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(回答先: 宗教別人口 今世紀末にはイスラム教徒最多か〜およそ35%に達すると/nhk 投稿者 仁王像 日時 2015 年 4 月 08 日 20:15:05)
「日本人として知っておきたい世界を動かす現代イスラム 」宮田 律 /徳間’14年 抜粋
≪はじめに≫
イスラム世界はヨーロッパが台頭するまで東西文明の中心であり続けた。古代ローマ遺跡やアケメネス朝、ペルシャ遺跡など数多くの史跡に接することもできる。またシリアのダマスカスやトルコのイスタンブールはイスラム世界だけでなく、科学や技術、また商業、交易などの分野で世界の先端を行っていた。
イスラムという宗教の根幹にあるのは、「正義」「平等」の観念で、キリスト教のそれの「神への愛(アガベー)」とは異なっている。
宗教上の理念と現実が合致しないときにはイスラムは常に純化を求めることになる。1970年代終わりのイラン革命を契機に注目されるようになった「イスラム原理運動」は、そうしたイスラムの原点の思想に立ち返ろうとする政治や社会の世直し運動である。そしてイスラムという言葉が「平和(サラーム)」というアラビア語から派生しているように、イスラムは心の平安を求める宗教だ。7世紀にイスラムが拡大していく過程で確かに武力は用いられていたけれども、それはすべて「征服」という形態をとったわけではない。従来のキリスト教やユダヤ教社会など残しながら、そのコミュニティの長を介した間接的な統治も数多く行われた。イスラムの人々は家族を大事にし、また彼らには女性を重んじるというフェミニズムもある。女性がベールを着用している姿を見て「不気味」などという日本人にも接したことがあったが、そこには女性を尊重しなさいという宗教上の教えがあるのだ。
暴力を行う武装集団のニュースは目立つものの、宗教別に世界の暴力現象を見れば、圧倒的にキリスト教世界の方が多い。欧米はイスラム世界への武力介入を繰り返し、アメリカを主体とする多国籍軍はイラクで10万人以上の人々を殺害した。またIRAのようにクリスチャンがテロを繰り返してきた事例もある。
イスラム世界は19世紀以来、ヨーロッパ植民地主義の進出を受け、またイラク戦争に見られるように第二次大戦後はアメリカの軍事介入があり、さらにイスラムの土地を占領するイスラエルを欧米は支援している。そうした欧米の姿勢に反発するテロなどの暴力が発生する中で、欧米の側のイスラム世界に対する偏見や差別的な考えは助長され、それがそのまま日本でも伝達された場合が多い。
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