01. 2015年4月15日 17:16:19
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ドルと人民元の上昇、最終的には世界経済支える=IMF IAN TALLEY原文(英語)2015 年 4 月 15 日 10:11 JST ラガルドIMF専務理事とドラギECB総裁 Agence France-Presse/Getty Images 世界の2大経済国である米国と中国は、短期的に為替相場の問題を抱えているが、最終的にはこれが経済成長を促すことになるだろう。 これは、国際通貨基金(IMF)が14日公表した最新の世界経済見通しに込めた重要なメッセージの一つだ。 弱い成長見通しを背景にIMFは、通貨安を誘導し景気を刺激しようとする欧州と日本の金融緩和策を支持している。また、資産バブルや新興国危機のほか、ドルと人民元の上昇による米中の輸出減少で経済成長が鈍化することなどより、世界経済低迷の脅威の方がより大きな脅威だとみている。 その裏付けとしてIMFは、ユーロと円の為替相場が、ドルと人民元に対して下落した場合の影響を予想する経済モデルを発表した。 同モデルは、為替相場が一方向にのみ動き、今後5年間にわたって段階的にユーロと円が減価すると仮定している。 これによると、ドルと人民元の上昇のため、米国では純輸出がGDPの約1%、中国では同2%抑制され、これとは逆に、ユーロ圏と日本の輸出は急増することが示された。つまり、理論的には欧州と日本の成長加速が支えられることとなる。 IMFは、欧州と日本の景気回復を背景に世界の需要が増加し、世界の経済成長も加速すると指摘している。 これが、米中の経済成長にも波及するが、輸出鈍化のため中国では2017年末まで、また、米国では18年末まではGDPが押し下げられるという。 これこそが、2月の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、米国の高官も含め、経済成長促進策としての通貨安を実質的に支持した理由だ。 だが、それは危険な賭けにもなりかねない。 IMFは報告書で、「ドルがこれ以上大幅に上昇することは(中略)、(世界経済への)リスクを意味する」と指摘した。ドルが長期にわたり、これまでと同じ様に上昇すれば、ドル建て債務を抱える国を窮地に陥れる恐れがあるためだ。 新興国を中心とする「ドル建て債務を抱える国のバランスシートや資金繰りが悪化すれば、一部経済国では実質レートの下落が貿易にもたらす恩恵を相殺するだけでは済まない可能性がある」と述べた。 また、過度の通貨高は米景気回復の脅威となり、中国でも一段の景気減速につながりかねないとの懸念も示した。 このため、米連邦準備制度理事会(FRB)は注意深くドル相場を見守っている。 そして、これこそが、今週のG20財務相会合で米財務省高官が欧州と日本の政策当局者に対し、金融政策に過度に依存しないよう警告しようとしている理由なのだ。 http://jp.wsj.com/articles/SB12553795185919473670004580581240436033802 【オピニオン】ヒラリー氏と「リベラル流」うそのつき方 By BRET STEPHENS 原文(英語) 2015 年 4 月 14 日 19:17 JST ヒラリー・クリントン氏が大統領選出馬を表明したビデオの一場面 ho/Agence France-Presse/Getty Images 私は1990年代にクリントン流のうそのつき方と、それがうまくいく理由を理解し始めた。あなたや私にとっては、クリントン流のうそは明らかに事実と異なる発言で、つまり誤っている上に恥ずべきものだった。しかし、ある種の人たちにとっては、それは夢中にさせるような秘密の知識への招待だった。 【社説】 「ヒラリーマシン」に頼る民主党、歴史の封印は困難 この知識というのは何か。うそは大義のため、たいていは共和党の敵意をかわすためだということだ。では何がそれほど夢中にさせるものだったのか。ある種の人たちは全てを見通せるほど賢かったということだ。楽しめるときに憤慨することもなく、共謀できるときに道徳的に話す必要もないではないか。 それは常にうまくいく。ヒラリー・クリントン氏はわずか1カ月前、電子メール疑惑をめぐる記者会見で、バーガーキングの調理係がバーガーをひっくり返すよりもすばやい動きでうそを連発した。大きなうそに小さなうそ、許容できるうそから罪に問われかねないようなうそまで、そのすべてがすぐに見破られた。例えば、電子メールを使わないビル・クリントン氏に送ったメールに言及したり、携帯端末を複数持っているのに一つの端末が便利だからと釈明したりした。 それは重要な問題ではない。ヒラリー・クリントン氏は今や大統領選に出馬を表明している。より不正直であることが大統領職にとって望ましい資質であることに気づかないのは、本当におめでたい人くらいだ。その考え方からすれば、適切な人が行えば、うそをつくのはポジティブで良いこと。政治的保湿剤や外交的潤滑油になるからだ。 *** クリントン夫妻は、遠慮がちに伝えられ、そうと知りながら受け入れられたずうずうしいうその草分けだった。それはもはや一組のパワーカップルの手口にとどまらない。「リベラル流のうそのつき方」になっている。 このコラムがよく取り上げるイラン問題を考えてみよう。正直な大統領だったら、現在の合意についてだいたい以下のように説明するかもしれない。 「米国民のみなさん、われわれが交渉で得た合意では、残念ながらイランの指導者たちが核爆弾を製造しようと決断すればそれを防げないだろう。そして最終的には核を保有するだろう。イスラム法の決定いかんにかかわらず、イランの核開発プログラムについてわれわれが知っている全ての情報から、イランが核爆弾の製造をもくろんでいることが分かる。率直に言って、もしあなたがイランのような地域に住んでいるとすれば――つまり、数億人のスンニ派に取り囲まれた7000万人のシーア派だったら――あなただって核爆弾を欲するだろう」 「もちろん理論的には、イランが核爆弾を手にすることを阻止できる。だが制裁では無理だ。極端な窮乏の中でも、毛沢東主義の中国、ブット元首相時代のパキスタン、金一族の支配する北朝鮮はそれぞれ核爆弾を保有するに至った。イランを止めることもできないだろう」 「空爆はどうか。空爆でイランの核開発は数年間後退するだろう。しかし最善のシナリオでも、イランは程なく核爆弾製造に戻り、核爆弾を手にするか体制変更が実現するまでその試みを続けるだろう」 「米国のみなさん、さらなる中東の体制変更を望む人はどのくらいいるだろうか?」 「つまり、私の結んだ合意の要点は、イランの核爆弾保有を阻止するためでは決してなかった。言ってみれば強い願望にすぎなかった。イランが核爆弾を保有するまでの過程を管理し、できれば遅らせることが目的だった」 「以上の話は私がここ数年間口にしてきたと思われていることと違う、ということは承知している。全ての選択肢を考慮するとか、私ははったりを言っていないとか、悪い合意に至るくらいなら合意なしのほうがましだ――といった発言だ。私はこうしたことを政治的便宜上、あるいは、いらいらしたサウジアラビアやイスラエルの人々の気をそらす方法として言ってきた。犬に好物の骨を与えるようなものだ」 「しかし、注意深く耳を傾けていた人は、イランが核爆弾を保有することはないという私の約束に『私の在職中は』と言う限定詞が付いていたことを聞き逃さなかっただろう。私がホワイトハウスを去った後に何が起こるのか? うまくいけば、イランの最高指導者が良い新指導者に交代するかもしれない。うまくいけば、この長期にわたる外交交渉が米国とイランの新たな協力パターンにつながるかもしれない。