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発言を理由に警察が8歳の児童まで取り調べるフランスが「言論の自由」を自慢する倒錯ぶりを見逃す世界
http://www.asyura2.com/15/kokusai10/msg/150.html
投稿者 あっしら 日時 2015 年 2 月 18 日 03:33:00: Mo7ApAlflbQ6s
 


 まず、脅迫・名誉毀損・個人情報暴露などに相当するものを除き、「表現の自由」(表現内容について国家権力の規制から自由)は徹底的に保障されるべき権利だと考えている。
 それゆえ、今回話題になった下品で恥ずべきムハンマドの絵も、国家権力の手で規制されてはならないと思っている。

 そのような絵を配布(出版)したひとや企業を批判することは、同じ「表現の自由」なのだから大いに認められる。
 テロルも表現の一形態だが、規制(刑事罰)の対象となる。
 シャルリ・エブドの風刺画のようなものについてムスリムに期待する“反応”は別の機会に触れたい。

(「シャルリ・エブド襲撃事件」絡みで、母親を侮辱されたらぶん殴ってもいいというローマ法王の“すさまじい”マッチョなコメントには笑えた:異論があるわけではないが、ローマカソリックの法王としては辞任に相当する発言だと思う(笑))


 フランスなど欧米諸国の支配層やメディアの“自己主張”や同調に惑わされているのかもしれないが、フランスは「言論(表現)の自由」を徹底的に尊重している国と錯覚しているひともいるように思える。

 フランスの実態は、フランス支配層(ないし国民多数派)が抱く価値観が許容する範囲の言論活動はその自由が保障されていても、そこから“逸脱”した内容の言論活動は“弾圧”(刑事罰)の対象になってしまう「言論不自由」の国家である。

 フランスでは、既に死亡し告訴や反論もできないムハンマドを冒涜する下品で恥ずべき絵は自由に配布できても、ユダヤ人を“過度に”非難したり、ナチスの思想を広めるような言論活動は、国家権力によって“弾圧”されてしまう。
 ムハンマド冒涜風刺画を自由に配布できることでエラそうに「表現の自由」を自慢したフランスは、実のところ、日本や米国よりも「言論の自由」に規制がかけられている国なのである。

 思想や価値観を基準として表現できる内容に制限がかけられている状況を「表現の自由」と言えるかどうか、それほど考える必要はないであろう。

 フランスの実情は、「表現の自由」を認めている国家とは言えるものではなく、せいぜい「制限付き表現の自由」を認めている国家と言えるものである。

(日本でも、リベラル派とおぼしき人たちは、自分の価値観に合う主張はムリ筋でも同調する一方、異なる価値観のものになると、主張すること自体を否定するような傾向がある)


 1月7日にパリで起きたフランス政府創作劇の「シャルリ・エブド襲撃事件」関連でも、「表現の自由」を高らかに謳ったフランス政府が、一方で「表現の自由」をないがしろにする暴虐行為に及んだ。

 どこまでが事実なのかわからないが、フランス2ニュースは、南仏のある小学校で、「シャルリ・エブド襲撃事件」についてテロ行為を支持すると発言し黙祷も拒否した8歳の児童が、親ともども警察に呼び出され取り調べを受けたことを報じた。

 その8歳の児童が、「テロ行為の支持」ではなく「テロ行為」に及んだのなら警察が動いても異論はない。
 しかし、普遍的で崇高な人権として「表現の自由」は最大限尊重されるべきと主張している国家なら、「テロ行為の支持」発言は、批判や“教育的指導”の対象にすることはできるとしても、警察権力の取り調べの対象にすることは許されないはずである。

 「シャルリ・エブド襲撃事件」で大規模なデモンストレーションに参加したフランス国民の多数派は、政府が見せているこのような自己矛盾に気づかないのだろうか。

 「表現(言論)の自由」が大きなテーマになっている事件の渦中に「表現の自由」を踏みにじる暴挙を行ったフランス政府(オランド大統領)こそ風刺画のテーマにすべきである。


 

