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「アジア投資銀の衝撃:幻の日本人副総裁」
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「AIIB不参加の日本はインフラ輸出が不利に? 日本国内でも懸念:AIIBは経済ではなく政治の問題」
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[迫真]アジア投資銀の衝撃
(3)「参加は自分で決めた」
3月12日の昼、英財務省のホームページに突然、簡潔な文章が英語と中国語で現れた。「英国が西側の主要国で最初にアジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設メンバーになることを報告できてうれしい」。財務相、オズボーン(43)の決意表明だった。
「対米関係が悪くなる」。ベテラン議員や外務官僚は翻意を促したが、決心は固かった。金融街シティーに、中国マネーを呼び込まないと英国の将来は描けない。そんな危機感から、直前の国家安全保障会議で反対論を押し切った。
オズボーンにとって、首相のキャメロン(48)はオックスフォード大の先輩だ。2013年末、ふたりは多くのビジネス関係者を引き連れて相次ぎ訪中した。5月に迫った総選挙を意識し、経済界が支持するAIIBへの参加にかじを切ったとの臆測がくすぶる。
オズボーンの声明から5日後の3月17日、独財務相のショイブレ(72)はベルリンで中国副首相の馬凱(68)と向き合っていた。AIIBへの出資を盛り込んだ21項目に及ぶ経済協定に署名するためだった。「長年の経験を役立てたい」。ショイブレの申し出は、国際金融機関を運営するノウハウと信用を手に入れたい馬にとって、願ったりかなったりだった。
欧州はすでに昨秋から、AIIBへの参加を水面下で議論してきた。「資金負担はどの程度になるのか」「透明性は確保できるか」。ブリュッセルの欧州連合(EU)本部で、ときには激論が交わされたという。
「頭ごなしに拒否する意見はなかった」。英国と並んで真っ先に参加を決めたルクセンブルク財務省筋は振り返る。
日本が悩んだ「米国への配慮」という視点は薄い。オーストリア財務相のシェリング(61)は「参加するかどうかは自分で決めた」と明かす。米国に相談することも、米主導の金融秩序が揺らぐという意見も「ほとんどなかった」と各国の政府関係者は口をそろえる。
英王立国際問題研究所ディレクターのスバキは「英国は米中の力比べの中で現実的な判断をした。なぜ日本も米国から自立して判断しないのか」と疑問を投げかける。
日本に駐在経験のある欧州外交筋は話す。「これで日米は孤立した。中国の思うつぼになったのではないか」。
(敬称略)
[日経新聞4月16日朝刊P.2]
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(4)「我々は最大の顧客」
インドネシア大統領のジョコ(53)は昨年11月、訪問先の北京で中国国家主席の習近平(61)にいきなり切り出した。「アジアインフラ投資銀行(AIIB)の本部はぜひインドネシアに置いていただきたい」
2014年11月、北京を訪問し中国の習近平国家主席(右)と握手するインドネシアのジョコ大統領=ロイター
単なる思いつきを口にしたわけではない。ジョコを支える財務相のバンバン(48)は、中国が創設メンバーの申請を締め切る直前の3月下旬、記者団に「本部の誘致は中国と競争することになる」と念を押した。
東南アジア諸国連合(ASEAN)で経済規模の4割を占めるインドネシアは、道路や橋といったインフラがまだ足りない。それを整えるためには、巨額の資金がいる。
バンバンは「我々はAIIBにとって最大の顧客になる」と強気だ。利用者として新銀行の運営に深く関わり、インフラ整備に必要なマネーを自国に引き込む思惑が透ける。
ハノイの日本大使館に、ベトナム政府の関係者から突然の電話が入ったのは昨年9月だった。「すみません、AIIBに参加します」
ベトナムは南シナ海の領有権をめぐって中国と鋭く対立する。なのに、あっさりと中国主導の新銀行になびいたのは日本政府にとって意外だった。
直前の8月20日。ハノイ市内のホテルに閣僚ら十数人が急きょ集まった。冒頭、財務相のズン(53)が「インフラ整備が必要なわが国にとって重要な案件だ。率直な意見を出してほしい」と促すと、せきを切ったように参加論が飛び出した。
「低利で資金調達できるなら問題ない」「世界各国が参加するのだから加わった方がいい」。内心のわだかまりを抑えるためか。「中国」という言葉はだれも使わなかった。共産党書記局常務のアイン(65)は8月26日に訪中し、中国側にAIIBへの参加を内々に伝えた。
中国と南シナ海の領有権を巡って争っているのに、早々と新銀行への参加を決めたのはフィリピンも同じだ。昨年10月、北京で開いた設立覚書の署名式に名を連ねた。
ただ、迷いもある。大統領のアキノ(55)は「あくまでオブザーバー参加だ」と腰が据わらない。財務相のプリシマ(55)も「政治利用されないように注意深くみなければならない」と慎重だ。不安は消せないが、中国に近づかざるを得ないジレンマに悩む。
(敬称略)
[日経新聞4月17日朝刊P.2]
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