しかし、どちらにもならなくても、今日より悪くなることはないだろう」 「このため、制裁解除や査察手続きといったことに関しては、合意の詳細よりも、どんな合意でもいいから合意に達するのがもっと重要だということになる。詳細が問題になるのは、イラン側が政治的な薬を飲み込む場合だけだ。重要なのは、一緒にテーブルについて話しているということだ」 *** こうした演説には、知的誠実さと政治的正直さという美徳が伴う。われわれの外交政策に関する議論の質、そして恐らく方向性までもが向上する可能性がある。ただ、その主張が議論に負ける可能性は十分にある。米国の強制力の道具一式はそれほど少なくはなく、外交の恩恵はそれほど素晴らしくはなく、核兵器を持ったイランの脅威はそれほど扱いやすくなく、米国人はイラン最高指導者に敗北することもそれほど切望していない。しかし、少なくともわれわれは価値のある議論ができるだろう。 国務長官を務めたヒラリー・クリントン氏に聞きたいのは、米国はイランの核兵器誕生にそっと一役買うべきか、それを手荒に阻止すべきかということだ。クリントン氏が大統領になることを望むのであれば、詳細な回答を出すことができるだろう。 ところで、「リベラル流のうそのつき方」で達成できたことを挙げてみよう。われわれはまさにわれわれの世代の最も重大な外交政策上の決定に到達しようとしている。いずれの側も合意できない基本的条件を伴う合意に達している。今の大統領の目標は彼が口にしたものと異なっており、大統領は自分の動機について国民に隠してきた。 イランの最高指導者は合意するかもしれないし、秘密を知っている人々は声援を送るだろう。それ以外のわれわれ米国民は、愚か過ぎて何が自分たちのためになるのか分かっていないことにまだ気付いていないのだろうか。
社説】 「ヒラリーマシン」に頼る民主党、歴史の封印は困難 2015 年 4 月 13 日 20:02 JST 正式に大統領選挙への出馬を表明したヒラリー・クリントン前米国務長官 Win McNamee/Getty Images ヒラリー・クリントン前国務長官は12日、2016年大統領選への出馬を正式に表明した。そこには新しいニュースはなく、民主党の指名争いでライバルになりそうな対立候補もいない。問題は、この「集票マシン」の立候補が有権者の心をとらえられるかどうかだ。 ヒラリー氏、激戦州で共和党候補と互角の戦いに=世論調査 ヒラリー氏は個人としてよりも、民主党とリベラル派の影響力維持と資金集めのために作られた組織の「顔」として立候補する。かつてのファーストレディーの有名な言葉をもじって、これを「巨大な左翼の陰謀」と呼んでも良いかもしれない(訳注:ヒラリー氏はかつて夫のクリントン元大統領を攻撃する勢力を指して「巨大な右翼の陰謀」と呼んだ)。ヒラリー氏が集票マシンのトップに上り詰めたのは、個人的な資質や本人の政策からではなく、民主党は彼女のほかに候補がいないと思っているためだ。 では、クリントン氏は何を掲げて戦うのだろうか。米国初の女性大統領というのが立候補の主な理由付けのように見える。選挙戦では、家族休暇の義務化や3〜4歳児(プレキンダーガーテン)教育の一般化、チャイルドケアについて持論を展開することになろう。彼女は2008年の大統領選挙では女性であることを強調するのをためらった。だが今、現在の民主党を特徴づけている、社会的少数派などアイデンティティーに基づく集団の利益を重視した「アイデンティティー政治」で、性別は重要な意味をもっている。クリントン氏は08年にも当然のこととして出馬した。出馬した際のモットー「私は勝つために出る」を覚えているだろうか。そして皮肉なのは、その必然性がたとえ彼女自身はそうではないように装っていたとしても、おそらく今回は本当だということだ。 ヒラリー氏が前回負けたのは、自身の慢心と、さまざまな勢力の対立で選挙活動が混乱したためで、実績もないイリノイ州の一年生上院議員の指名獲得を許してしまった。彼女は同じ過ちは繰り返さないだろう。また、(出馬を検討しているとされる)オマリー前メリーランド州知事はオバマ大統領のような天才ではない。同性愛者ではないストレートな白人男性という生まれ持った性質も不利だ。 ヒラリー陣営の役目は、四半世紀前に全国に知られるようになった67歳のヒラリー氏が未来への新たな指導者であると有権者を説得することだ。ハリウッドやメディア関連の制作会社はすでに仕事にかかっている。夫で元大統領のビル・クリントン氏は雑誌タウン&カントリー、娘のチェルシーさんはファッション誌エル、ヒラリー氏自身は雑誌ニューヨークの表紙をそれぞれ飾っている。 一方で例えば、デービッド・ブロック氏のメディア・マターズのように組織的な攻撃マシンも存在する。これはヒラリー陣営の事実上の「兵器」であり、あらゆる批判をつぶす役割を担う。彼女の資金集め部隊はウォール街やシリコンバレーから20億ドルを超す資金をかき集めるかもしれない。クリントン基金をモデルとしてだ。恐らく、女性と同性愛者に対する素晴らしい扱いで知られるアラブ諸国はあまり勧誘しないだろうが。また、ヒラリー氏はオバマ大統領からの支持もとりつけるだろう。オバマ大統領は個人的にはクリントン夫妻にそれほど好意を持っていないかもしれないが、自身の「レガシー(政治的な遺産)」を維持するためにヒラリー氏を必要としている。 ヒラリー陣営が今回担う大きな役割は過去を消し去ることだ。すべての「ホワイトウォーター」は橋の下を流れ去り、終わったことだと宣言することだ。進歩主義者らは今、クリントン政権下にあった1990年代はベルエポック(良き時代)ではなく、大統領の身勝手さと、いわゆるニューデモクラットの「三角測量戦略」(訳注:共和党より左寄り、民主党より右寄りという立場のことでクリントン元大統領が宣言した)によって無駄に浪費されてしまった時代としてとらえている。ポーラ・ジョーンズさんからマーク・リッチ氏の恩赦に至るまでクリントン政権にまつわる数多くのスキャンダルも、上品な政治談話から削除される(訳注:ポーラ・ジョーンズさんはクリントン元大統領がアーカンソー州知事時代にセクハラを受けたと訴えた人物。故マーク・リッチ氏は80年代初めに石油業界を揺るがした商品トレーダーで、米国で起訴される数時間前に出国・亡命し、その約20年後に当時のクリントン大統領によって恩赦を受けた人物)。 ただ最近になってヒラリー氏の過去の政治のやり方や、欺瞞(ぎまん)を働く生来の性質が明るみに出たことを考慮すると、こうした歴史の削除は困難な作業となろう。国務長官が公務の電子メールを個人サーバーに保管し、それを後に破棄するなど、以前なら考えられなかったことだ。クリントン家は「ボルジア家」のように運営されているとしてもだ(訳注:「ボルジア家 愛と欲望の教皇一族」はスキャンダルまみれのローマ教皇一族を描いたテレビドラマシリーズ)。ヒラリー氏が苦し紛れの説明を試みた記者会見は、一般国民への説明責任に対する彼女の尊大な態度を改めて思い出させてくれた。 また、オバマ大統領の政治遺産を受け継ぐ相続者として出馬する以外に選択肢はほとんどないという事実を考え合わせても、歴史の封印は容易ではないだろう。1993年にヒラリー氏が書いた国民皆保険制度の提案がオバマケアの先触れになったことを考えると、ヘルスケア政策を自身から切り離して論じることもできまい。外交政策でオバマ政権の最高ポストに就いていたのもヒラリー氏だ。ヒラリー陣営のトップはジョン・ポデスタ氏だが、同氏はクリントン元大統領の首席補佐官を務め、オバマ大統領のもとでは上級顧問を務めた人物だ。 ヒラリー氏が1990年代の繁栄を呼び起こそうと本気で試みるなら、彼女の課題はオバマ政権時代の景気減速について人々が記憶喪失に陥るよう誘導するだけではすまない。