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http://www.nikkei.com/article/DGXMZO85892160Q5A420C1000000/
[FT]子供じみたギリシャの危機対応
2015/4/20 14:05日本経済新聞 電子版
ユーロ圏の歴史で加盟国がこれほど団結したことはかつてなかった。トロイカとして知られる欧州委員会、国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)の3者がこのような共通の目的を持ったこともこれまでなかった。計画的なのか偶然なのかにかかわらず、ギリシャのチプラス首相率いる急進左派連合の政権は、(「欧州連合の歌」として採用されている)「歓喜の歌」を歌った欧州の聖歌隊よりも域内にハーモニーを生み出した。ギリシャの悪ふざけに誰もが大きな不満を抱いている。
米ブルッキングス研究所で発言するギリシャのバルファキス財務相(16日、ワシントン)=ロイター
ワシントンでこの春開催されたIMFと世界銀行の会合でもこの問題が議論の多くを占めた。欧州の高官らは、ギリシャのバルファキス財務相が融資条件を変更するための専門的な協議に加わっていないことが理解できないと語った。
交渉が成功すれば、ギリシャは72億ユーロの追加融資を受けて資金枯渇を免れるだろう。IMFや欧州の官僚らは、詳細についての協議を加速しなければ債務不履行に陥る可能性が高いという意見を相次いで表明している。合意に至らなければ、融資の扉は開かない。
■協議を避けているギリシャ
2月に大枠が合意されて以降、協議を避けているギリシャの態度を誰も理解できない。誰もがギリシャは子供じみていると言う。その多くが、ギリシャの関係官庁の振る舞いは機嫌を損ねた幼児のようだと陰で言っている。しかし、叫び声を上げる子供をなだめる最良の方法がしばしば親によって異なるのと同じように、欧州のハーモニーもギリシャ政府に対する最良の対応策についての合意にまでは及ばない。
欧州には「大人のように扱う」ことを支持する意見がある。ギリシャの振る舞いは子供じみているかもしれないが、同室の大人は正しい振る舞い方を示す必要がある。叫び返さず、実例を示すことで相手の思考に影響を及ぼせると信じるべきだ。家族の別離は想像し難く、あらゆる機会を与えてギリシャの態度を改めさせたいと考えている。
それは甘すぎると厳格な意見を持つ人々は言う。5月か6月にIMFに対して、あるいはそれを免れてもこの夏にECBに対して子供が債務不履行(デフォルト)を起こした場合、罰を与える可能性を話し合うことは明らかだ。ECBからギリシャを切り離して資本規制を課すことで、ギリシャ政府は誤った考えを正し、目を覚ますだろうと考えている。この方法で、混乱の時を経てギリシャはユーロ圏にとどまれるかもしれない。
さらに、規則を大切にする親もいる。これはより時間をかける手法で、誤った行動をとる子供が、義務や適切な手続きを無視し続けた結果を再認識するのを待つものだ。この考えでは、罰を与える用意はあるが慎重だ。
最後に、そもそもギリシャを仲間に入れることを不本意と考える親がいる。こうした人々は、ユーロ圏からギリシャを追い出す運動を始めている。言うことを聞かない子供に見切りをつけ、里子に出したいと考えている。出来損ないの子供がいない方が家族の結束が強まるというのだ。
■進展なければ融資なし
傍らで見守っているのが、両親の下手な対応で親戚にまで悪影響が及びかねないと心配している、孫に甘い祖父母の米国と英国だ。両国は、巻き込まれることは完全に拒否しておきながら遠くからこのメッセージを叫び、単純に親がギリシャの債務を肩代わりすることで問題を解決するよう望んでいる。
ワシントンでは、規則を大切にする親が優勢だったと見られていたようだ。これまで、ギリシャに対して迅速な交渉を求めてきた。煙の満ちた部屋では交渉が進まず、IMFに対する返済の期限延長は受け入れられないだろうし、交渉に進展がなければ融資は行われないだろう。ギリシャの不機嫌に負けた場合の政治的な悪影響についても、ギリシャの離脱を許した場合の経済的な悪影響と同様に懸念している。しかし、ギリシャが落ち着いて適切な手順を踏めば、柔軟な対応もニンジンとして差し出す。
この状況で最も注目すべきは、ギリシャの不機嫌が収まることはないだろうと誰もが確信していることだ。
By Chris Giles
(2015年4月20日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
ギリシャ支援協議、合意にはまだ長い道のり=IMF当局者
2015年 04月 20日 13:42 JST
[ベルリン 20日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)の欧州部門の責任者パウル・トムセン氏は、追加支援をめぐるギリシャとの協議が最近活発化しているものの、合意への道のりはまだ遠いとの認識を示した。
独ハンデルスブラット紙が報じた。
トムセン氏は「ここ数日、IMF・欧州委員会・欧州中央銀行(ECB)の3者とギリシャ政府との協議はやや活発化している」ものの、「まだゴールからは程遠く」、期限内の合意にはさらに活発な交渉が必要と語った。
また、ギリシャの資金繰りはおそらく6月まではもつが、その後に控える債務返済負担は非常に大きいと強調。追加融資実施に向けそれまでに合意する必要があると述べた。
ギリシャのドラガサキス副首相は国内日曜紙に対し、追加支援の条件となる改革案で債権団との合意を目指すが、妥協するつもりはなく、協議が行き詰った場合国民投票や選挙前倒しの可能性を排除しない姿勢を示した。
トムセン氏は、ギリシャがユーロ圏を離脱する場合に伴うリスクを過小評価すべきでないと警告。ユーロ圏が自由に参加・離脱が可能なクラブのようにとらえられる長期リスクを最小化することが重要と語った。
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