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原油、投機マネーが揺らす
一時6年ぶり安値、振れ幅大きく 需給の不透明さ反映
原油市場が投資マネーに揺れている。米国指標のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物は16日、一時1バレル42ドル台まで下がり約6年ぶり安値となった。ここ1〜2カ月、2割程度の上げ下げが続く。関係者の間で価格見通しが分かれる中、膨らんだ投資マネーが原油市況の振れ幅を大きくしている。今後、国内のガソリン価格などにも影響が出てきそうだ。
シェールオイルの増産に歯止めがかからない(米ノースダコタ州の掘削現場)
昨年後半から値下がりを始めたWTI原油は、1月に一時44ドルを割り込んだ。その後は50ドル台半ばまで上昇する場面もあったが、先週から再び下げ足を速めている。国際エネルギー機関(IEA)が13日発表の石油月報で「価格の上昇は一時的」との見方を示したことなどが影響した。
短期の利益追う
世界的な金融緩和を受け、余剰マネーが原油に流れ込んでいる。WTIの市場規模を示す建玉(未決済残高)は約170万枚(1枚1千バレル)となり、昨年末に比べて2割近く増えている。1日あたりの売買高が100万枚を超える日もあり、活発な取引が続く。
荒い値動きは短期の利益を狙う投資ファンドや個人投資家を引き付ける。売りが目立つのは投資ファンドなど大口の投資家だ。売り持ち高は10日時点で2月中旬に比べ約3割増え、買い持ち高から売り持ち高を引いた買越残高は約1割減った。
一方で原油価格の反発を見込む企業や個人など幅広い投資家が上場投資信託(ETF)経由で原油先物を買っている。米国では原油価格に連動する主要なETFへの年初からの流入額が約40億ドルを超え、残高は80億ドルに迫る。日本でも原油価格の上昇が収益となる類似の金融商品が人気を呼んでいる。
サウジ増産維持
原油の需給見通しは不透明感が強い。石油輸出国機構(OPEC)は16日、加盟12カ国の2月の原油生産量が日量3002万バレルとなり1月に比べ14万バレル減少したと発表した。政情の不安定なイラクやナイジェリア、リビアで生産が減少した。しかしサウジアラビアの増産により、全体では日量3000万バレルの供給目標は上回っており、生産量を維持する姿勢を緩めていない。
米国ではシェールオイルなどの油田開発に使うリグ(掘削設備)の稼働数が大きく減ったが、今のところ増産に歯止めがかからない。米国の原油在庫は4億5千万バレルに迫る。前年同期に比べ2割増え過去最高の水準となっている。このためニューエッジ・ジャパン証券の長谷川健シニアマネージャーは「WTIの40ドル割れも視野に入る」とみている。
一方、「市場が逆回転し、急上昇する可能性もある」(石油天然ガス・金属鉱物資源機構の野神隆之・上席エコノミスト)との指摘もある。4月以降、北半球はドライブシーズンを迎え需要が伸びる一方、生産増にブレーキがかかると予測する。「WTIは6月までに55ドルを目指すだろう」(野神氏)という。
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シェール大手、身売り検討 再編進めば生産抑制も
【ニューヨーク=稲井創一】米シェールオイル大手のホワイティング・ペトロリアムが「身売り」を検討していることが明らかになった。原油安で採算が悪化したためとみられる。買い手の候補には米石油メジャーのエクソンモービルなどが挙がっている。シェール企業の再編が進めば、原油安の主因の一つであるシェールオイルの生産増にブレーキがかかる可能性がある。
ホワイティング社が身売りに向けて投資銀行と契約したと複数の米メディアが報じた。今後、交渉が本格化するという。
同社は昨年、同業のコディアック・オイル・アンド・ガスを買収した。優良シェール鉱区のノースダコタ州バッケン地区で最大手の一角を占める。
ただ最近の原油安で採算が急速に悪化。赤字が拡大しているほか、買収に伴う負債増も重荷になっていた。
バッケン地区はテキサス州のイーグルフォード地区と並ぶ全米屈指の優良鉱区だ。このためホワイティング社の買い手には、石油メジャーを含めた幅広い企業が候補になりそうだ。海外勢が買収に名乗りを上げる可能性もある。
今年1月にはテキサス州でシェール開発を手がけるWBHエナジーが経営破綻した。2月にも中小業者の身売り検討報道が流れるなど、シェール企業に淘汰の波が押し寄せている。
原油安を受けて、米シェール企業は現金確保を優先して投資を縮小。昨年10月ごろから米石油生産のリグ(掘削設備)数は減り始めている。
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ガソリンは上昇が鈍化 国内店頭価格
ガソリンの店頭価格は上昇ペースが鈍ってきている。資源エネルギー庁がまとめた先週のレギュラーガソリン全国平均価格は1リットル139.9円で、上げ幅は0.6円にとどまった。調査を担当している石油情報センターでは「今週も小幅な値上がりにとどまる」とみている。
原油価格の動向が卸価格を通じて店頭価格に反映するまでには、ある程度時間がかかる。「今後は卸価格の上昇は止まり、店頭価格も横ばいになる」(燃料商社)との見方が出ている。
[日経新聞3月17日朝刊P.3]
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