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イスラム国の最も恐ろしい成功:西側からの参加
By YAROSLAV TROFIMOV
原文(英語)
2015 年 2 月 27 日 10:54 JST
仏スーパー人質事件で警察に射殺されたアメディ・クリバリ容疑者 Associated Press
過激派組織「イスラム国」が西側の何千という人たちを引き付ける能力は現代史では前例がなく、最も恐ろしい成功と言えるかもしれない。このことが特に気がかりなのは、シリアに集まる女性や男性たちの大部分はイスラムへの新参者である。これはこの残忍な組織が超保守的な根幹をはるかに越えた魅力を高めていることの証左だ。
テロ研究者によると、キリスト教からの改宗者であれ、無神論の家で育った人たちであれ、彼らはしばしば便宜船籍の旗を探し求める反逆者たちだ。これらの現在社会とそのルールを拒否する、新しいジハーディストの多くは、それが西側への最も明確な対比だという理由だけで、イスラム国の大量虐殺狂信的集団を受け入れている。
仏トゥールーズ大学の西側外国人戦闘員の動向を調べているマシュー・ギデール氏は、半分以上は「幻滅した理想主義者と革命家だ」と推定。同氏は「彼らは世界を作り直したいと思い、ほかには何もないことから、ジハーディズムだけが代替イデオロギーだと判断している」とし、「彼らが本当に探しているのは武装闘争であり、彼らはそれをイスラム国で見いだした」と語った。
情報当局者によると、シリアとイラクに渡った2万人の外国人戦闘員の約4分の1は欧州、北米、それにオーストラリアの出身。そのほとんどは移民ではなく、その国生まれの市民だ。この西側からの流入の規模は、以前のジハードの戦闘地域であるアフガニスタン、ボスニア、チェチェン、あるいは米国占領時期のイラクでの数に比べるとはるかに大きい。
関係筋によれば、26日には、イスラム国の処刑の場面を映したビデオに何度か現れた、「ジハーディ・ジョン」として知られる覆面姿の戦闘員はロンドン出身の英国人ムハンマド・エムワジ容疑者と特定された。
これらの西側出身の戦闘員たちの動機は現在のシリアとはほとんど関係がない。米国が支援する自由シリア軍(FSA)の司令官ニダル・サレム氏は「彼らがここにやって来るのは自分たちの国を憎んでいるからだ」と話した。同氏はシリア北部のアレッポで何人かの欧州ジハーディストと遭遇した経験がある。
中東にまでやって来ないイスラム国信奉者たちはより危険な存在になり得る。その好例が、1月のパリでのテロ事件で5人―うち4人はユダヤ人向け食料品店内で―を殺害したアメディ・クリバリ容疑者だ。米当局は25日、ニューヨーク・ブルックリンに住むウズベキスタンとカザフスタン出身の男3人を、米国での襲撃とシリアのイスラム国への参加を計画したとして逮捕した。
イスラム国への渡航を計画したとして逮捕された3人。出廷した際のスケッチ Jane Rosenberg/Reuters
テロ専門家は、西側のイスラム国信奉者―しばしば裕福な育ちだ―と、1970、80年代のイタリアの「赤い旅団」や西独の「赤軍」などのホームグロウン・テログループを受け入れる若い男女との間には驚くほどの類似点があると指摘する。
当時の共産主義思想―実際の共産主義国家では生命の恐怖があったにもかかわらず―はより良い、より公平な、より純粋な社会を約束していたように見えた。イスラム国のプロパガンダの最大の力は、今日の独自のユートピア的ビジョンでかつての共産主義と同じような感覚を与える能力で、欧州全域のうんざりした理想主義者、不適応者、冒険主義者らを引き付けている。共産主義者と同様に、イスラム国は世界的な福祉、無料診療、社会正義の実現を約束している。
ノルウェー防衛研究所のテロ研究部門のトマス・ヘッグハマー部長は「それは極左活動家を生まれさせる不安感と基本的に同じだ」とし、「多くの若者は、資本主義中心の西側の制度は自分たちのためにあるのではなく、別の社会が作られているという同じ考えを持っている」と述べた。
ヘッグハマー氏は、彼らの多くにとっては現在のイスラム国は70年代のソ連やキューバと同じで、「それは異なった社会モデルを目にすることのできる、極端に異なった場所」だとしている。
イスラム世界から米国とその同盟国を排除するとのメッセージを出しているアルカイダとは異なり、イスラム国は世界征服というより野心的なプロジェクトを提示している。イスラム国はしばしばバチカンのサンピエトロ大聖堂をモスクに変えたイメージを用い、いずれ欧州をイスラム化するとの考えであからさまに同組織への勧誘を図っている。シリアとイラクにいる一部の欧州出身の戦闘員は、それほど遠くない将来、イスラムの征服部隊とともに自国に戻ると信じている。
恰幅(かっぷく)のいいドイツ人アブ・カタダさん(本名クリスティアン・エムデ)は昨年12月、ユルゲン・トーデンヘーファー氏とのインタビューで、「われわれは最終的に帰国する。それは丁寧なあいさつを伴うものではなく、武器と戦闘員を伴う帰国だ。われわれは誰であれ、イスラムを受け入れない者、保護税を払わない者を殺す」と語った。トーデンヘーファー氏はイスラム教徒以外でイスラム国に招待された唯一のジャーナリストだ。
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