http://www.asyura2.com/15/kokusai10/msg/400.html
Tweet |
「水はあと1年分」警告
カリフォルニア州、干ばつ4年目
全米最大の人口を抱えるカリフォルニア州で水不足が深刻さを増している。今年で4年目に入った干ばつは、野菜や果物、アーモンドの主要産地である同州の農家を直撃。米航空宇宙局(NASA)は「州内の水源に残された水はあと1年分」と警告する。非常事態を宣言した州政府による水の利用制限が強化される中、海水を飲み水に変える技術に注目が集まっている。
「明日からでは遅い。今すぐに給水制限などの対策を講じるべきだ」。今月12日付の米紙ロサンゼルス・タイムズへの寄稿で「残り1年分」という衝撃的なデータを突きつけたNASAの科学者、ジェイ・ファミグリエッティ氏はこう訴える。
カリフォルニアでは通常、冬場が「雨期」で1月は年間を通じて最も雨の多い月とされる。だが、今年は例年の半分も雨が降らなかった地域が続出。サンフランシスコでは観測史上初めて、計測可能な降雨量がゼロだった。山間部の降雪量も場所によっては例年の約1割にとどまる深刻さ。雪解け水も期待薄の状況だ。
芝生の水まきも制限
州政府は昨年1月に非常事態を宣言して以来、「水の使用量の20%削減」を目標に掲げて節水を呼びかけてきた。だが、十分な成果を上げられていないため、今月17日に水の利用制限の強化を決定。州民が庭の芝生に水をまく日数を週2日に制限したほか、レストランには客が求めた場合を除いて水を出すことを禁じた。
長引く干ばつの被害が最も大きいのは、「セントラルバレー」と呼ばれる内陸部に多い農家だ。カリフォルニア大学デイビス校の試算によると、十分な農業用水を確保できない農家が作付面積を減らした結果、昨年だけで1万7000人の雇用が失われ、経済損失は22億ドルに達した。
州当局から農業用水の供給を絞られた農家は地下水をくみ上げてしのいでいるが、多くの農家が猛烈な勢いで地下水をくみ上げた結果、地下水源の水位も急速に低下。各地で地盤沈下が相次いでいる。
こうした中、州内では飲み水などを確保するため、海水を淡水化するプラントの新設や再稼働を目指す動きが広がっている。
サンディエゴから太平洋に沿って車で30分北上したカールズバッドでは、民間資本による全米最大の海水淡水化プラントの建設工事が急ピッチで進む。逆浸透膜方式でくみ上げた海水を処理し、1日あたり約1億9000万リットルの飲料水を供給する能力を持つ。総工費は約10億ドルだ。2012年末に始まった工事は年内にも完了し、サンディエゴとその周辺地域の約300万世帯への水の供給が始まるという。
カリフォルニアでは1970年代から海水淡水化プラントの導入が幾度となく検討されてきたが、他の方法に比べてコストが2倍以上と割高なことや、プラントの周辺海域の生態系に悪影響を与えるとの懸念から、本格的な普及には至っていなかった。
背に腹は代えられず
だが、干ばつの長期化などを背景に風向きは変わりつつある。NASAとコーネル大学、コロンビア大学の科学者は先月、カリフォルニアを含む米西部各州で2050年以降、1回が10年から数十年続く大規模な干ばつ「メガドラウト」が発生する「極めて乾燥した時代」に突入するという予測を発表した。
「海水淡水化プラントは、雨や雪など自然条件に左右されず、地元で安定的に水を確保できる唯一の供給源だ」。カールズバッドのプラントの事業主体である米ポセイドンウオーター(マサチューセッツ州)のジェシカ・ジョーンズ氏はこう強調する。環境保護団体などの懸念はなお根強いが、背に腹は代えられないというのが、州民の本音だろう。カールズバッドの案件を含め、10件以上の新設計画が州内で進んでいるという。
(シリコンバレー=小川義也)
http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20150329&ng=DGKKZO84998210Y5A320C1TY7000
- 米カリフォルニア州、住民に25%節水義務付け あっしら 2015/4/02 11:09:56
(0)
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。