彼女は自分が別の時代に属していることを国民に印象づけようとするだろう。一般論として、米国の有権者は大統領の選択において、めったに後退はしないものだ。 大半のリベラル派はヒラリー氏で妥協している。選挙人の層が彼らに有利な構成になっているほか、「否定・ごまかし・攻撃」というヒラリー陣営の戦略がいかなる対立候補にも打ち勝つと確信しているからだ。健康上の不安や不測の事態がなければ、リベラル派はヒラリー氏の楽しくもない、歯を食いしばるような選挙活動で間に合わせようとしている。 だが、第2次世界大戦後で最も候補者の少ない今回の民主党指名選挙にリスクがないわけではない。ヒラリー氏は厳格で非の打ち所がない労働倫理を持っている。だが、夫のようなカリスマ性や政治的才能に欠けている。ヒラリー陣営は手強いが、共和党にとっても、同じ左派からの挑戦者にとっても、難攻不落というわけでもない。「マシン」に触発されるのは難しい。 関連記事 共和党ルビオ上院議員、大統領選出馬を表明 クリントン氏「民主党政権の継続を」 大統領選出馬 クリントン夫妻「危機の時代」 ベッドに血も―新刊本が暴露 ヒラリー氏の個人メール使用問題、説明に矛盾も―公表されたメールで判明 最近の外為動向、日本・欧州経済を支援=IMF見通し 2015年 04月 15日 04:40 JST [ワシントン 14日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は14日に公表した最新の世界経済見通しで、このところの外国為替相場の動きは、特に日本と欧州の経済の支援要因となり、世界経済全体の押し上げ要因になるとの見方を示した。 IMFは日本の2015年の成長率予想を1.0%、16年を1.2%とし、双方とも前回1月の見通しから0.4%ポイント上方修正した。ユーロ圏については2015年は1.5%、16年は1.6%とし、前回からそれぞれ0.3%ポイントと0.2%ポイント引き上げた。 2015年の世界成長率予想については3.5%とし、前回1月の予想を維持。ユーロ圏とインドで成長が加速するものの、ロシアやブラジルなどの主要新興国が低調となることから相殺されると予想した。 地政学リスクや金融の不安定性などのリスクが数多く存在することから不透明感は強く、景気回復は引き続き「緩やかで一様ではない」との見方を示した。 ただ、2016年の世界成長率予想は3.8%とし、前回の3.7%から上方修正した。 このところのドルの対ユーロ・円での急上昇については、今週ワシントンで開催されるIMF・世銀春季総会で主な議題として取り上げあげられる見通し。 IMFは、米連邦準備理事会(FRB)は利上げに向け準備を進めるなか、欧州中央銀行(ECB)と日銀が金融刺激策を維持してており、外為市場の動きのほぼすべてがこうした金融政策の方向性の相違に起因するものになっていると指摘。 為替効果は特に経済の足腰がなお弱いユーロ圏と日本で需要を支援する要因となり、世界的な経済成長の底上げにつながるとの見方を示した。 ただIMFは米国について、過去6カ月でドル相場が10%上昇したことが純輸出の圧迫要因になっているとし、成長率見通しを下方修正。2015年と16年の成長率予想は双方とも3.1%とし、前回予想から15年は0.5%ポイント、16年は0.2%ポイント引き下げた。 中国については、2015年は6.8%、16年は6.3%とし、前回予想を据え置いた。 IMFは、米国と中国にはともに自国通貨の上昇を吸収するための政策余地が存在しているとの見方を表明。ただ中国については、投資主導型から消費主導型の経済への転換が進められるなか、景気が一段と減速する恐れもあると指摘した。 世界経済全般については、前年10月に指摘した地政学的な緊張の高まりや金融市場の混乱などのリスクの多くはなお存在しているとし、こうしたリスクによりぜい弱な回復が損なわれる恐れがあると警告。 ブランシャールIMF首席エコノミストは記者団に対し、「為替相場が大きく揺れ動く時は、リスクが高まっている」と述べた。 IMFはまた、FRBによる利上げ開始で新興国から資本流出につながる恐れがあるとも警告した。 原油価格の下落により世界的な経済成長は2016年までに0.5%ポイント以上押し上げられると予想。ただ、原油価格が予想よりも速いペースで上昇すれば、世界的な需要が損なわれる恐れもあるとした。 http://jp.reuters.com/article/jp_forum/idJPKBN0N51GR20150414 中国株下落、上海総合6週ぶり大幅安-工業生産など予想下回る 2015/04/15 14:12 JST (ブルームバーグ):15日午前の中国株式相場は下落。上海総合指数はこのままいけば約6週間ぶりの大幅な下げで取引を終える。3月の同国工業生産 などの経済指標が市場予想に届かなかった。 テクノロジーや商品関連株が安い。ソフトウエア開発の恒生電子(600570 CH)は6.3%安。セメントメーカーの北京金隅(601992 CH)は5%下げた。 上海総合指数 は午前の取引終了時点で前日比1.1%安の4089.52。CSI300指数は0.9%安。 香港市場では午前終了段階で、ハンセン中国企業株(H株)指数が0.7%上昇。ハンセン指数は0.1%下げた。 原題:Chinese Stocks Fall Most in Six Weeks as Data Trails Estimates(抜粋) 記事に関する記者への問い合わせ先:上海 Zhang Shidong szhang5@bloomberg.net;香港 Kana Nishizawa knishizawa5@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Michael Patterson mpatterson10@bloomberg.net Richard Frost 更新日時: 2015/04/15 14:12 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NMU0LF6S972C01.html 中国の第1四半期GDP、6年ぶり低い伸び:識者はこうみる 2015年 04月 15日 13:48 JST [15日 ロイター] - 中国国家統計局が15日に発表した第1・四半期の国内総生産(GDP)伸び率は、前年同期比で7.0%となり、市場予想と一致した。
昨年第4・四半期の7.3%から減速、6年ぶりの低成長だった。 第1・四半期GDP伸び率は前期比(季節調整済み)では1.3%で、第4・四半期の1.5%を下回った。市場予想は1.4%だった。 同時に発表された3月の各種経済指標は、すべて予想を下回った。 市場関係者のコメントは以下の通り。 <華泰証券の首席エコノミスト、ユ・平康氏> 製造業が最も弱い。鉱工業生産の低迷に表れている。政府の財政支出、特にインフラ投資がまだ刺激効果を発揮していない可能性がある。全体としては、あらゆる指標が内需と消費の弱さを示している。 しかし政府が現在の財政政策を維持し金融市場を支援し続ければ、第2・四半期は経済がやや安定する公算が大きい。 政策的な見地からすれば、短期的には預金準備率を引き下げる可能性が非常に高い。ただ、現在の弱い景気への対応策としては最適ではないかもしれない。資金が実体経済に流れて行かないからだ。 2015年は第1・四半期が底となるだろう。通年の成長率が7%を割り込むとは考えていない。 <ノムラのエコノミスト YANG ZHAO氏、CHANG CHUN HUA氏、WENDY CHEN氏> 鈍化した第1・四半期の国内総生産(GDP)伸び率と予想を下回る3月の経済指標は、成長の勢いが引き続き弱いことを示している。政策の追加緩和が必要になるだろう。 