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前週、アサド政権側の樽爆弾が爆発したアレッポの現場を調査する男性ら Reuters
シリア北部のアレッポに住んでいたファティマ・アブ・マグハラさん(29)は約8カ月前、砲撃から逃れるため4人の子どもを連れて避難した。その時は、避難先でもすぐに同じ状況に遭遇することになるとは思いもよらなかった。
シリアは内戦でほとんどすべてが戦闘地域となり、多くの住民が避難を余儀なくされている。アブ・マグハラさんのように、何度も避難を強いられた人々も多い。アブ・マグハラさん一家はアレッポから故郷のアルバブに避難した。しかしアルバブは過激派組織「イスラム国」の支配下にあったため、またもや同じような状況に直面。行くあてがなくなり、結局アレッポに戻ることになった。
「シリアにもう安全な場所はない」アブ・マグハラさんはこう話す。「政権下にある地域も攻撃の対象になっている」
シリアでは政権と反体制派が対立するなか、イスラム国も勢力を拡大し、市民が避難先を見つけることが難しくなっている。避難しても数カ月でまた場所を変えるか、さもなくば砲撃や空爆に慣れるか、どちらかしか選択の余地がなくなっている。
難民となった1000万人以上のシリア国民の避難先
国連によると、シリアでは避難民の数が1000万人を超えた。人口の約半分が避難していることになる。うち300万人は国外に避難した。シリアは難民問題が世界で最も深刻な国となっている。
反体制派組織シリア人権ネットワーク(SNHR)の推計では、2014年1月1日から9月22日(米主導の有志連合による空爆開始)までの間に、月平均99人の住民が政権側またはイスラム国による攻撃で死亡した。
一方、有志連合による空爆開始以降の14年10-12月には月平均146人の住民が亡くなったほか、それ以外にも有志連合の空爆で少なくとも41人が死亡した。
2015年に入っても住民の死者は増え続けている。シリア人権監視団(SOHR)によると1月、北東部ハサカ県で政府側がイスラム国の支配地域にある市場を空爆、女性や子どもを含む40人超が死亡した。
2月、アレッポのモスク内で授業を受ける子どもたち。多くが国内の混乱で何度も避難を余儀なくされている Reuters
空爆の拡大で住民は何度となく避難を余儀なくされている。だが内戦の初期に難民が急増したのに比べれば、そのペースは抑えられている。避難しても現実的な選択肢があまり残っていないからだ。
昨年11月、イスラム国が「首都」と称するシリア北部ラッカで、政権側が住宅地や商店街などを攻撃、100人を超える市民が死亡したと報じられた。これを機に多くの家族がラッカから避難した。しかし、家を空けたままにしておくと武装グループに占拠されると恐れ、その後ラッカに戻ってきた家族もいる。