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【モスクワ時事】ロシア野党指導者ボリス・ネムツォフ氏暗殺事件で、チェチェン系軍人のザウル・ダダエフ容疑者が、ネムツォフ氏の「反イスラム的な言動」に不満を抱いていたとの説が当局情報から浮上した。プーチン政権とその周辺が関与していると考える見方を打ち消し、黒幕不在の単独計画事件として幕引きを図ろうとしている可能性もある。
ダダエフ容疑者は、テロ対策に当たる内務省部隊のエリート軍人で、イスラム過激派とは一見無縁だ。部隊を掌握するチェチェン共和国のカディロフ首長に忠誠を誓い、カディロフ首長はプーチン大統領に忠誠を誓うという服従関係にある。
カディロフ首長は8日夜、交流サイトでダダエフ容疑者に初めて言及。「真の愛国者、敬けんなイスラム教徒で(フランスの週刊紙)シャルリエブドの活動、預言者ムハンマドの風刺画掲載を支持する言論にショックを受けていた」と主張した。
並行してロシア当局筋も地元通信社に「供述内容」をリーク。ダダエフ容疑者は1月、ネムツォフ氏がロシアのイスラム教徒やムハンマド、イスラム教自体をめぐる問題発言を繰り返していると知り、我慢できなかったようだと説明した。
こうした情報は、ロシア当局の見立てに沿う。当局は2月27日夜の暗殺翌日に「ネムツォフ氏が風刺画に対する政治姿勢で脅迫を受けた情報がある」と公表。国営テレビも、チェチェン系容疑者拘束を受けて「最有力の見立て」と宣伝し始めた。
ネムツォフ氏は1月9日、仏週刊紙銃撃後にブログを更新。イスラム教徒によるテロを念頭に「キリスト教より600年若いイスラム教は中世の宗教裁判の最盛期だ」と主張した。しかし、政権が掌握するメディアなどで、この言動がやり玉に挙がった形跡はないようだ。
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2015030900776
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