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元日本センター所長・朝妻幸雄氏による寄稿「経済制裁とロシア経済への影響」(在日ロシア連邦大使館)
http://www.asyura2.com/15/kokusai10/msg/292.html
投稿者 無段活用 日時 2015 年 3 月 20 日 10:58:27: 2iUYbJALJ4TtU
 

http://www.russia-emb.jp/japanese/embassy/news/2015/03/post-92.html


03.10.2015


元日本センター所長・朝妻幸雄氏による寄稿「経済制裁とロシア経済への影響」


はじめに

「ロシアが自国の利益を守る権利を外部に主張すると、(他国からロシアという)国とその指導者への(西側諸国の)対応がすぐに変わる」これは11月14日プーチン大統領がウラジオストックでタス通信の記者のインタビューに答えた言葉の一部である。同氏の実感であろう。

ロシア及びプーチン大統領に対する欧米諸国からのバッシングが続いていて、今後の世界の政治・経済に大きな影を落としている。

ウクライナ問題に関する新聞の論調を見ていてどうしても違和感を覚えることが多い。殆どの新聞の論調は欧米がウクライナをロシアの影響圏から引き離してNATO陣営に取り込むことが理屈抜きで正しいという前提に立っている。ウクライナにおける問題はウライナ国民が自国の将来をEUに託すべきか、それともロシアとの連携によって発展する道を取るべきかの選択において意見が二つに割れていたことに端を発する。その時点ではあくまでも国内問題であった。本来国内政治で民主的な方法で方針を決定すべき事柄であった。

ウクライナ国民にとって哀しいことに、ソ連崩壊後に一緒に将来を作る信頼すべき強いリーダーシップを持つ指導者が現れず、さりとて議会民主主義による政治問題の決定メカニズムも十分に育ってこなかった。言い換えればガバナンスの欠如の状態が続いてきた。 ヤヌコビッチ大統領が欧州連合との政治・貿易協定の調印を見送ったことを契機に野党勢力主導の反発と大規模な反政府デモが広がり騒乱状態に陥った。 

米国はこの機会を逃さなかった。政治的、情報的、資金的に反政府側を様々な形で支援して、一挙に反ロシア政府を作り上げることに成功したのである。その結果事態は内戦状態に発展し、ついにはマレーシア民間航空機撃墜という悲劇的事件につながっていくという経緯を辿った。

米国はまるでこの痛ましい事故を待っていたかのように、事件の翌日にはロシアを責任国として糾弾した。しかし実際にはこの撃墜がウクライナ軍によるものか、親ロシア派の軍部隊のいずれが手を下したものかいまだに明らかになっていない。いずれにしても反ロシアプロパガンにより、改めてロシアは悪者であるという印象をつくり出すことに成功した。情報戦における米国の勝利である。

米国によるロシア制裁の大義は 1.クリミアを不法に編入したこと、2.ウクライナ東部において親ロシア派が自治権確立のために不法な占拠を行い、そこにはロシアが兵器補給を支援していること、3.ロシアが事態収拾のために十分に積極的な方策を講じていないということだ。

ここではこれら個別の問題についての検討は省略する。ただ、このような悲劇や混乱を招いたウクライナをNATOに引き込むために強引な介入を行ってクーデターを画策したことに関する自らの責任は一切頬かむりしたままである。更にはその後の数次の制裁によって世界の政治・経済秩序を混乱させ、ロシアだけでなく、米国に加担して制裁に加わった国々が被る経済的損失に対して責任を一切取る意向はない。

日本のメディアは西側の一員として根拠を明確に示すことなく、一方的にロシアが悪いという論調に終始している。私が違和感を覚えているのは米国の主張は常に正義であり、それが国際世論であるという前提を既成事実化しているためである。当事国ロシアは除いても中国、中南米、中東、アフリカの意見は一切無視している。

