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シェール楽観論にイランの影:玉虫色の枠組み合意発表で原油市況への影響は軽微
http://www.asyura2.com/15/kokusai10/msg/433.html
投稿者 あっしら 日時 2015 年 4 月 08 日 02:32:37: Mo7ApAlflbQ6s
 


[ウォール街ラウンドアップ]シェール楽観論にイランの影

 オバマ米大統領が「歴史的」と評したイラン核問題を巡る枠組み合意。中東地政学リスクの後退は原油安につながり、本来は石油株にマイナスとなるはずだが、2日の反応は限られた。国際展開するエクソンモービルには売りが出たが、アパッチなど米シェール企業の株価は軒並み上昇した。

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 少々の悪材料が出ても底堅く、シェール関連企業を取り巻く過度の悲観論はやや後退している。格好の例がホワイティング・ペトロリアムだ。

 3月上旬には同社が身売り先を探しているとの観測が広がったが、3月24日には約1200億円規模の増資を発表した。4月1日に講演したボルカー最高経営責任者(CEO)は「(原油価格が1バレル)45〜55ドルでもやっていけるようにする」と単独の生き残りを宣言した。

 ある金融関係者は「提示した身売り価格が(買い手の想定より)高かったようだ」との見方を示した。ホワイティングは全米優良鉱区バッケンの最大手で「足元の原油安でも稼いでいる」(ボルカー氏)。苦しいのは間違いないが、余力を残していたようだ。

 石油業界関係者によると「米シェール企業の多くが、温存していた優良な井戸を稼働させている」という。原油が1バレル100ドル近辺の時は地形が複雑といったコスト高の井戸でも利益を出していたが、最近は確実に原油が出る低コストの井戸に軸足を移している。原油安でも大崩れしない米シェール業界の楽観論の根拠はここにある。

 とはいえ、先の石油関係者は原油安に伴う投資の急激な絞り込みの影響に注意が必要だという。一般的にシェール投資は、井戸の掘る場所を見つける「探索」、井戸を掘削する「開発」、原油を採集・成分分離する「生産」の3段階がある。

 現在、シェール勢が主に削っているのは「探索」。1〜2年で生産がピークを迎えるシェール井戸の特性を踏まえると足元で探索を怠れば程なく良質な井戸が枯渇する。「本当に苦しくなるのは2015年後半から16年にかけてではないか」
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 今回の枠組み合意後のイランの経済制裁解除の影響も侮れない。米エネルギー情報局(EIA)によると、イランは05年に日量413万バレルの原油を生産していたが、経済制裁の影響で13年には311万バレルまで減った。

 輸出が解禁され、生産が単純に元に戻るとすれば約100万バレルが追加される。6月末に最終合意できるかは予断を許さないが、実現すれば米国の原油生産量の約1割が市場に流れ込む計算だ。

 原油安の元凶とされるシェール勢が減産に転じても、イランの供給増で市況が回復しにくくなる可能性がある。シェール勢にとっては、事業再建の糸口がつかみにくい。株価が一時的に底堅い展開となっても、先行きは楽観できない。シェールの正念場はこれからだ。

(ニューヨーク=稲井創一)

[日経新聞4月3日夕刊P.4]


 

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