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インド、中小企業を保護する生産留保政策に幕
新規投資を刺激し、競争力のある産業を育てることができるか?
2015.4.17(金) Financial Times
(2015年4月15日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)
インド首相、自分の名前入ったスーツ着用 ネット上では失笑
ナレンドラ・モディ首相の指揮で改革を進めようとしているインド〔AFPBB News〕
ピクルス、チャツネ、ガラス製の腕輪、からし油、香料、ろうそく、マッチ――。これはインドの宗教儀式と儀式後の食事のための買い物リストではない。これらの品目は、錠前やスチール棚、木製家具、花火、学校の筆記帳などと並び、インドが中小企業のみに生産を許していた製品だ。それも、これまでは、の話だ。
インド政府は今週、小規模産業向けにまだ独占的に「留保」されてきた最後の20品目の生産制限を緩和することを決めた。
極めて象徴的なこの措置は、かつてはインドの経済発展の重要な柱だったが、細分化され、世界的に競争力のない産業と粗悪な製品を促したと批判される政策の最後の名残を消し去った。
「産業の選択と生産の規模を59年いじり回した後、我々はついに小規模産業留保政策をきちんと弔うことになる」。米国のシンクタンクの一部門であるブルッキングス・インディアの調査部長、スビル・ゴカーン氏はこう語る。
1950年代に始まった規制に終止符
ナレンドラ・モディ首相率いるインド政権は、経済成長に拍車をかけ、より多くの雇用を生む製造業を振興するために、官僚主義を改め、ビジネスを行うのを容易にすることを優先してきた。
政府は、規制緩和が新規投資と既存生産ラインの技術的アップグレードを刺激し、スケールメリットを促し、世界的に競争力のあるインド産業を育てるとの期待を表明した。
社会主義に傾く経済政策立案者らが一部の消費財を小規模工業による生産のために留保すると宣言したのは1950年代のことだ。経済に対する大規模民間資本の影響力を下げる取り組みの一環だった。
鉄鋼などの重工業は公共部門の大企業の領域で、軽工業の消費財は小規模な民間産業によって市場に供給される仕組みだ。
こうした保護措置は、伝統的な職人と小さな起業家が大規模で近代的な産業からの攻撃的な競争にさらされることなく産業プロセスに関与できることを保証すると見られていた。
当初、留保された品目のリストは約200点だった。だが、政策の全盛期の1970年代には、800点以上の製品が独占的に中小企業のために取っておかれた。これらの中小企業は銀行融資に対する優遇アクセスも享受することになっていた。
この政策には例外があり、比較的古い企業は新制度の適用を除外され、事業を継続することを許された。例えば、ムンバイに本社を置くゴドレジ&ボイスは、19世紀からインドで錠前とスチール棚――これまで小規模企業に留保されてきた2品目――を生産しており、継続することを許可された。
だが、ゴカーン氏は、小規模産業の留保規則は大手の既存企業がアップグレードや拡張に新規投資を行うのを阻み、ムンバイの繊維産業が荒廃する一因になったと言う。他のインド大企業は「留保」製品を自社ブランドで売ったが、自社の生産設備に投資する代わりに、複数の第三者小規模サプライヤーに依存した。
労働法を回避するために「小規模産業」を装う企業も
批判的な向きは、多くの「小規模産業」はさまざまな企業の一部であり、これらの企業は小規模であるという見かけを保つために、単に生産部門を分割し、小さな断片を別々の場所に置いたと主張する。
多くの産業にはまだ、小さいままでいる強い動機が少なくとも1つある。100人以上の従業員を抱える雇用主が政府の承認なしで従業員を解雇することを禁じている労働法だ。これがなくなるまでは、雇用主は小さいことは美しいということを確信し続けるだろう。
By Amy Kazmin in New Delhi
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43558
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