ロシア経済は経済制裁発動の結果、オバマ政権の望み通り一定の打撃を被ることは避けられなくなった。但し打撃を被るのはロシアだけはでない。欧州諸国も少なからずマイナスの影響を受けている。米国が同盟国への犠牲を強いてまでロシアを制裁したい理由は何か。米国内におけるオバマ民主党政権の危うさと共に、ロシアが米国の政治及び経済における一極支配体制に異を唱えるロシアをこれ以上放置できなくなったためである。勿論NATOの旧ソ連圏への更なる東方拡大もあるが、本稿ではウクライナ問題についてロシアが被る経済への影響の角度から解明を試みることにする。


ソ連崩壊後のロシア経済の流れ

最初に簡単に歴史を振り返ってみたい。23年前、ロシアは市場経済化の道を歩き始めたのだが、その道程は険しく、ロシア国民は1990年代にハイパー・インフレ、ルーブル切り下げ、デノミなどあらゆる辛酸をなめた。その結果、人々は経済の混乱による困窮と無秩序によって絶望の淵に追い詰められ、ライバルであった西側への敗北の意識と屈辱感を味わったのである。

しかし2000年にプーチン大統領が就任すると様相は一変した。石油・ガスなどエネルギー資源の国際価格高騰という追い風を満帆に受けてロシア経済は蘇った。2000〜2008年のプーチン政権下でGDPは年平均7.2%という高率で成長し続けた。一人あたりの実質GDPもプーチン大統領就任時2000年から2013年の間に倍増し、中間階級層が厚くなっていった。1990年代の経済停滞を取り戻す勢いであった。その結果2013年ロシアはGDP規模で2兆1180億jと世界第8位の経済大国に躍進した。


経済を介する米露間の溝の拡大

このようなロシアは米国にどのように見えているのか。ロシアはソ連崩壊をもってロシアは民主主義と市場経済を標榜する"アメリカ・クラブ"の仲間入りを果たした筈なのだが、その後の急速な経済成長は必ずしも歓迎されたわけではない。何故なら強くなり始めたロシアは政治及び経済において油断ができない国に成長してきたからである。政治ではエジプト問題やシリア問題などでは常に米国の意向に反対して、その神経を逆なでしてきた。

米国は中国と共にロシアが経済的に強くなることに常に神経を尖らせてきた。プーチン大統領出現後のロシア経済の急成長はすでに米国が容認できる水準を越えてしまった。経済成長を楯に諸事において米国主導に逆らうロシアをこれ以上放置できない。ロシアを経済的に弱めて発言力を弱める必要があった。それが米国の本音である。弱いロシアは可愛いが強いロシアは憎いのである。

ロシア経済は2008年リーマンショックによる金融危機以降に一旦は回復したがその後の足取りは重く、今も低迷期に入ったままであり、成長軌道復帰への見通しは不透明である。低成長・高インフレというスタグフレーションの傾向が顕著になり、回復のめどは立っていない。

いま米国にとっては、ロシア経済を更に弱めて可能な限りダメージを与える機会が到来したである。少なくともその理由は提供された。経済制裁はこうした背景の中で始まった。

当初米国によるロシア制裁は欧州諸国で足並みがそろわなかったが、マレーシア機撃墜事件を機に結集した。この事件で米国が喜んだと言えばたいへん不謹慎であるが、ロシアへの制裁実現で大きな追い風になったことは事実である。

米国経済は短期的には好調に見えるがファンダメンタルズは厳しい状況にある。「財政の崖」は越えたものの依然として4年連続で1兆ドルを超える多額な財政赤字を抱えている。オバマ政権は二年後に大統領選挙を控えて強い米国を内外に演出しなければならない時期にある。そうした中で昨年11月4日に行われた米国の中間選挙では共和党が圧勝したことは大きな痛手である。だからロシアへの制裁は簡単に停止するわけにいかない。

もともと米国には1990年代エリツイン大統領時代に疲弊しきったロシア経済をコントロールできる体制を作ってこなかったことへの反省がある。しかし欧州諸国とロシア経済がの間に相互依存体制が完成してしまった状況下で、欧米が完全に一体となってロシア経済を叩くことは困難である。妥当と思わせるしかるべき根拠が必要である。ウクライナ問題によるロシア制裁は米国の焦りの表面化であり、自作自演そのものに見える。