これまでの政策緩和の効果が表れ始めることを踏まえると、成長ペースは前四半期比で改善が見込まれるものの、前年比では比較対象の水準が高いため、第2・四半期は6.6%に鈍化する見通しだ。その後、下期には上向き、通年のGDP伸び率は6.8%になると引き続き予想する。 <東亜銀行の首席エコノミスト、ポール・タン氏> 短期的には現在の(弱い)環境に大きな変化は見られないだろう。(第2・四半期に)成長率が7%を割り込むこともあり得る。 このため(中国人民銀行が)政策金利や預金準備率を引き下げる可能性がある。両方とも下半期にもう一度引き下げる必要がある。 2015年通年の成長率は7%の予想を維持する。米経済の拡大が中国の輸出を支援するだろう。 <フィッチ・レーティングのアジア太平洋ソブリン責任者、アンドリュー・コルクォウン氏> 実質ベースで今年のGDP成長率は6.8%、来年は6.5%と予想している。経済がより持続可能な方向に適応しているのであれば、成長鈍化は必ずしも悪いニュースではない。 だが調整のためは、経済が投資の鈍化に適応するなかで消費の下支えが欠かせない。また建設・不動産に雇用を依存していることは要注意だ。フィッチの見通しでは、不動産セクターの調整継続を最大のリスクとしている <大和(香港)のシニアエコノミスト、ケビン・ライ氏> 第1・四半期は輸出や鉱工業生産がさえず、固定資産投資の伸びも鈍化し、小売売上高も弱かった。このような状況で実質国内総生産(GDP)伸び率がなぜ7%もあるのか。実際、GDP伸び率はこれよりもかなり低いに違いない。GDP統計を読み取る意味はないと思う。 政策緩和は実施されるだろうが、それほど多くはないだろう。われわれは、利下げと銀行の預金準備率引き下げが少なくともあと1回ずつ実施されると予想している。何もしなければ実体経済は困窮し、結果はかなり厄介な状況になるだろう。 <HWABAO TRUST(上海)のアナリスト、NIE WEN氏> 成長率7%はわれわれの予想と一致した。ただ、鉱工業生産と固定資産投資は予想を大幅に下回った。これは、比較的大規模な金融緩和が必要なことを示している。 銀行の預金準備率引き下げが今月行われると予想する。引き下げ幅は50─100ベーシスポイント(bp)だろう。 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0N609D20150415 第1四半期中国GDP、前年比+7.0%に鈍化 6年ぶり低成長 2015年 04月 15日 13:46 JST [北京 15日 ロイター] - 中国国家統計局が15日に発表した第1・四半期の国内総生産(GDP)伸び率は、前年同期比で7.0%だった。需要の低迷が響き、昨年第4・四半期の7.3%から減速し、6年ぶりの低成長となった。市場予想とは一致した。 第1・四半期GDP伸び率は前期比(季節調整済み)では1.3%で、第4・四半期の1.5%を下回った。市場予想は1.4%だった。 さらに大幅な景気減速を回避するには、中国当局は一段の刺激策を打ち出す必要がある、との見方が強まりそうだ。 同時に発表された3月の各種経済指標は、すべて予想を下回った。 3月の鉱工業生産は前年比5.6%増と、市場が予想していた6.9%増に届かず、世界的な金融危機が起きた2008年以来の低水準。 1─3月の固定資産投資は前年比13.5%増となり、予想の13.8%増を下回った。1─3月としては2000年以来の低い伸び。 3月の小売売上高も予想の10.9%増に対して10.2%増にとどまった。 1─3月の中国の不動産投資は、前年同期比8.5%増加した。5年ぶりの低水準だった1─2月の10.4%増から、一段と鈍化した。 ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)の中国担当首席エコノミスト、ルイス・クイジス氏は「政策金利と預金準備率の両方が引き下げられる可能性が高い」との見方を示した。 <先行き雇用不安も> サービス業が依然好調なため、中国の雇用情勢はなお底堅い。ただ、経済成長が鈍化し、生産者物価指数(PPI)のマイナスが続く中、アナリストは製造業が人員解雇を加速させる可能性を指摘する。 華宝信託のアナリストは「GDP伸び率が継続的に7%を割り込む状況になれば、失業問題が表面化しかねない」との見方を示している。 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0N605420150415 日銀の政策に限界、構造改革は中銀の管轄外=OECD事務総長 2015年 04月 15日 12:35 JST [東京 15日 ロイター] - 経済協力開発機構(OECD)のグリア事務総長は15日、日銀の黒田東彦総裁は景気回復への支援で良い仕事をしたと評価する一方、金融政策には限界があると指摘した。記者会見で述べた。
また日本が停滞から脱することができれば、円は中長期的に上昇するとの見方を示した。 「(アベノミクスの)第1の矢は機能しているが限界もある。金融政策にできることには限りがある。構造改革は中央銀行の仕事ではない」と指摘した。 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0N607X20150415 中国、資本流出の痛みを軽減すべき By AARON BACK 原文(英語) 2015 年 4 月 15 日 11:55 JST 中国人民銀行本部(北京、3月2日) Bloomberg News 中国人民銀行(中央銀行)は資本流出に悩まされている。 人民銀は14日、一連の月次金融統計を発表し、同時に声明を発表するという異例の措置に出た。この声明には、人民銀の見解や今後の政策の方向性に関する手掛かりが含まれていた。 特に注目されるのは、人民銀統計局の盛松成局長がマネーサプライ(通貨供給量)の伸びが減速していることを強調したことだ。中国では、広義の通貨供給量の尺度となるM2が3月末時点で前年同月比11.6%増となり、昨年の平均13%や政府目標の12%を下回る伸びとなった。 盛局長はこれを人民銀による外貨購入の減少と関連づけた。中国では従来、人民銀が国内に流入する外貨を買い取っており、これが貨幣創造の主な原動力となっている。輸出企業が海外販売の収益をドルで得た場合、人民銀は新たに増刷した人民元でこのドルを買い取り、結果的に金融システムに流動性を供給する仕組みだ。 しかしここ数カ月は、投資家が中国から投機マネーを引き揚げているため、このプロセスが逆回転している。人民銀は3月半ばに為替市場へ介入し、元安・ドル高に歯止めを掛けて元高方向に誘導しようとした。これは元買い・ドル売りを通じて達成されるため、国内に流通する元を吸収することになる。 盛局長は非公表の統計に言及し、人民銀が1-3月期に2520億元(約4兆9000億円)の外貨を売り越したことを明らかにした。このうち、3月分だけで2310億元に上るという。 人民銀が不胎化介入を実施しない限り、これは結果的にマネタリーベースを縮小させる。人民銀は複数の新型融資制度を通じて流動性を供給してきた。ただ、これを達成する上で最も直接的な方法は、預金準備率を引き下げ、銀行システムに新規融資向けの資金を放出することだ。現在の局面では今のところ、人民銀が預金準備率を引き下げたのは2月の1回に限られる。 中国ではこの数週間に資本流出圧力がいくらか和らいだようだ。中国は元安を抑えることで、元の保有が損失につながることはないと投資家にシグナルを送ってきた。また、銀行内の流動性は差し当たり潤沢だ。 もっとも人民銀は、将来的に大量の外貨が流入し、マネーサプライの拡大を促すことを当てにはできない。