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国際金融、米主導に転機 G20会議閉幕
IMF改革遅れに不満噴出 アジア投資銀存在感
【ワシントン=上杉素直】17日閉幕した日米欧と新興国の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は、国際通貨基金(IMF)や世界銀行を軸に米国が主導する国際通貨制度の転機を印象づけた。中国によるアジアインフラ投資銀行(AIIB)が期待を集め、IMF改革を怠る米国への不満が噴出。国際金融機関の主導権争いはドルを基軸通貨とする秩序を揺さぶっている。
中国とロシア、インド、ブラジルに南アフリカを加えた新興5カ国が設立を目指す「BRICS銀行」。G20やIMF会合に併せて5カ国の当局者が集まり設立準備を加速した。ロシア中銀のナビウリナ総裁は地元メディアに「AIIBと補完し合える」と語った。
中国が15日に創設メンバー57カ国を発表したAIIBは、G20会議でこそ論じられなかったが、会議参加者やメディアの関心を集めた陰の主役だった。
新興国だけでなくラガルドIMF専務理事やキム世界銀行総裁が「協力する」と前向きなメッセージを発信した。途上国のインフラ整備を金融面で支えるという理念は国際社会の支持を得た。
目立つのは、戦後の国際通貨を主導した国際機関の劣勢ぶりだ。
新興国主導の組織が台頭するのと対照的に、IMFはG20会議で批判を浴びた。2010年に新興国の発言力を高める改革で合意したが、拒否権をもつ米議会の反対で実現のメドが立たない。G20共同声明は「米国に対し可能な限り早期に批准することを強く促す」と名指しで行動を促した。
米国と共同歩調をとる日本もAIIBの存在感の高まりは認めている。「公正なガバナンスなど国際的に確立したスタンダード(標準)に基づくことが大事だ」(麻生太郎財務相)と繰り返し訴え、AIIBへの参加を表明したドイツ財務相との個別会談では問題意識をすり合わせた。
「後から振り返れば、あのときが戦後のブレトンウッズ体制の転機だったとなるかもしれない」(国際金融筋)。国際機関での発言権を低く抑えられた新興国は、先進国の問題解決能力に疑問の目を向け、自ら動き出した。経済力を増す新興国と新体制をどう築き上げるかが問われる。
[日経新聞4月19日朝刊P.3]
- 中国、人民元国際化へ攻勢:IMF準備資産に採用促す 日米、慎重姿勢崩さず:欧州勢は支持 あっしら 2015/4/19 07:11:42
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