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イラン「核武装までの時間」焦点 米「1年以上」要求:枠組み合意期限迫る イランは「制裁全廃を」
http://www.asyura2.com/15/kokusai10/msg/256.html
投稿者 あっしら 日時 2015 年 3 月 12 日 11:58:39: Mo7ApAlflbQ6s
 


イラン「核武装までの時間」焦点 米「1年以上」要求
枠組み合意期限迫る イランは「制裁全廃を」

 【ワシントン=吉野直也、ドバイ=久門武史】イラン核問題の包括解決に向け、米欧など6カ国とイランが枠組み合意を目指す3月末まで残り3週間となった。焦点は「イランの核武装にかかる期間を長引かせる」という米国の意図が実現できるかどうかだ。歩み寄りの兆しも一部にあるが、経済制裁の解除で深刻な溝も残る。駆け引きが活発化する一方、交渉への懐疑論がある米議会では野党・共和党がオバマ政権への揺さぶりを強めている。

 ケリー米国務長官とイランのザリフ外相は15日、スイスのローザンヌで協議を再開する。イランと6カ国は6月末までの最終合意を目指し、骨格となる枠組み合意を3月末までにまとめるとしている。ケリー氏は7日、「一定の進展はあるが、相違点が残っている」と述べた。


「2カ月で製造」

 米欧などが注力するのは、いかにイランの核武装を遠ざけるかだ。イランは公式には核武装はしないとしているが、既に大規模なウラン濃縮施設を持っており、決断さえすれば2カ月程度でウラン型核爆弾を作るのに必要な高濃縮ウランを製造できるとの見方がある。

 オバマ米大統領は2日、この期間を「1年以上」に延ばすべきだとの考えを表明した。万一イランが核武装する方針に転じても、軍事攻撃などで対処できる時間的余裕を確保する狙いとみられる。

 米国はイランに対し、現在約1万9千基ある濃縮用の遠心分離機を「数千基」まで削減するよう要求。この数千基という数字は、稼働中とされる約1万基とかけ離れてはおらずイランが譲歩する余地はある。イランが保有する濃縮済みウランについても、ロシアなど国外への搬出といった妥協案が検討されている。

 合意には一定期間の核開発制限も盛り込む公算が大きいが、イランは見返りに米欧による経済制裁の全面解除を要求。特に経済への打撃が大きい原油輸出と銀行取引に関わる制裁を解くよう訴えている。米国は合意を守らせるため段階的な解除にとどめたい考えだ。
 イランと6カ国の交渉と並行して、米議会での駆け引きも活発になってきた。9日にはマコネル院内総務ら上院議員47人がイラン指導部に宛てた書簡を発表した。


揺さぶる米野党

 「次期大統領が一筆書けば取り消すことができる」。マコネル氏らが公表した書簡には、この一文が盛り込まれている。6カ国とイランが核問題で合意に達したとしても「次期政権では保証されない」という意味だ。妥協するかどうかのギリギリの決断を迫られているイランにしてみれば、判断を迷わすには十分だ。
 上下両院で多数を握る共和党は、イランに低レベルのウラン濃縮などを認める形になる現在の交渉に反対の立場だ。昨年まで上院は民主党が多数派だったため、制裁強化法案を提出しても否決されてきた。オバマ氏はこの先同様の法案が出てきた際には拒否権を発動する構えだが、共和としてはその過程でイラン核問題への自らの考え方を訴えることができるとの読みだ。

 交渉が大詰めに入るなかでオバマ氏は「米議会のメンバーがイランの強硬派と協力しようとしているのは皮肉だ。異常な提携だ」と非難。共和の一連の行動が、イラン国内で核協議に反対する同国強硬派を利することになると指摘した。
 アーネスト米大統領報道官も「大統領の外交遂行能力と国家安全保障の利益を傷つけようとする党略だ」と非難。今月末までに枠組み合意できなければ、米側は交渉を延長しない方針だ。

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イランの核なぜ問題? 高濃縮ウラン、兵器転用懸念

 大詰め段階に入ったイランの核開発問題を巡る同国と米欧など6カ国の協議の焦点を探った。


 Q イランの核開発問題とは。
 A 2002年に反体制派がイランの核開発計画を暴露し、国際原子力機関(IAEA)に申告せずに核開発を進めていたことが判明した。IAEAは11年、核兵器開発の疑惑を指摘。イランは全面的に否定し、「核の平和利用」の権利を主張している。

 Q ウラン濃縮の何が問題なのか。
 A イランは10年に濃縮度を約20%に高めたウラン製造に着手し、濃縮能力の強化を続けた。核爆弾に使うには濃度を90%まで高める必要がある。ただ20%という中程度の濃縮技術を確立すれば、兵器レベルへの濃縮はそう難しくない。また、ウラン型核爆弾はプルトニウム型と比べ構造が単純で、高濃縮ウランさえ手に入れば爆弾の組み立ては比較的容易だ。それを考慮すると、イランは核兵器入手に相当近づいているといえる。

 Q 高濃縮ウランをつくるまでの期間が焦点になりつつある。
 A ケリー米国務長官は14年、イランがひとたび決断すれば約2カ月で可能だとの見方を示した。オバマ米大統領はこの期間を「少なくとも1年以上」に延ばすべきだとの考えを表明した。これは、仮にイランが先々、核拡散防止条約(NPT)脱退と核武装を宣言したとしても、すぐには核兵器を入手しにくい状態にし、外交や軍事的手段で対処できる余地を残しておこうとするものだ。

[日経新聞3月11日朝刊P.6]


 