プーチン大統領は2014年12月4日にクレムリンで行った年次教書の演説で、米欧による制裁について「ロシアがあまりに強くなり、自立したと考えられるときにはすぐに(抑止)手段が発動される」と述べている。


米ドル基軸通貨体制を脅かすロシア

米国にとってロシアを許せない理由がもう一つある。国際金融界でのドル体制へのロシアの反抗である。米ドルの影響力はユーロ(€)の誕生に伴って相対的に低下してきているが、世界の圧倒的な基軸通貨であることに変わりはない。米国には今後も国際政治、金融の舞台で覇権を維持し続けるために、また自国の経済を維持するために米ドルだけが基軸通貨であり続けることが絶対必要条件である。

これに対してロシアのプーチン大統領は2000年就任当初からドル基軸通貨体制に異を唱え、国際通貨の多様化の必要性を主張してきた。その主なものは以下の通りである。

A. 関税同盟とユーラシア経済同盟:ロシアは2010年にカザフスタン、ベロルーシと3か国で関税同盟を発足させたが、更に経済協力を強化する目的で2015年1月1日にユーラシア経済同盟の創設に関する条約を締結した。アルメニアとキルギスが参加を正式に表明している。これによってルーブルを基軸とする新たな決済通貨経済圏が生まれたのである。

B. BRICS開発銀行:2014年6月にモスクワで開催されたBRICs 4か国の首脳会議が開催されたが、そこでは国際通貨システムの多様化の必要性を含む共同声明が採択された。更にその一カ月後には南アフリカを加えたBRICSの5か国がブラジルでの首脳会議を開催してBRICS開発銀行(資本金500億ドル)と独自の外貨準備基金の創設について合意をした。

C. 上海協力機構(SCO):また同じ6月ロシアのエカテリンブルクで行われた 上海協力機構(SCO)の首脳会議において米ドルに代わる新たな準備通貨の創設が審議された。米国主導の国際金融システム及びドル基軸通貨体制の改革の(基軸通貨の多元化)の必要性について合意した。今後SCOが金融の世界で「米国の一極支配」を拒否する勢力になりつつある。

このようにロシアはあらゆる国際的影響力を使って米国の一極支配体制への対抗的な姿勢を取り続けてきた。(これら以外にもドル基軸通貨体制に対抗する顕著な流れがある。即ち中国はすでに米国を抜いて世界最大の貿易国となったが、貿易の18%をすでに人民元で決済しているのである。)

米国によるロシアへの制裁は、特に欧州との貿易や金融相手国から締め出して経済を弱体化させる手段でもある。

とは言っても現時点で米国はまだ国際金融市場で圧倒的な独占的地位を持っている。その影響力を最大限に駆使してロシアの資金の流動性を国際社会から封鎖して、今後の経済の発展に必要な投融資を阻害することが可能である。いまこそその力を最大限に使ってロシア経済を封じ込め、破たんに追い込もうとしているのである。それが経済制裁の本質である。いままさに米国がロシアにしかけた経済戦争が進行中である。


ロシアへの経済制裁と欧州との関係

2013年のロシアの国別貿易統計を見ると、米国のロシアとの貿易高(輸出入総額)はEU諸国のわずか16分の1に過ぎない。このようにロシアとの経済関係が薄い米国が、ロシアとの関係が非常に緊密な欧州各国に対してロシアに対する経済制裁を呼びかけても説得力は低いのは当然であった。

EU諸国とロシアの間には経済的相互依存体質が確立されている。たとえばEU諸国のロシアへのガス依存度は三分の一になっている。制裁前、旧ソ連邦の構成員であったバルト三国や隣国フィンランドはガス需要のすべてをロシアからの供給に頼ってきた。

ガスだけではない。双方の貿易総額は約4400億ドルに及ぶ。お互いに最重要貿易相手国同士である。仮に貿易が完全停止した場合、EUは約2800億jの大輸出市場を喪失することになるのだ。このような状況において、ロシアへの制裁措置とロシアによる報復措置によってロシアとEU間の経済関係が途絶するようなことがあれば双方が共に被る被害は計り知れない。


