http://www.asyura2.com/15/kokusai10/msg/423.html
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イランの核開発を巡る六カ国協議が、ほぼ合意をみるに至りました。新たな問題が生じなければ、今年六月末には合意は規定の事実となるでしょう。
この問題に関して、@イスラエルとアメリカの関係、Aサウジアラビアとアメリカの関係、Bイスラム過激派への対応、の三点が周辺の与件としてあるわけですが、暫定的な結論として、アメリカは、中東の和平と安定化のため、前二者(イスラエルとサウジアラビア)を捨て、イランとの提携を選択したものと思われます。
もちろん、ユダヤ人差別の問題がある限り、アメリカがイスラエルを完全に見捨てることはないでしょう。しかし一方的なイスラエルへの肩入れは、もはや不可能になったようです。
サウジアラビアに対しても、イスラム国問題を介して、アメリカは宗教支配国家サウジアラビアの否定的な性格を認識するに至ったようです。
つまり、このアメリカによる中東政策の転換は、「イスラム国」問題が直接のきっかけとなり、現実的解決策として、サウジアラビアではなくイランを選択させたものと思われます。
今後、このアメリカの中東政策転換を巡る議論は、日本のマスメディアにも多数出てくると思いますが、フィガロの Alexandre Devecchio 署名記事(2015年3月31日付)が参考になると思いますので、リンクを貼ります。
フィガロなので、(英語媒体を始め)他の媒体にも翻訳等が出ているかもしれません。原文はフランス語ですが、英語等、お好みの言語に訳してお読み下さい。
私が注目したのは、9.11以降、アメリカのネオコンが、当時のブッシュ政権に対してサウジアラビアとの提携を止めるよう働きかけていた、というクダリです。サウジアラビアとの同盟関係は解決策にはならず、問題しか生じさせない、と。
また、同署名記事は、今日では、アメリカは、伝統主義的で二枚舌のサウジよりも、近代的な可能性に富むイランを選ぶ方が理に適っている、とも主張しています。
Déjà après le 11 Septembre des néoconservateurs avaient recommandé à George W Bush de modifier cette alliance, arguant que Riyad n'était plus une solution mais un problème! Ils n'avaient guère été entendus. Mais aujourd'hui, plus autonomes sur le plan énergétique et convaincus de la faiblesse interne autant que de la duplicité saoudiennes, les Américains pourraient privilégier l'Iran. Après tout, beaucoup font le constat d'un intéressant rapport géostratégique, démographique et technologique de Téhéran par rapport à leur vieille alliée bédouine...
このアメリカの中東政策転換の背景となったのは、「イスラム国」問題であるようです。
つまり、アメリカは、宗教テロ勢力「イスラム国」と対峙するに当たり、サウジアラビア(及びカタール)のワッハーブ派が、その特有の宗教活動と資金援助により、イスラム過激主義の温床でしかないことを確信するに至ったようです。
アラブ・イスラム世界のみならず、ヨーロッパに対しても、サウジアラビアは、その狂信的宗教活動と資金力により、(コーラン学校や狂信的イマムを介して)イスラム過激主義を広げることで、中東とヨーロッパの脅威になっている、という認識です。
Pire que des ambiguïtés, il s'agit d'un jeu clair et dangereux! Les régimes wahhabites d'Arabie et récemment du Qatar ont joué un rôle désastreux non seulement dans le monde arabo-musulman mais aussi en Europe à travers l'expansion de leur dogme fanatique via le financement, respectivement, de milliers de madrasas (écoles coraniques) ultrarigoristes et d'imams fanatiques. À présent que l'un des fruits toxiques du wahhabisme, Daech, menace de se retourner contre son créateur indirect, et celui-ci panique...
勿論、フィガロの同署名記事は、イランが核を持つことに対するイスラエルの批判についても論じており、それへの反論も展開しています。(それは原文をお読み下さい。)
なお、本投稿に関係する以前の投稿記事は、
http://www.asyura2.com/15/kokusai10/msg/404.html
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