金融システムに対する潤滑油として数カ月内に預金準備率を再び引き下げることが期待される。 http://jp.wsj.com/articles/SB12553795185919473670004580581382737800228 中国が原油「爆買い」、価格への影響力拡大狙う By ERIC YEP 原文(英語) 2015 年 4 月 15 日 13:37 JST 安徽省淮北市のガソリンスタンドで働く女性(3月) Zuma Press 中国石油天然気集団(CNPC)の海外事業部門、中国連合石油(チャイナオイル)が今月に入ってから19カーゴの原油を購入したもようだ。シンガポールに拠点を置く複数のトレーダーが明かしたもので、受渡日は6月か7月になる見通し。 これは950万バレルに相当する量で、チャイナオイルが現物市場で購入する量としては昨年10月以降で最大となる。同社は昨年10月に、月間ベースで過去最多となる47カーゴ、2350万バレルの原油を購入した。 4月はあと半分残っているため、この購入ペースが続けば10月の記録を塗り替える可能性がある。これについてCNPCに電子メールでコメントを求めたが返事は届いていない。 チャイナオイルは、米金融情報大手マグロウヒル・フィナンシャル傘下のプラッツが運営する「eウインドー」と呼ばれる取引システムを通じて原油を購入した。トレーダーはこのシステムを通じてドバイ原油などのビッドとオファーを提示する。 通常、現物市場での原油取引は私的取引となるが、プラッツのシステムに参加することで値決めが公共性を帯びてくる。プラッツはこの取引価格を用いて市場のベンチマーク指標を作成し、公表している。 中国企業が原油を大量に購入していることについて、専門家らは原油相場が低迷している間に緊急備蓄を積み上げる動きの一環だと見ている。チャイナオイルが10月に過去最高の購入量を記録したことで、中国の原油輸入量は12月に日量730万バレルに達し、最高記録を更新した。 ただ、トレーダーらは、プラッツなどが運営する公共取引システムに参加する中国企業の動機は備蓄だけではないかもしれないと指摘する。 原油の現物市場は国際的な石油メジャーや大手商社によって支配されてきた。原油の大部分を購入する中国の国営企業は価格に対する膨大なエクスポージャーを抱えているが、ベンチマーク価格の決定に対する影響力は限定的だった。 関係社によると、中国企業は取引システムで大きな役割を担うことで価格形成のゆがみを減らし、影響力を拡大したいと考えている。 http://jp.wsj.com/articles/SB12553795185919473670004580581523618774244 金融緩和、2%達成まで継続を 歳出抑制も急務=OECD対日報告 2015年 04月 15日 11:33 JST [東京 15日 ロイター] - 経済協力開発機構(OECD)は15日、対日経済審査報告書を発表した。日銀は2%の物価目標が安定的に達成されるまで金融緩和を続けるべきと提言する一方、財政への信認が弱まれば金利上昇を引き起こす恐れがあるとし、社会保障費を中心とした歳出抑制の必要性も訴えた。 OECDが対日報告を取りまとめたのは、2013年4月以来2年ぶり。 提言は、1)大胆な構造改革による経済成長の促進、2)政府債務の削減、3)デフレからの脱却──が柱となっており、最も優先度の高い政策として、女性の労働参加などを通じて労働力の減少傾向に歯止めをかけることや、農協改革などによる市場ベースの農業への移行を挙げた。 財政運営では、政府が掲げる2020年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の黒字化目標を達成するのに「詳細かつ信頼のおける計画を策定する」よう求めた。 少子高齢化による歳出増を抑制するため、社会保障制度改革が必要との認識を示したほか、歳入の増加を目的とした環境税の引き上げも盛り込んだ。 (梅川崇 編集:山口貴也) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0N606320150415 黒田総裁、G20などで16─20日まで訪米=日銀 2015年 04月 15日 14:16 JST [東京 15日 ロイター] - 日銀は15日、黒田東彦総裁が20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議などに参加するため16日から20日まで5日間の日程で米国に出張するとの予定を公表した。ワシントンDCでG20および国際通貨基金国際通貨金融委員会(IMFC)に出席するほか、ミネアポリスで講演する。門間一夫理事が同行する。
債券は下げ幅縮小、オペ結果受けて買い優勢−2年利回り再びゼロ% 2015/04/15 13:22 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NMSCRA6JTSE801.html (ブルームバーグ):債券相場は下げ幅を縮小している。日本銀行が実施した国債買い入れオペで需給の良さが示されたことが手掛かりとなっている。 日本相互証券によると、15日の現物債市場で長期金利 の指標となる新発10年物国債の338回債利回りは、前日午後3時時点の参照値と同じ0.32%で開始後、1.5ベーシスポイント(bp)高い0.335%に上昇。午後に入ると0.325%に戻している。2年物の351回債利回りは、新発債として3月6日以来のゼロ%に低下。新発20年物の152回債利回りは一時1bp低い1.09%と3日以来の低水準を付けた。新発30年物の46回債利回りは2bp低い1.34%まで下げた。 15日の長期国債先物市場で中心限月6月物 は、午後の取引開始後に水準を切り上げ、横ばいの147円87銭まで戻した。朝方には147円95銭と日中取引で3月26日以来の高値を付けたが、その後は水準を切り下げ、一時は14銭安の147円73銭まで下落していた。 SMBC日興証券の山田聡シニアクオンツアナリストは、午後の相場展開について、「日銀買いオペで3年超5年以下が強めとなったほか、総じてしっかりの結果となり、好感されている」と説明した。ただ、「20年債入札の前日にもかかわらず、超長期債が買われている」と指摘。「20年入札通過後には5月の大型連休にかけて金利低下が進むとの見方や翌17日に超長期ゾーンのオペが見込まれていることで、安心して買いを入れているのではないか」と話した。 日銀がこの日実施した長期国債買い入れオペ3本の結果によると、残存期間1年超3年以下の応札倍率が前回から上昇した一方、3年超5年以下と、5年超10年以下は低下した。 財務省は16日、20年利付国債の価格競争入札を実施する。前回の152回債と銘柄統合するリオープン発行となり、表面利率(クーポン)は1.2%に据え置かれる見込み。発行額は前回債と同額の1兆2000億円程度となる。 20年債入札について、野村証券の金子泰啓リサーチアナリストは、「新年度入り以降、20年利回りは引けベースで見て1.15%を一度も超えておらず、この水準に迫ったところでは投資家の需要があるように思われる。強い結果に終わった先週の30年債入札の前に見られたように、足元でもレポがタイトになってきており、入札自体は無難に終わりそうだ」とみている。 岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「10年債利回りに70−80bp上乗せした1.0−1.2%をベースにすると、1.1%割れでの入札はややきつい印象」と述べた。多少のテール(落札価格の最低と平均の差)拡大を前提として利回り上昇時の買いを推奨するとも言う。 記事に関する記者への問い合わせ先:東京 山中英典 h.y@bloomberg.net;東京 赤間信行 akam@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Garfield Reynolds greynolds1@bloomberg.net 山中英典, 崎浜秀磨 更新日時: 2015/04/15 13:22 JST マーケット 投資家、株・債券バブルへの懸念強める=調査 By CHELSEY DULANEY 原文(英語) 2015 年 4 月 15 日 07:21 JST 投資家は世界の株式・債券市場のバブルへの懸念を強めていることが、最新の調査結果で明らかになった。