経済制裁発効後のロシア経済

ロシアの外貨準備高はウクライナ問題発生後少しずつ減ってきているが、特に8月の制裁発令後11月1日までの3カ月で700億jも減少している。

ロシアは短期的には多少の経済の落ち込みに対しても持ち堪える力と回復する力は持っているが、仮に制裁が長期に亘れば追加的な内部備蓄が必要となる。そのためには毎年の貿易黒字の水準を1500〜2000億jに保つ必要があると見られる。しかし欧州向け天然ガスの輸出が中長期にわたって減っていけばこの貿易収支の確保が困難になる。つまり新たな石油・ガス市場の確保が必要である。

今年5月プーチン大統領は中国を訪問したが、最大の成果は長期ガス供給計画に合意したことであった。供給量が30年間に亘って年間380億㎥という巨大な契約になる。

もともと南欧諸国における財政危機や欧州全体の経済の低迷が長期化していることに加えて、シェールガス革命が進んだことは、ロシア産のエネルギーに対する需要低下を促進することは明らかであった。従って制裁とは無関係にロシアはガスのアジア市場への転換が必要であった。それはプーチン大統領が主導する東方戦略に合致したものである。

換言すれば米国がロシアのアジア市場との関係強化政策を後押ししたことになる。今後ともロシアを追い込めば追い込むほどアジア・シフトが加速することは自明である。たとえばロシアと中国は既述の通り、米国の一極支配に反旗を翻すという点では同盟関係にあり、この絆は更に強まっていくことになる。

但し、ロシアと中国のガス供給契約に基づく契約の履行はガスパイプラインの敷設工事などの準備段階から入る必要があるため、実際の供給開始は早くても2019年である。ロシアにとってはその前に欧州の関係正常化が必要である。どちらに転んでもオバマ政権の思惑に沿わないことは明らかであろう。


ロシアが受けるダメージ

ロシア経済は2013年にGDP成長率が辛うじて1.3%という低いレベルとなり、その後も低迷状態が続いている。この状況の中での制裁措置はロシアの経済を更に圧迫して少なからず打撃を与えた。また制裁の直接的影響ではないが、ルーブルの急激な下落と原油価格の下落がロシア経済の成長を根本から阻害し始めた。ルーブル安はすでにロシアの輸入ビジネスを困難にしたが、輸出を容易にした。本来であればエネルギー資源の輸出が更に利益をもたらす環境を作ったにも関わらず、原油の国際市場価格の急激な値下がりがその機会を相殺してしまったのである。


形を変える世界市場での需給関係

筆者は2014年7月下旬にロシアを訪問して現地の状況を見てきた。いつものようにスーパーマーケットを訪問してみると普段通り活況を呈している。大手スーパーマーケット2社の社長に話しを聞く機会を得た。それによると両社ともに客の流れは従来通り好調であり、制裁開始後も特段の影響は見られないと言うことであった。

しかしその後の様相は大きく変化しているようだ。モスクワ在住の友人の話に最近の状況を聞いてみた。それによると、昨年10月にはいってから輸入商品が顕著に店頭から減っているということである。それまでスーパーマーケットの棚に並んでいたイタリー、ギリシャ、オランダなど欧州諸国からの輸入野菜や果物、チーズなどの農産物の他、ノルウエー産の鮭やその他の冷蔵魚類などの生鮮食品が姿を消したという。これらの農産物や海産物は中央アジアやコーカサスなどCIS諸国や中南米からの輸入商品に置き換わっているようだ。同時に自国の農産品が増えて不足分が補われているようである。つまり結果的にロシアの食糧自給率を上げる効果をもたらしていると言える。

このようにロシアを中心に世界規模での農産物と水産物の需給関係の再構築がはじまったと言ってもよい。それ自体は新しい国家間の可能性を相互に見出し開拓する契機をもたらしたという意味でいいことだが、同時にこれまで自然に構築されてきた需要と供給がかみ合う正常な世界規模での補完関係が破壊されるというプロセスが進んでいる。