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コメント
 
01. 2015年2月18日 13:39:03 : LBtbDXFoS6
そういえば、フランスで「シオニズム批判」(いわゆる「ネオナチ」とかではない)をする高名な哲学者(しかも御本人はユダヤ系)の大学での講演が当局の介入で差し止めを食らったとかで議論になったとか言う話を二年か三年前くらい見たな。「言論の自由」と云っても、その「言論」の内容にもよりけりのようだ。

02. 2015年2月18日 16:29:21 : nJF6kGWndY

>脅迫・名誉毀損・個人情報暴露などに相当するものを除き、「表現の自由」(表現内容について国家権力の規制から自由)は徹底的に保障されるべき権利

人命尊重を最優先するが、テロには屈しない 

を思い出すが

結局、表現の自由など、安全保障に比べれば遥かに優先度は低いというのが世界の常識ということだな


03. 2015年2月18日 19:29:09 : k5TCg1uOpw
思想警察の濾過を通してビン詰めされた
言論の自由はフランスから西側諸国に輸
される、ということか。

04. 2015年2月18日 19:36:00 : k5TCg1uOpw
>>03 輸される→輸出される

05. 晴れ間 2015年2月18日 21:34:14 : FhUYgDFvAt2/E : xni5yVaf3k
>どこまでが事実なのかわからないが、フランス2ニュースは、南仏のある小学校で、「シャルリ・エブド襲撃事件」についてテロ行為を支持すると発言し黙祷も拒否した8歳の児童が、親ともども警察に呼び出され取り調べを受けたことを報じた。


あっしらさんって、感情的な人ですね。あまり論理的でもなければ、根拠に裏付けられた主張でもありませんよ。
この件は多数のメディアが報道しています。そして各人の主張は異なっているのです。
ルモンド紙は、弁護士や地方政治家を含む各人の主張を淡々と並べて報じています。他のメディアも同様です。判断を加えず、事実だけを淡々と報じる。一つの事実が、立場により異なって見えるのは当然です。
芥川の「藪の中」の叙述スタイルは、差別を避けるための方法になっているのかもしれません。

発端は、シャルリエブド事件の翌日、学校の教室内で子供がした発言「ぼくはシャルリには反対だ。テロリストの側に立つ」。(「ジャーナリストは殺されて当然だ」と言ったとも伝えられています。)
8歳の子供が自分の考えでそういうことを言うはずはないので、学校側は両親を呼んで、話を聞くことにしました。

本来はそこで終わるはずでしたが、父親と校長の確執が収まらなかったため、話が拡大することになったのです。
子供の父親はいわば「モンスター・ペアレント」で、その後学校側(校長)とトラブルになったため(同意を得ずに学校に何度も押しかけるなど)、校長が教育行政の役所にこの件を報告し、警察にも連絡しました。その結果、警察は「自由な事情聴取」ということで、父と子を呼んで話を聞いた、というそれだけのことです。(「取り調べ」ではありません。)

なお、警察というと日本の感覚ではびっくりしますが、日本よりも市民生活に密着しています。パスポートや身分証明書類の管轄は警察ですから、日本の県庁や市役所・区役所の役目も果たしています。

私がざっと見た感じでは、この父親が本当に信頼できるかどうかは分かりません。学校側が脅されていると感じたのも仕方ないかな、と思います。
イスラム系でフランス語も下手ですが、メディアや制度の前で本当のことを話しているか否かは分かりません。イスラムの信仰を実践している(プラティカン)ようです。
移民差別問題を専門にしている、自治体ともやりあってきた、名うての弁護士がついています。

問題となった子供は、多動児ぎみで落ち着きがなく、糖尿病です。
この家族は男の子ばかり8人の子供がいて、この子の下にさらに二人の幼児がいます。(他にも成人した娘がいます。)
この件とは別に、この家庭については、子供の虐待の報告も寄せられていて、教育行政当局は下二人の子供にも意見を聞きたかったようです。
なお、出生率向上政策のためにフランスには手厚い子供手当(家族給付金)の制度があります。8人も子供がいれば、相当の収入になるのでは、と私は想像します。