バンクオブアメリカ・メリルリンチが実施した4月のファンドマネジャー調査によると、株価水準が割高だと回答した投資家の割合は約25%と、2000年以来の高水準に達した。2月は8%、3月は23%だった。 債券相場が割高だと回答したのは84%で、過去最高だった(3月は75%)。 投資家は特に米国について割高感が強いと感じている。回答者の68%は米国市場が世界で最も割高だと考える一方、欧州や日本は割安だと考える人が多かった。 回答者の約85%は米国の年内の利上げを予想。ただ過半数は、利上げ時期が7-9月期以降になるとの見方を示した。 http://jp.wsj.com/articles/SB12553795185919473670004580581001972287976
世界の投資家、株価警戒強めるも大半はリスクオン=メリル調査 2015年 04月 15日 09:40 JST [ロンドン 14日 ロイター] - 世界の投資家の間で、株価が過大評価されていると考える人の割合が2000年以来の多さになったことが14日、米金融大手バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチが発表した4月の月次調査結果で明らかになった。 投資家は株式市場が今後下落する可能性を以前よりも警戒している。 調査に参加した世界の投資家145人(資産運用総額3920億ドル)のうち、株価がピークに達しているとした回答の割合は4分の1で、2000年以来の高水準だった。3月調査の23%、2月の8%を上回った。ただ、ハイテク株バブルがはじける直前の1999年に記録した過去最高の42%との差は依然大きい。 米経済の回復や世界的な金融緩和政策を背景に世界の主要株式市場の株価は過去最高値かその近辺にある。株価が調整入りの時期に差し掛かっているかもしれないと予想する向きは増えているが、大半の投資家は依然リスクオンのポジションを取っており、回答者の54%は引き続き株式をオーバーウエートにしている。 バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの欧州株・クオンツ・ストラテジスト、マニッシュ・カブラ氏は「資産価格インフレが続くという強い信念が依然存在する」と指摘した。それでも、「株価バブル」が投資上最大のリスクだとする割合は13%と、2月の2%から大幅に増え、高い株式投資比率が近く低下する可能性を示唆している。 債券が割高になっているとの見方は84%と、前月の75%から増加した。 地域別では、米資産が割高との回答が目立つ。回答者の3分の2超が、世界で金融資産が最も割高な地域に米国を挙げている。一方で投資家らは、欧州や日本など他地域の資産価値にはまだ上昇余地があると考えている。 http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0N602120150415 ドラギ総裁、QEの出口めぐる疑問に答える発言に注目-政策委 2015/04/15 10:46 JST (ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は、量的緩和(QE)プログラムを開始して間もないが、出口戦略について早速質問を受けることになりそうだ。 ユーロ圏のインフレ率押し上げを目指す1兆1000億ユーロ(約140兆円)規模の資産購入計画をECBが開始して6週間目に入ったが、暫定的な期限の2016年9月を待たずに成功するケースについて、ドラギ総裁は定例記者会見で問われるだろう。経済が自律的な回復軌道に乗ったと政策担当者が確信しない限り、異例の金融緩和を中断しないとの決意を示すことがドラギ総裁には求められる。 ECBは月600億ユーロの資産購入を通じて、約3年間にわたり低迷していた与信が上向き始めたと主張し、早くも勝利宣言している。ただQEが予想よりも早く縮小されると投資家が判断した場合、効果が妨げられることもあり得る。 ノムラ・インターナショナルの欧州担当シニアエコノミスト、ニック・マシューズ氏(ロンドン在勤)は「ドラギ総裁はデータが示す明るいメッセージに対し、QEが早期に終了するという観測を沈静化させるバランスの取れた対応が必要だ。道のりは始まったばかりで先は長いと総裁は強調するだろう。冷静に実行し続けなければならない」と述べた。 ECBは15日の定例政策委員会で政策金利を過去最低水準に据え置き、予見可能な将来にわたり政策金利が現行の水準にとどまるとの見通しを示唆する可能性が高い。フランクフルト時間午後1時45分(日本時間同8時45分)に政策金利の発表が行われ、その45分後にドラギ総裁が記者会見に臨む。 原題:Draghi Seen Dispelling QE Duration Doubts as ECB Jolts Economy(抜粋) 記事に関する記者への問い合わせ先:フランクフルト Jeff Black jblack25@bloomberg.net;チューリッヒ Catherine Bosley cbosley1@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Fergal O’Brien fobrien@bloomberg.net Paul Gordon, Jana Randow 更新日時: 2015/04/15 10:46 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NMTOVM6JTSEO01.html ドラギECB総裁、利上げの日は来るか−残された期間は4年半 2015/04/15 07:03 JST 記事をメールで送信 記事を印刷する
(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が、1回も利上げをすることなく8年の任期を終える−。このような投資家の予想は、欧州経済が現在いかに弱いかを示す尺度の一つだ。 総裁の任期満了は2019年10月末だが、その2カ月後の同年12月までECBが政策金利を0.05%から引き上げることはないとの予想を短期金融市場のデリバティブ(金融派生商品)は示している。ドイツ銀行のエコノミスト、トルステン・スロック氏が指摘した。 前任のトリシェ総裁は11回利上げを実施。バーナンキ前米連邦準備制度理事会(FRB)議長は3回、金融引き締めを行った。 米連邦公開市場委員会(FOMC)が来年3月までに利上げをすることをスワップレートが示唆していると、スロック氏は先週のリポートで指摘した。1年前には、米欧当局が16年11月までにともに引き締めを開始しているだろうと市場は見込んでいた。 世界の2大中銀の前例のない政策乖離(かいり)によってユーロは対ドルでパリティ(等価)を下回り、欧州株の買いは続くとスロック氏は予想している。そうなれば、ユーロ安と金融資産の値上がりがユーロ圏経済を復活させると期待しているドラギ総裁には朗報であり、量的緩和(QE)政策の正当性も証明されることになる。 