もう一つは欧州諸国内の経済の変化だ。無理なロシアへの制裁が欧州経済に不安定な状況をもたらしている。ロシアよりも、アメリカの制裁に加担した欧州諸国が受ける打撃の方が大きくなる可能性がある。欧州にはロシアとは比較にならぬほど足腰が弱い南欧諸国はまだ十分に回復していないし、変化に対応する免疫力が低い。今回の制裁が引き金になって世界的規模の新しい不況が始まれば経済が容易に破綻する危険性がある。それは単に当該国に留まらず、世界に大規模な津波を引き起こすかもしれない。


終わりに

2015年は日露両国の公式的関係が始まってから160周年の節目を迎える。1855年伊豆下田の長楽寺で両国の正式な外交と交易関係の端緒となった日露和親条約が調印された。両国の国境線が初めて合意されたのはその時である。その後160年の歳月と多くの紆余曲折を経て昨年日本に久しぶりに安定政府が誕生した。両国に指導力があるリーダーが揃ったところで漸く領土問題を解決して両国の関係は新しい段階にステップアップする環境が整ってきたところであった。民間ベースでも両国の関係の象徴であるロシアの帆船パラダ号(≪Паллада≫)に日本の戸田港に来航していただく話が進んでいる。

日本にとってロシアが非常に大事な隣国であることは繰り返すまでもない。日ロ関係の歴史の重要なこの時期に米国の圧力によって、関係発展の機会が潰されようとしている。それは両国の将来の経済と友好関係にとって大きなマイナスである。冷静に判断して未来志向で関係を深めることが大事である。  


朝妻 幸雄    (元日本センター所長、日露経済交流コンサルタント)
 



 

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コメント
 
01. 2015年3月20日 11:19:53 : FbUv5Cu4qA
Avaricious Americans continue to fuel violence and instability in Ukraine.

02. 2015年3月20日 12:48:05 : nJF6kGWndY

>日本のメディアは西側の一員として根拠を明確に示すことなく、一方的にロシアが悪いという論調に終始している。私が違和感を覚えているのは米国の主張は常に正義であり、それが国際世論であるという前提を既成事実化しているためである。当事国ロシアは除いても中国、中南米、中東、アフリカの意見は一切無視している。

主要メディアの多くは、ロシアも危ないが、米国の機嫌を損ねると、まず経済的に締め上げられるし、

最終的には、もちろん、米国のキリスト教原理主義者たちが一番危ないという本能的な日本人的?配慮だろう


現実には国民も自虐史観から徐々に自由になってきているし、

政治家の一部には対米従属への不満は強いから、米国が衰退していけば自然と変わっていくだろうな


03. 2015年3月20日 15:02:42 : 14ue6REyRA
記事にもあるがEUからの脱落国になりかねない、というよりほぼ確定のギリシャはロシアと農産物輸出に踏み出すだろうね。
また半欧州扱いされているトルコははロシアとパイプラインを繋ぐ構想にサインしている。
これはサウスストリーム計画の断念をロシアが通達した後にトルコやギリシャが手を挙げて続行を訴えたもので規模は縮小されたが、トルコ〜ギリシャ経由で欧州にパイプラインを敷けるアドバンテージが隠されてある。
ハンガリーも独自の判断でロシアとの関係を結ぶ動きを見せているし、ロシアの対独戦勝記念行事にメルケルはロシアに訪問を確約したそうだ。
オバマは断ったそうだが。
フランスもスペインも本音と建前は異なることはいうまでもないので、あとは時間との勝負だろう。
ロシア国民はエリツイン時代のハイパーインフレ時代の経験から、基本的にアメリカのロシアへの経済政策はやらずぶったくり、出すぎた釘は打つ、の二段構えだと知り抜いているので「ロシアはもうオシマイ詐欺」にはひっかからない。
オルガリヒという名の政商マフィアどもがいかにロシア国民の富を独占し、アメリカに売り渡したかも知っている。
粘り強い国民性を有している。

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