学校側、特に校長の態度に問題がなかったわけではありません。
子供に対する教育者の態度としては適切とは思えません。
子供に、テロリスト(シャルリエブドの犯人)を支持するという意見は、誰から聞いたのか、と強く問い詰めるときに、子供の頭を黒板に押し付けたようです。
この子供は、糖尿病の薬を欠くと命に関わるのですが、そのことを指摘して殺人の意味を分からせようとしたようです。これも(本当なら)、教育的配慮を欠いています。
砂場で遊んでいると、そんなところを掘っても(フランス人を殺すための)銃は埋まっていないよと言った、とも弁護士は語っています。(証拠はありません。教師自身はこの言葉を否定していますし、学校には砂場もありません。)
ただ、行政が校長を処分したという報道はありません。(国民教育大臣はモロッコ系の移民の娘ですが、学校が取った措置を支持する、と明言しています。)


あっしらさんは、安倍をリベラルと評するくらいですから、歴史修正主義に寛容な方のようですね。歴史修正主義は許されるものではありませんが、今回はその件には触れないでおきます。

それから、フランスの方が、言論も表現も、日本よりもはるかに自由ですよ。
そもそも日本人は、自分の意見を述べませんからね。自分の意見を持たないように、述べないように、子供の頃から社会の中で条件づけられています。周囲の様子を見て、自分が不利にならないように行動するのが習性になっています。
フランス人の場合は、小さい頃から、自分の意見をはっきり述べるよう躾られています。それが社会で生きていくための必須条件です。

だから、自分の意見を明白に言わない日本人は、西欧社会では相手にされず、無視されてしまうのです。それを人種差別であるかのように感じる人が少なからずいますが、それは誤りです。他とは「異なる意見」を言わない限り、誰も振り向いてくれないのがフランスです。
日常生活で、学校でも職場でも地域でも、自由に自分の意見を言えることが、表現の自由の第一歩ではないでしょうか。
そもそも自分の意見すら持てないような精神状況に国民が置かれている国には、本当の自由はないのです。
あっしらさんが安倍がリベラルだと評する背景には、そのあたりへの鈍感さがあるのではないでしょうか。

今、阿修羅にはNYTの政治漫画(風刺画)が掲載されていますが、なぜ日本人の手による風刺漫画がないのでしょうか。フランスの風刺漫画を批判する以前に、日本の状況を心配し、その異常さを認識する方がよいと私は思います。

それから、オランドの風刺画なんて、山のようにありますよ。キーワードを入れて画像検索すれば、いくらでも出てきます。


06. 2015年2月19日 10:56:07 : urxvtQOtCs
エマニュエル・トッド氏は、
事件後の私達は酔っ払いが馬鹿を言っただけで捕まり、8歳の子が(学校でのテロ称賛発言の疑いで)警察に呼ばれる国に暮らしています。国内メディアから20件ほど取材依頼がありますが、すべて断りました。何の得にもならない、心置きなく話せる環境ではないと感じるからです。...「私はシャルリー」と「私はフランス人」が同義になっている。...今風のやり方は、山ほどの言説によって真実や反対意見、隅っこで語られていることを押しつぶし、世論の主導権を握ることです。....神話を終わらせるのは、私の異見ではなく現実でしょう 
という。 (朝日新聞 2.19 オピニョン「分断される世界」インタビュー  より。)

フランスの知識人も自由な発言を躊躇するような雰囲気が生まれることのある国(フランス)なのだ。


07. 2015年2月19日 20:13:39 : LBtbDXFoS6
>>01ですが、ウソだと思われると困るので、記憶を元に何処で見たのか探してみました。
見たのはこの動画でした。

仏高等教育大臣がヘッセル招待禁止を説明
http://youtu.be/fWMdjKDIa_4

パリ高等師範学校はヘッセル支持討論会を禁止
http://youtu.be/atbJ7tCIF-M?list=PL790951AD493FA46F

上記リンクの動画では「へッセル」と言われていますが、この先生、日本語では「ステファン・エセル」とも表記されるようです。
一昨年亡くなられたそうですが、こちらに著書の映像化も。

映画『怒れ!憤れ!─ステファン・エセルの遺言─』公式サイト
http://www.moviola.jp/dofun/


08. 2015年3月09日 22:57:59 : sKC4M11dgE
>それから、フランスの方が、言論も表現も、日本よりもはるかに自由ですよ。

相変わらず晴れ間さんはフランス教信者だね。


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