QEには初期の効果の兆候が見られ、このため終了予定時期を前に購入が縮小される可能性があるとの観測も出ているが、ドラギ総裁は15日の政策決定後の記者会見で16年9月までに1兆1000億ユーロ(約139兆円)の資産を購入する姿勢をあらためて示す公算が大きい。 それにしても、米欧の利上げ開始時期に4年近くもずれが生じるというのは歴史的だ。04年6月にFOMCが利上げを開始した後、ECBはその18カ月後の05年12月に追随した。 もっとも、全てのエコノミストがそのようにみているわけではない。ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)のリチャード・バーウェル氏は、ユーロ圏があと4年もそれほど絶望的な状況に置かれる可能性は低いとみる。 ベレンベルク銀行のチーフエコノミスト、ホルガー・シュミーディング氏はECBは米国に約2年遅れて利上げすると予想。ウニクレディト・バンクの世界チーフエコノミスト、エリック・ニールセン氏は米国から1年余りの遅れを見込み、「それ以上になればマイナス金利と大規模QE、誤った金融規制という今の欧州の組み合わせが本当に有害になり、多くの年金基金と保険会社を支払い不能に陥れる恐れがある」と12日のリポートに記述した。 原題:Will Mario Draghi Leave the ECB Without Ever Raising Rates?(抜粋) 記事に関する記者への問い合わせ先:ロンドン Simon Kennedy skennedy4@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: James Hertling jhertling@bloomberg.net Ben Sills 更新日時: 2015/04/15 07:03 JST http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NMSMCY6JIJV401.html 米経済、年内利上げへ備え不十分=ミネアポリス連銀総裁 By MICHAEL S. DERBY 2015 年 4 月 15 日 10:32 JST 【ニューヨーク】米ミネアポリス地区連銀のコチャラコタ総裁は14日の講演で、米経済は年内の利上げに対する備えがまだできていないとの持論を繰り返した。 インフレ率は米連邦準備制度理事会(FRB)の公式目標である2%を下回り続けており、さらに数年間はこうした水準にとどまる公算が大きいため、「2015年中にフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を引き上げることは適切ではないだろう。インフレ目標の達成がさらに遅れることになるからだ」と述べた。 14年は雇用市場にとって良い年となったが、それでもまだ深い穴から抜け出そうとしている最中だと指摘。そのため、FRBは雇用市場のさらなる拡大を支えるため全力を尽くすべきで、これがひいてはインフレ率を目標水準まで押し上げる上で役立つとの見方を示した。 コチャラコタ総裁は「インフレと雇用に関する統計は、利用可能な人的資源をさらに活用することで、われわれが国として生産と消費を拡大することが可能であることを示している」とし、「金融政策は、望ましい結果の実現を後押しするために利用できるものであり、利用すべきものでもある」と述べた。 http://jp.wsj.com/articles/SB12553795185919473670004580581270410515394 米FRB公定歩合、4地区連銀が引き上げ主張=議事録 2015年 04月 15日 07:15 JST [ワシントン 14日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が14日公表した公定歩合会合に関する議事録で、フィラデルフィア、カンザスシティー、ダラス、クリーブランドの4地区連銀が引き上げを提案していたことが分かった。
4連銀は公定歩合を0.75%から1%に引き上げることを提案。3月17─18日の連邦公開市場委員会(FOMC)を前に開かれた同公定歩合会合では、公定歩合の据え置きが決定されている。 引き上げを提案した4地区連銀は、公定歩合とフェデラルファンド(FF)金利との差を正常な水準に戻したいとして公定歩合の引き上げを求めた。 また、今回の会合では、ミネアポリス地区連銀が0.5%への引き下げを要求。 残り7行が据え置きを主張した。 FF金利は現在、ゼロ─0.25%。公定歩合とFF金利の差は2007─09年の金融危機までは1%ポイントあった。 米経済情勢については、12地区連銀から改善しているとの見解が示された。 ブラジル経済、2016年に回復の見通し―15年は低迷か=中銀総裁 By ROGERIO JELMAYER AND JEFFREY T. LEWIS 2015 年 4 月 15 日 09:30 JST 【サンパウロ】ブラジル中央銀行のトンビニ総裁は14日、同国経済は2015年前半の低迷を経て後半にやや改善し、16年には信頼感の改善に伴い持ち直すとの見通しを示した。 今年は鉱工業生産と投資が減少すると予想される一方、サービス産業と農業部門では、より緩やかながらも拡大が見込まれると述べた。 総裁はまた、政府が財政赤字縮小に取り組み、中銀がインフレ封じに努める中、今年は過渡期となりそうだとした上で、政府が進める歳出削減などの措置については、今後数カ月で効果が見え始め、インフレ抑制の助けとなるだろうと語った。 http://jp.wsj.com/articles/SB12553795185919473670004580581182041276338 ドルと人民元の上昇、最終的には世界経済支える=IMF IAN TALLEY 原文(英語) 2015 年 4 月 15 日 10:11 JST ラガルドIMF専務理事とドラギECB総裁 Agence France-Presse/Getty Images 世界の2大経済国である米国と中国は、短期的に為替相場の問題を抱えているが、最終的にはこれが経済成長を促すことになるだろう。 これは、国際通貨基金(IMF)が14日公表した最新の世界経済見通しに込めた重要なメッセージの一つだ。 弱い成長見通しを背景にIMFは、通貨安を誘導し景気を刺激しようとする欧州と日本の金融緩和策を支持している。また、資産バブルや新興国危機のほか、ドルと人民元の上昇による米中の輸出減少で経済成長が鈍化することなどより、世界経済低迷の脅威の方がより大きな脅威だとみている。 その裏付けとしてIMFは、ユーロと円の為替相場が、ドルと人民元に対して下落した場合の影響を予想する経済モデルを発表した。 同モデルは、為替相場が一方向にのみ動き、今後5年間にわたって段階的にユーロと円が減価すると仮定している。 これによると、ドルと人民元の上昇のため、米国では純輸出がGDPの約1%、中国では同2%抑制され、これとは逆に、ユーロ圏と日本の輸出は急増することが示された。つまり、理論的には欧州と日本の成長加速が支えられることとなる。 IMFは、欧州と日本の景気回復を背景に世界の需要が増加し、世界の経済成長も加速すると指摘している。 これが、米中の経済成長にも波及するが、輸出鈍化のため中国では2017年末まで、また、米国では18年末まではGDPが押し下げられるという。 これこそが、2月の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、米国の高官も含め、経済成長促進策としての通貨安を実質的に支持した理由だ。 だが、それは危険な賭けにもなりかねない。 IMFは報告書で、「ドルがこれ以上大幅に上昇することは(中略)、(世界経済への)リスクを意味する」と指摘した。ドルが長期にわたり、これまでと同じ様に上昇すれば、ドル建て債務を抱える国を窮地に陥れる恐れがあるためだ。 新興国を中心とする「ドル建て債務を抱える国のバランスシートや資金繰りが悪化すれば、一部経済国では実質レートの下落が貿易にもたらす恩恵を相殺するだけでは済まない可能性がある」と述べた。 また、過度の通貨高は米景気回復の脅威となり、中国でも一段の景気減速につながりかねないとの懸念も示した。 このため、米連邦準備制度理事会(FRB)は注意深くドル相場を見守っている。 そして、これこそが、今週のG20財務相会合で米財務省高官が欧州と日本の政策当局者に対し、金融政策に過度に依存しないよう警告しようとしている理由なのだ。 http://jp.wsj.com/articles/SB12553795185919473670004580581240436033802
