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襲撃された仏紙シャルリー、運営めぐり社内に亀裂  By SAM SCHECHNER
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投稿者 蟲 日時 2015 年 2 月 26 日 17:17:52: VXoEun45fU5tI
 

襲撃された仏紙シャルリー、運営めぐり社内に亀裂 
By SAM SCHECHNER
原文(英語)
2015 年 2 月 25 日 18:01 JST

シャルリー・エブド紙2月25日号の表紙は、同紙を口にくわえた犬が別の怒った犬たちに追いかけられている様子を描いている Agence France-Presse/Getty Images
 【パリ】フランスの風刺週刊紙シャルリー・エブドが襲撃されてから1週間余りたったある日、生き残ったスタッフが間借りした会議室に集まり、以前には予想もしなかったジレンマについて話し合った。

 同紙はかつて経営破綻寸前に陥ったこともあるが、事件後は発行部数が数百万部になった。その利益の使い道をめぐって社員の誰もが発言できるよう、共同所有体制にすべきだとスタッフの多くが急に要求し始めた。

 射殺を逃れた同社株主2人のうちの1人であるロラン・スリソ新編集長は、この会議で「全く問題外だ」と答えた。出席者らによると、その直後、スリソ氏は会議室から飛び出していったという。

 左派のシャルリー・エブドは資金面で困窮したニッチな存在から、襲撃の悲劇によって世界的なブランドに変貌しつつある。その変化にどう対処すべきかをめぐって社内で亀裂が生じ始めた。

 襲撃で死亡した同僚たちを葬った後、社員の多くは株主たちに対し、株式を放出して全従業員の手にゆだねるよう圧力をかけている。しかし、スリソ編集長ら編集幹部は抵抗しており、変更は早すぎると主張している。スリソ氏は同紙の株式が紙くず同然になった時期に、象徴的なしるしとして発行済み株式の40%を取得している。

 スリソ氏に次ぐ編集部ナンバー2のジェラード・ビアード氏はインタビューで、「共同所有というのは新聞社を運営する最善の方法だとは思わない」とし、「カネは人を狂わせかねない」と述べた。

 同紙の広報担当者はスリソ氏への取材要請を拒否し、同氏はコメント要請に返答しなかった。

 再編のために一時休止していたシャルリー紙は25日、今年1月7日の本社襲撃以来2号目となる新聞を発行する。

 同紙は襲撃を受けた後、世界で最も知られる「表現の自由」のシンボルの一つとなり、世界中で「私はシャルリー」というスローガンが聞かれた。一方で、社内外で長い間くすぶってきた緊張にも光が当たることになった。イスラム教とイスラム教徒の扱いをめぐり物議を醸したときほど、ビジネスとしては最大級の成功を収めてきた。

 表紙にイスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を掲載した事件後初の1月14日発売号は800万部近く売れ、通常の200倍以上だった。印刷や販売経費を除いた利益は約1200万ユーロ(約16億1600万円)に達する見通しだ。新規購読者は25万人増えた(1人当たりの年間購読料は約100ユーロ)。同紙の弁護士によると約400万ユーロの寄付もあったが、同紙は全額を犠牲者の家族に提供するという。

 一方で、イスラム世界の暴力を伴う抗議にも直面している。ネット上では「私はシャルリーではない」と称する対抗的な動きが活発になっている。

 社内では、世界から押し付けられた象徴的な役割を引き受けるべきか、どのように引き受けるべきかという議論が持ち上がっている。既に仏有力紙ルモンドの支援を受けて、スマートフォン向けのアプリをリリースしており、電子版の英語訳の配信も続ける見込みだ。紙面の大幅刷新は今秋に予定されている。

 編集部内には、新たな役割を拒否すべきだという意見と、引き受けるべきだという意見がある。同紙のコラムニスト、パトリック・ペロークス氏は「世界的な自由新聞になるべきだ」とし、「これは膨大な責任だ」と話した。

 社内の議論では、新たにつかんだ富や読者のために編集基調を変えるべきではないという意見でおおむね一致しているようだ。

 先のスタッフ会議でスリソ編集長が共同所有案の検討を拒否して会議を打ち切った2日後、スタッフは再び集まった。だが意見の食い違いは埋まらず、双方は協議を3カ月先送りすることで合意した。

 社員による株式保有を支持する人々は、売上高に対する支配権を維持するためだけでなく、運営方法をさらに透明にするためにも圧力をかけ続けると話す。

 同紙にとって最大の課題は、毎週発売というペースに戻ることかもしれない。2月25日発売号の表紙は、イスラム聖戦主義者(ジハーディスト)や仏極右政党のルペン党首、ローマ法王など、さまざまな形相をした怒った犬たちが、同紙を口にくわえた犬を追いかける様子を描いている。

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