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コメント
 
01. 2015年3月12日 19:09:39 : nJF6kGWndY

>イランは核兵器入手に相当近づいている

ま、2ヶ月では厳しいかもしれないが、いずれにせよ時間の問題だろ

多少は、抑止力にはなるだろうし、ナショナリズムの高揚という点でも作っておいた方が損は小さそうだ



02. 2015年3月12日 19:15:30 : nJF6kGWndY

共和党の”妨害”で、逆に、今のうちに協定を結んだ方が得となるか

それともオバマ後を考えて、やはり核保有が得となるかの判断は囚人のジレンマ的ではある

http://www.newsweekjapan.jp/stories/us/2015/03/post-3579_1.php
イラン核協議を妨害する共和党議員は裏切り者か愛国者か
Senate Letter To Iran Reactions: Traitors? Or Patriots?
オバマの核交渉の進展を阻む共和党の「裏切り」行為は許されるのか
2015年3月11日(水)15時45分
デニス・リンチ

強硬手段 イランに書簡を送ったマコネル院内総務(右から2人目)ら47人の共和党議員 Jonathan Ernst-Reuters
 イラン指導部宛ての公開書簡に署名した47人の米共和党上院議員は裏切り者なのか? 賛否をめぐって議論が巻き起こっている。

 イランとアメリカ、ロシアなど6カ国との間で続く、イラン核問題をめぐる協議は、今月末に交渉期限を迎える。イラン指導部あてに送られた書簡は、オバマ政権と何らかの合意に達したとしても徒労に終わるかもしれない、と警告するもの。

 イラン核協議では、イラン政府に核兵器の開発を放棄させる一方、エネルギー利用のための平和的な核開発は認める妥協策を模索している。だが共和党強硬派は、それでは弱腰過ぎるとオバマやケリー国務長官に対する苛立ちを募らせてきた。

 そこで書簡は、オバマがどんなを約束しようと米議会が認めなければ行政上の合意に過ぎず、通常の大統領令と同じく次期大統領が反故にできる、とイラン側に知らせる内容になっている。オバマ政権側は、この書簡は繊細な国家間交渉を頓挫させかねないものだと非難している。

 議論はツイッター上でもヒートアップ。オバマ政権支持者が「#47Traitors(47人の裏切り者)」のハッシュタグで共和党議員への怒りを爆発させると、共和党議員の支持者は「#47Patriot」(47人の愛国者)のハッシュタグで反撃、オバマ政権支持者が「書簡を送った議員は全員、議会から追放すべきだ」と言えば、共和党議員支持者は「彼らは独裁者オバマを止める愛国者だ」と言い返す。

 この書簡は、米政府の対外交渉に影響を与える目的で外国勢力と接触することを禁止する約200年前に成立した法律に違反するという指摘がある。この法律に基づいて訴追されたのは、かつてフランスと結託して西部州の分割を要求したケンタッキーの農夫だけで、有罪にもなっていない。

 アメリカン大学のスティーブ・ブラデック教授(法学)がアップしたブログによると、書簡を送った共和党議員が実際に訴追される可能性はほとんどなさそうだ。


03. 2015年3月12日 20:00:17 : C3lq0gpU9A

  NPT(核拡散防止条約)はインチキだ、不平等の極み。

  ”ワシらは持つが、お前らが持つのは許さん”っておかしいだろう。

  ”ワシらは廃止するから、お前らも持つな”にしろ。


04. 2015年3月13日 08:56:39 : dRdR4QYreg
イスラエルの出方しだい。
オバマのジレンマはイラクの不安定化とシリアのアサド政権の固定化。
イラクにしろシリアにしろ、イランの関与抜きで事を納めることは不可能。
サウジはイラク北部を根城にするイスラム国と相性が悪い(カリフ復活を唱えるサラフィー・ジハードのイスラム国は王政国家サウジを批判している)ので、支援することはなくむしろ潰したい。
サウジとイランがイスラム国潰しで共闘することはありえるが、もちろん同床異夢であって利害以上の関係を築く気持ちはさらさらないだろうから、イスラム国の存在はイスラエルにとって痛し痒しである。
さらにナイジェリアやリビアにイスラム国に忠誠を誓うイスラム過激派集団が続々現れてしまっている現状では、アメリカはイスラエル(ネタニヤフ)のイラン封じ込めに同調する余裕はない。
またイスラエルの軍事的能力を以ってしても、イランの核施設を破壊できる見込みはない。
そしてイスラエルが単独行動に走った場合、百パーセントイランはイスラエルに報復するだろうから、シリア、レバノン、パレスチナ自治区を巻き込んで戦端が開かれるだろう。
そうなればイスラム国掃討で一応出来た合意形成が一挙に無になり、スン二派アラブ国家はイランとイスラエルの争いを頭越しに見ているわけにもいかなくなる。
イランは支援したくないが、イスラエルは嫌いだし、イスラム過激派はシーア派のイランというよりイスラムの防衛としてイスラエルにテロ活動を仕掛けていくだろうから、もうカオス的状況が現出するはずである。
こうなってしまえばもはやアメリカの打つ手などまったくなくなってしまう。
イランもイスラエルもアメリカも各々が最悪の事態を想定しつつ、それぞれの利害を計算し交渉に励んでいる。
アメリカが望むイランの核武装化一年の猶予期間は、イスラム国壊滅の時間と重なっているともいえる。
そしてイスラム国壊滅に一年の保証があるのかといえばまったくないというのが現実である。
しかし、いうまでもなくこのような逼迫した状況を作り出したのはアメリカである。
放蕩息子のイスラエルを散々甘やかしたのもアメリカである。
イランを危険視する前に自分たちがしてきたことに思いが至らないことこそが、アメリカの中東政策の失敗を生み続けてきた。
オバマであってもオバマでなくてもアメリカの外交失敗は変わることはなかったし、これからも変わることはないだろう。



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