ドル119円半ばにじり高、国内勢のドル買いが支え 2015年 04月 15日 12:32 JST [東京 15日 ロイター] - 正午のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル高/円安の119円半ばだった。前日の海外時間には米経済指標の弱い数字を受けてドル売りの流れが強まったが、アジア時間に入ると国内勢のドル買いが需要が支えとなってドル/円はじり高で推移した。
海外時間には米経済指標が弱い数字となったことでドル売りの流れが強まり、ドル/円は下落した。ただ、朝方に日経平均株価が約70円安で寄り付いた後、下げ幅を縮め、ドル/円は底堅く推移した。仲値公示を挟んで、輸入企業などのドル買い需要が支えとなって、119円半ばへとじり高となった。 東京市場では国内勢のドル買い需要が根強く「早朝から輸入企業の買い注文が相次いだ」(国内金融機関)との指摘が出ていた。市場では海外時間のドル売りを一時的な調整の動きと見る向きは多く、ドル/円が弱含むようなら押し目買いの好機との見方も出ていた。119円前半では値ごろ感が出やすかったという。 米小売売上高は予想を下回ったとはいえ、前月比プラスとなっており、悪い数字ではないとの見方もある。クレディ・アグリコル銀行のエクゼクティブディレクター斎藤裕司氏は「ドル高けん制が警戒されるG20を控えたタイミングで、持ち高調整をするいい口実となったようだ」(斎藤氏)と話していた。 ドル/円は昨年8月以来、日足一目均衡表の雲の下限を割れておらず、斎藤氏はこれが強力なサポートになるとみており、きょうは118.94円をバックに押し目買いの好機と指摘していた。 前日に発表された3月の米小売売上高は前月比0.9%増で、ロイターがまとめた市場予想の1.0%増に届かなかった。続けて公表された国際通貨基金(IMF)の世界経済見通しで米国の2015年と16年の経済成長率が引き下げられたことがドル売り材料となった。 <中国指標は低調に> 正午の豪ドル/米ドルは0.7597米ドル付近だった。 午前中に中国の国家統計局が発表した第1四半期GDP伸び率は、前年同期比で7.0%となり、市場予想と一致した。一方、3月の小売売上高は前年比プラス10.2%(予想はプラス10.9%)、3月鉱工業生産は前年比プラス5.6%(予想はプラス6.9%)と、それぞれ予想を下回った。 これを受け、豪ドル/米ドルは0.7629米ドルまで上伸した後、0.7583米ドルまで下落。その後は、発表直前の水準にまでじりじりと値を戻してきている。ドル/円への影響は限定的だった。 ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの通貨ストラテジスト、村田雅志氏は、GDPが市場予想通りだったことよりも、むしろ鉱工業生産が08年11月以来の、小売売上高が06年2月以来の、それぞれ弱い水準へと落ち込んだ点に着目すべきだとし「あらためて景気減速を印象付ける内容だった」と指摘していた。交易関係の深い豪ドルやブラジルレアルなどは「引き続き、対ドルでの上昇シナリオは描きにくい」(村田氏)という。 ドル/円JPY= ユーロ/ドルEUR= ユーロ/円EURJPY= 正午現在 119.62/64 1.0631/35 127.18/22 午前9時現在 119.44/46 1.0645/49 127.15/19 NY午後5時 119.38/41 1.0653/56 127.17/21 (為替マーケットチーム) http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0N607V20150415 2015年4月15日 野地 慎 [SMBC日興証券シニア金利ストラテジスト] 低い長期金利が継続する中 今年も4月が金利の天井か 1月に0.2%割れという未曽有の低水準を付けた日本の10年債利回りだが、最終投資家にとってあまりに低過ぎる水準となってきたことなどからその後急騰した。 ただ、日本銀行による巨額の国債買い入れがもたらす需給の逼迫感に変化はなく、国内金融機関の資金運用難の状態も容易には変わらない。運用難の資金の受け皿となっていた外国債券市場に目を向ければ、ドイツ10年債利回りが日本の10年債利回りを下回ったほか、利上げ期待の収縮で米国10年債利回りが2%を割り込む期間が長期化しつつある。そのような中、節目の0.5%に到達することなく、日本の長期金利は再び低下傾向に転じ、新年度を迎えた。 拡大画像表示 過去5年の日本の10年債利回りの季節性に注目すると、日銀の異次元緩和が導入された後に市場が一時的な混乱に陥った2013年度を除き、全て4月に年度のピークが観測されている。13年度についても結局、5月がピークとなっている。国内金融機関にとって、年度初めの時期に債券投資を増やすことがベストの運用戦略となる形が長く続いている。 確定申告による税還付金が消費などに回り、春に米国の景況感が高まりやすく、米国の長期金利が4月に上昇しやすいという“季節性”は有名だが、日本では長期金利が“低過ぎる”環境が長く続いていることの影響も大きかろう。 低過ぎる長期金利を前に、国内金融機関は金利が上昇するのを待って債券投資を拡大しようと毎年試みてきたが、企業の国内投資の低迷などを主因とする運用難の中、積極的な債券の売り手に乏しい環境が定着し、いくら待っても金利上昇局面が訪れなかったのがここ数年の日本の債券市場だ。 債券投資のリターンの中心がキャリー(クーポン収入)である中で、投資しないままに時が過ぎることを機会損失と考える金融機関が、5月から6月にかけて債券投資を積極化させ、徐々に利回りが低下した結果として、4月の金利が最も高いという季節性が生まれている。 日銀の異次元緩和以降は、債券のネット需給が需要超過となる状況が続き、時間がたてばたつほど市中の国債残高が減少する環境となっている。このことが「時間の経過=機会損失」との市場参加者の思惑をより強めている。 15年度は10年債利回りが0.4%を下回るようなレベルで債券市場がスタートした。さすがに現在のレベルが15年度のピークになるとは考えにくい、というのが市場参加者の本音だろう。 ただ、例年の環境に変わりはなく、日銀購入による市中国債吸い上げも続く。円安などをよりどころに企業の国内回帰が進むことには期待したいが、金融機関の資金の行く先を劇的に変えるほどの設備投資増加は見込めない。今年も例年通り4月が長期金利のピークとなる可能性を意識すべきだろう。 (SMBC日興証券シニア金利ストラテジスト野地 慎 ) http://diamond.jp/articles/-/70173
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