシズムだ。」

　この定義にしたがうと、巨大企業が政府や議会を支配するシステムはファシズム。TPPやTTIPはファシズム体制を構築することが目的だということになるが、このファシズム体制を全世界へ拡大させる上で大きな障害になっているのがロシアと中国。TPPで日本やオーストラリアなどを、TTIPでEUを巨大資本の支配下に置いてもロシアと中国を中心として巨大資本の支配を拒否する勢力が形成される可能性が高いからだ。中東や南北アフリカを制圧して資源を支配することもままならない。

　中東や南北アフリカではアル・カイダ／IS（イラクとレバントのイスラム首長国。ISIS、ISIL、IEIL、ダーイシュとも表記）、ウクライナではネオ・ナチを使って制圧プロジェクトを進めているが、アメリカ支配層の思惑通りに進んでいるようには思えない。東アジアでは、中国と戦う戦闘集団として自衛隊を想定している可能性がある。

コメント
01. 2015年4月27日 02:48:14 : 7mobc6eG7g ＴＰＰは米と車の問題に矮小化しているのは、ＴＰＰの持つ恐ろしい 仕組みを隠し決着しようとする芝居の様なもの。しかし、あまりは頭が 良さそうだから当然その事を知って交渉している。 ＴＰＰは、米国の大企業や投資家の為のシステムで、ＴＰＰ条約が成立 すれば、日本の皆健康保険制度はＩＳＤ条項に照らし必ず訴えられるし、 混合診療制度が許されなくなれば、薬価は製薬会社の言い値となり 新薬１粒１０万円も当たり前の様になる。 彼らは、命の商売が麻薬より儲かる事和知っている。この様な事がＴＰＰ 推進層が目指す新秩序の世界。 こうなってくるとロシアや中国が真っ当な国に見えてくる。 ９１１自作自演やイラク侵攻をやらかした米国、そうさせてきたのは米国 の資本や企業ではないのか。ＴＰＰ？？笑わせるな。
02. 2015年4月27日 21:27:38 : hRHDOPUoY2 腕に火傷をして救急にかかれり、消毒と薬を塗ってもらっただけで30万の請求書が来る。 子供が熱を出し救急にかかって解熱剤をもらっただけで60万の請求書が来る。 保険を持っていてもだ。もし、無保険では病院に受診すら出来ない。これが、アメリカの現実だ。 農協を潰しその農協の資金を吸い取れば、次にアメリカが狙うのは、日本の保険制度だ。
03. 2015年4月28日 11:04:09 : F6wJ83DJQw >>01 ＞混合診療制度が許されなくなれば 今は許されているのですか..... >>02 ＞無保険では病院に受診すら出来ない。 これがアメリカの現実だと思っているのですか....
04. 2015年4月28日 17:24:28 : 7mobc6eG7g >>03 混合診療は保険を一部しか認めていないのが現状。この考え方は命を商材に すべきでないという考え方からきている。 例えば特効薬が開発されたとする。金持ちの患者がそれに飛びつくことに対し 保険適用の診療も保険適用外扱いにしてペナルティを科す。 これは健康保険加入者がまとまって製薬会社と交渉をすることで特効薬等の 医療が保険加入者全員に適用される様に促すことを意味する。 混合診療の解禁は、その先,金持ちしか特効薬を使えない様になる。一方収益 面では企業や投資家は一時的には儲かるだろう。何故儲かるかと言えば超高 値で売れるし万人向けの低価格化の投資が不要になるからだ。 ＴＰＰのＩＳＤ条項は、米国企業及び米国資本が米国以外の各国の主権を奪う 為のツール。また、自由貿易と言う美名は殆どの民衆にとっては家畜の様に 働かす為の騙し口上になっている。生産した米が余ったら輸出すれば良いが 主食の価格競争をして何とする。アメリカは農地の水不足が進んできている から大不作がおとずれるのは明らか。政府は最悪の時は芋で飢えはしのげると みている様だが甘いのではないか。
05. 2015年4月28日 20:52:19 : F6wJ83DJQw 特効薬等の医療が保険加入者全員に適用されたりしたら、国民皆保険はたちまち破産してなくなるでしょう。 いっぽう、混合診療を解禁するということは特効薬等の医療を受けている金持ちが保険の適用を受けるようになり、国民皆保険は支出が大幅に増えて破産することにも通じます。 後者の観点からすると、健康保険制度は現状のまま、または混合診療一切禁止が一番いいと思われます
06. 2015年4月29日 17:50:23 : V8ALKaJfjY 逆だよ逆 利用ごとの金額が大きくなる単発の医療費には個人保険 今保険対応されていない予防医療を政府保険としないから 高額の医療費が次々平たく全員に課金され、保険料が爆発的に上がるんだ 逆進部分は民間保険に任せて、予防医療を累進事業として提供に転換できないと 破産するだけじゃなく、病院が病気を作ることになる [３２削除理由]：削除人：アラシ
07. 2015年4月29日 17:53:08 : V8ALKaJfjY 混合診療禁止なんかにしたら、例えばFDとかで認可されてる治療が、どれだけ日本で 認可されてないと思ってる？ 累進逆進の概念が、ひっくり返ってることがよくないだけだ [３２削除理由]：削除人：アラシ

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