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〈FT特約〉歓迎されないイラン原油 核協議合意なら生産増
イランと主要国による核問題に関する交渉を受け、石油トレーダーたちがいらだっている。イランは大量の石油をため込んでおり、石油市場が供給過剰と苦闘する中で新たに日量数十万バレルが流入すれば、価格は一段と下がるだろう。北海ブレントの価格は先月1バレル60ドルにまで戻したが、交渉が3月31日までにまとまるとの見方から最近は同55ドル近辺で推移している。
イランのロウハニ大統領は「解決できない問題はない」と述べた。ただ問題なのは、合意が達成されたとして、それが石油市場にどのような意味をもつかだ。
コンサルタント会社、エナジー・アスペクツのアナリスト、リチャード・マリンソン氏は、合意の有効期間と濃縮能力の2点について交渉が進んでいると指摘する。しかし「制裁解除の速度と筋道については対立が残っている」と言う。
楽観的な見方を示しているのはロウハニ氏だけではない。イランのザンギャネ石油相は先週、「イランへの国際的制裁が解除されれば、わが国の原油生産量と輸出量は数カ月のうちに日量100万バレル増えるだろう」と述べた。
マナアル・エナジー・コンサルティング社のロビン・ミルズ氏によると、イランは制裁が解除された後の6〜12カ月以内に生産と輸出を日量約80万バレル増やせる。だが、同氏は「当初は増加が続くが、いずれ勢いは鈍化する」とみる。
生産量をそれ以上に増やすには外国企業からの巨額の投資が必要だ。イランは2020年にはコンデンセートを含め日量500万バレルを生産する計画だ。ミルズ氏の推計では、その目標を達成するには約300億ドルが必要だ。この数字にはガス部門や下流部門への投資、さらには生産維持のために必要なキャッシュフローは含まれない。
イラクの原油生産がゆっくりと増え、ほかの石油輸出国機構(OPEC)諸国は生産を抑制する姿勢を見せない。イラン原油の流入は多くの国に歓迎されない。
(25日付)
=英フィナンシャル・タイムズ特約
[日経新聞3月26日朝刊P.6]
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