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熊本地震で被害を受けた益城町の様子
首都圏大地震、30年以内に高確率で起こる!死者2万人、鉄道は1カ月停止、帰宅困難9百万人
http://biz-journal.jp/2016/08/post_16291.html
2016.08.15 文=鉾木雄哉/清談社 Business Journal
「九州は地震が少ない?」
そう考えて、東日本大震災後に熊本県に移住した人も多いという。しかし、今年4月、熊本地方を震源とする大地震が発生し、日本列島のどこでも地震が起きるということがあらためて認識された。
熊本地震では布田川断層帯と日奈久断層帯と呼ばれる活断層が震源となり、地表が約2メートルもズレたことが確認されている。活断層とは、過去に地震を発生させ、将来的にも活動すると考えられる断層のことだ。活断層が発生源となる地震は、内陸部の浅いところが震源になるため、被害が大きくなりやすい。
日本列島には、こうした活断層が周辺海域を含めて約2000カ所以上もあり、いつ大地震が起きても不思議ではない。実際、1995年に6434人の死者を出した阪神・淡路大震災も活断層によるものだ。同規模の大地震が東京23区内で発生すれば、より大きな被害が出ることが予想される。では、実際に東京で大地震が起きる可能性は、どれくらいあるのだろうか。
■M7の大地震が30年以内に首都圏で発生?
「30年以内に、かなりの高確率で首都圏大地震が起こります」
こんな衝撃的な予想をするのは、東京大学地震研究所の平田直教授だ。しかし、平田教授によれば、それは活断層によって引き起こされる地震ではないという。
「東京23区内には多くの断層がありますが、活断層は見つかっていません。調査で見落としていることも考えられますが、それはかなりまれなケース。23区内に活断層がある可能性は低いでしょう」(平田教授)
都内で確認されている活断層は、関東山地東部から武蔵野台地西部にかけて分布する立川断層帯だが、これが活動する可能性は30年以内に最大2%といわれている。それでも、熊本地震を起こした活断層での確率より高い。しかし、もっと確率の高い、注意すべき地震がある。
では、大地震はどんな発生源によって起きるのか。平田教授によると、それは「フィリピン海プレートの沈みこみに伴う地震」だという。
「相模トラフからフィリピン海プレートが沈み込むことによって大地震が起きる可能性が、かなり高い。30年以内に70%の確率で起きるでしょう。地震の規模はマグニチュード7程度と想定されています」(同)
しかも、注意しなければならないのは、これは30年後に大地震が発生するのではなく、「30年以内に関東のどこかで発生する確率」ということ。つまり、今日や明日に大地震が起きるというのも、十分にあり得ることなのだ。
■死者2万人以上、都市壊滅で大パニックか
なかでも、被害が一番大きくなると考えられているのが「都心南部直下地震」だ。内閣府はフィリピン海プレート内部で地震が起きる場合の震源地を10カ所ほど想定しているが、都心南部直下地震は都内の広範囲で震度6強の揺れが広がり、交通機関は壊滅的な状況に陥る。主要道路は1〜2日は不通になり、地下鉄は1週間、JRおよび私鉄も1カ月ほど運行を停止するため、多くの帰宅困難者が発生すると予想されているという。
「東日本大震災では、東京で352万人の帰宅困難者が出ました。もし、都心直下で地震が起きた場合、帰宅困難者は940万人を超えると予想され、混乱が収まった後でも500万人規模の帰宅困難者が発生するでしょう」(同)
災害時に都民が逃げ込む「避難所」は、その地域に住んでいる人が避難するためのものであり、仕事や観光で訪れている人が避難することは想定されていない。そのため、避難所に入れず、行き場のなくなった帰宅困難者が駅や路上にあふれ返り、パニックはさらに広がっていく。
そして、そこに襲いかかるのは都市部ならではの大火災だ。
「震災では、火災による被害が一番大きいんです。大規模な火災が発生すると、炎が渦を巻いて移動する『火災旋風』が起こり、被害が拡大します。内閣府によると、震災での死者は最大2万3000人と想定されていますが、その約7割の最大1万6000人が火災で亡くなるとしています」(同)
首都圏に活断層がないとしても、30年以内に大地震が起きる可能性は高い。しかも、こうした被害予測は、あくまでも「想定の規模の地震」という前提にすぎない。平田教授は「『想定以上のことが起こり得る』というのが、東日本大地震の教訓です」と語る。
東日本大震災や熊本地震
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