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混迷のアラブ世界 ”国家崩壊”の連鎖〜止めるのはすでに相当困難な状況/出川展恒・nhk解説員室
http://www.asyura2.com/15/kokusai10/msg/247.html
投稿者 仁王像 日時 2015 年 3 月 09 日 20:04:31: jdZgmZ21Prm8E
 

「混迷のアラブ世界 ”国家崩壊”の連鎖」出川展恒/nhk解説員室 2015.3.5
 http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/210738.html#more

 「アラブの春」と呼ばれたアラブ諸国の政変から4年。長期独裁政権が倒れた国々は今どうなっているか。
 ごく一部の例外を除いて、「民主的なくにづくり」がうまく行っている国はありません。それどころが、国が次々と壊れてしまう、「国家崩壊の連鎖」とも言うべき深刻な危機が広がりつつあります。
 そのことは、ISをはじめとする過激派組織が各地で増殖・拡大する原因ともなっており、テロの脅威を世界全体に拡散させています。

 先週26日、アメリカのクラッパー国家情報長官が、議会の公聴会で証言しました。
 長官は、去年、世界で発生したテロ事件について、「1月から9月までの間で、およそ1万3千件発生し、犠牲者は、3万1千人にのぼった。統計がある過去45年間で最悪になる見通しだ」と述べました。
 「過激派組織の数、メンバーの数、そして、支配地域が史上最大の規模となった。とりわけ、ISが他のどのテロ組織よりもテロを行った」と指摘しました。

 世界は、かつてなく危険で、いつ、どこにいても、テロの脅威にさらされる時代と言えます。
 そのISが本拠地としているシリア内戦は、全く収束する兆しが見えません。同じく、ISが活動するイラクも、12年前、フセイン政権が倒れた後の新しい国づくりの中で、異なる宗派と民族の間の対立が噴出し、ISの台頭を許す結果を招きました。ISは、従来の過激派組織と異なり、まず領土を獲得することを目標としています。

 「人々が『アラブの春』と呼んだ出来事は、実は『アラブの悪夢』だった」。
 これは、アラブのある大使がつぶやいたコメントです。
 アラブ世界で起きていることを、大ざっぱにまとめると、次のようになります。

・革命や戦争で、長期独裁政権が倒れた。
・民主化をめざし、新しい国づくりが進められ、選挙も行われた。
・ところが、期待されたような民主的で安定した政権は、いつまでたってもできず、むしろ、国内の対立や混乱が深まった。
・いくつかの国では、外国から戦闘員が入り込み、内戦状態に陥る。
・やがて、政府の統治が行き届かず、治安も守られていない地域、「権力の空白地帯」が、あちこちにできて、そこが国際テロや過激派組織の拠点となって行く。

 これが、アラブ世界が経験している、予期していなかった現実です。
 いくつかの例(リビア、エジプト、イエメン)/詳細略
 もし、イエメンが崩壊すれば、テロの脅威が、ますます世界中に拡散することになります。

 このような、「国家崩壊の連鎖」と呼べる危機を止めることはできるでしょうか。すでに相当困難な状況です。
 最大の問題は、国連の安保理が機能不全を起こしていることです。シリアの内戦を終わらせる取り組みは、1年以上前から中断したままです。
 リビアやイエメンの危機も、何の打開策も打ち出せていません。常任理事国のアメリカとロシアの対立が、影を落としています。

 アラブ諸国で「民主的な国づくり」を進めて行くというのは、今後、何十年もかかる難事業かもしれません。その過程で、国自体が崩壊すること、誰の統治も及ばない「権力の空白」が広がることだけは、何としても食い止めなければなりません。  

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コメント
 
01. 2015年3月10日 07:32:24 : ozJROyNPVg
予期していなかった現実だと?
ロシアなどは『アラブの春』運動の本質は欺瞞であり、
それがもたらす危険性について強く警告していたはずだ。
このNHK解説委員やダイナモのような軽薄で偽善的な連中が、
中東・アフリカの民主化万歳とばかり浮かれていたに過ぎない。
今頃したり顔でもっともらしく解説するなど人間性すら疑いたくなる。

02. 晴れ間 2015年3月11日 14:05:45 : FhUYgDFvAt2/E : xni5yVaf3k
イエメンには、私、友達がいる。音信不通だけど。
一人はかつて大臣をしていたから、政府??や大使館関係のツテを辿れば、連絡はつくかもしれない、と思っている。(私自身は、今は連絡も無理。)

ここは元々、部族社会。国家が壊れても、血縁集団である部族は壊れない。
国が南北に分断されていたときも、部族の方が国家の上位にあるから、行き来は自由だ、と言っていた。

国民の生活は貧しい。
かつての南イエメンは、旧社会主義圏だったから、ロシアに泣きつけば、何らかの援助は得られるだろう。


それにしても、クルド人の女たちは頼もしい。
やはり、宗教に支配されていてはダメなのよ。

しばらく阿修羅は見れないけれど、また来ます。


03. 2015年3月11日 15:28:09 : LBtbDXFoS6
西側の気に入るような「民主的政権」こそなかったかもしれないが、それぞれに近代的な文明生活があった。今は、中世の戦国時代並かそれ以下。
誰のせいなんだろう?

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