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「「熊本・大分大地震の今後はどうなる!?」高橋学氏のインタビュー:岩上安身氏」
http://sun.ap.teacup.com/souun/20096.html
2016/5/30 晴耕雨読
https://twitter.com/iwakamiyasumi
これより、2016年5月16日に行われた、岩上安身による立命館大学環太平洋文明研究センター教授・高橋学氏のインタビュー「熊本・大分大地震の今後はどうなる!?」を報告ツイートします。
岩上安身(以下、岩上)「4月14日、16日に熊本県に大地震が発生。『14日が前震、16日は本震』と報じられましたが、両方とも本震ではないかとも言われています。1ヵ月が経って余震は今も続いていますが、急速に情報がなくなってきました」
岩上「前回、高橋先生には4月17日にインタビューさせていただきました。その時、『熊本大地震が引き金では南海トラフは動かない。しかし、南海トラフは周期的に必ず動くので、今回はその予兆の可能性がある』とおっしゃいました」
高橋学氏(以下、高橋氏)「私は、3月から鹿児島と熊本に何度も調査に行っていました。ユーラシアプレートに乗る西日本全体が圧縮され、火山噴火が増加していたからです。琉球列島から九州、日本海側にかけて火山が活発に動き始めている」
高橋氏「今回の地震は、突然起きたのものではありません。熊本の人たちは『ここは地震がない土地』と言いますが、阪神淡路大地震が起きた近畿の人もそう言っていた。実は地震多発地帯で、以前から熊本地方でも地震が起きていたのです」
高橋氏「人々が西日本は地震は少ないと思い込んで、現実に目を向けていないことも大きな問題です。関東大震災当時から、皆さん(地震は東日本で起きると)大きな誤解をしている」
岩上「奈良や京都の人たちは、地震は関係ないと……」
高橋氏「それは間違いです。地震には内陸直下型とプレート型(トラフ型)があり、確かにプレート型は、奈良、京都での被害予想は少ない。しかし、奈良や京都は内陸直下型地震の危険があるのです」
高橋氏「(2016年)4月7日〜5月7日の地震発生状況ですが、熊本も連なる中央構造線に沿って、愛知、奈良、豊後水道で地震が起きている。室戸岬でも。また、淡路島から神戸、岡山でも地震が発生。これは内陸活断層が動いたものです」
高橋氏「1月28日〜5月7日の100日間のデータだと、地震は1046回発生。熊本では1月12日あたりから起き始め、M6.5が紀伊半島沖で発生。次の地震の準備が始まっていると思われます。実は、日本でM7の地震は決して珍しくありません」
高橋氏「1904年から、日本ではM7の大地震が5年ごとに3回起き、台風の上陸回数より多い。フィリピン海プレートがユーラシアプレートを押し上げ、太平洋プレートが東から北米プレートを押すので、関東・中部・近畿に活断層が多いのです」
高橋氏「南海トラフは琉球海溝につながるので、先日の台湾の地震も日本と無関係ではない。これまで太平洋プレートは南から年に4cm、東から年に10cm動いていたが、東日本大震災の後、太平洋プレートの速度は年30〜40cmに上がった」
高橋氏「今まで私たちは、北米プレートと太平洋プレートの動きで東日本の地震を語り、フィリピン海プレートとユーラシアプレートの関係から西日本の地震を語ってきました。しかし、それではいけない、となりました」
高橋氏「新しい見解では、ユーラシアプレートと北米プレートがぶつかり合い、北米プレートの下にはフィリピン海プレートが東京湾あたりで潜り込んでいる、と。その影響で、西之島新島(2013年)や三宅島で今も噴火が起きています」
高橋氏「そして、いずれ起きると言われる首都圏直下地震は、プレート型か活断層型か、定義されていない」
岩上「1回ではなく、種類が違う地震が何回も起きる可能性がある?」
高橋氏「はい。揺れ方が違うので、被害の大きさも違います」
高橋氏「立川断層の地震は内陸直下型で、家は一瞬で潰れます。プレート型は家は倒れにくいが、津波に襲われます」
岩上「先生は前回、東京湾で大きな津波が来なくても、荒川や霞ヶ浦などの水域が水浸しになる、とおっしゃいましたね」
高橋氏「旧利根川筋、荒川水系に津波が遡上する危険がある。そして、フィリピン海プレートと北米プレートの接点が多摩川付近にあるのです」
岩上「都心から多摩川までは高級住宅地です。巨大プレートの境界上にあるなんて知らなかった」
高橋氏「最近わかってきたことです。もし、プレート型の首都直下型地震が起きると津波が多摩川を遡上、被害は成城付近にも及びます」
岩上「東京都の立川断層の被害想定は1種類、地震は1回で収まる前提ですが、複数の想定が必要ですね」
高橋氏「2008年6月14日に岩手宮城内陸地震(M7.2)があり、3年後にプレート型の東日本大震災が起きた。今回の熊本・大分大地震は岩手宮城内陸地震に似ているので、南海トラフ地震は30年後ではなく、数年以内に来るかもしれません」
高橋氏「フィリピン海プレートの境界では、すでに地震が起き始めている。2004年10月23日の中越地震では、1ヵ月前から予兆の小さな地震が多発していた。だから、ある程度の予想はつく。心構えの有無で、被害のありようは違うでしょう」
高橋氏「中越地震では、山古志村で大きな地滑りが起きました。傾斜地の棚田を人工池に作り替えたのが誘因でした。人間は地震を止められないが、地震があることを前提に土地利用をして、災害を小さくすることはできるのです」
高橋氏「今までバラバラに捉えていた内陸直下型地震、火山の噴火、プレート型地震を、ひとつながりの現象だと考えるようになりました。断層を動かす力は、別のプレートにある。プレートが押されて断層ができる。次に火山が噴火する」
高橋氏「今回の地震をきっかけに阿蘇山が大爆発するのでは、と懸念する声も出ましたが、阿蘇山は2015年3月〜4月の方が活発でした。今、阿蘇山のマグマ溜まりはほとんどカラなので、大爆発はありません」
高橋氏「プレートの力が加わり続けると内陸直下型地震やプレート型地震が起こる。地震で摩擦が減り、プレートはどんどん沈み込み、大量のマグマが生成されて、次にアウターライズ地震や火山の巨大爆発が起こる。今、東日本はこの状態」
高橋氏「東日本ではマグマが溜まっていて、巨大噴火がいくつも起こります。新潟焼山の噴火も、その影響でしょう。今、一番心配されているのが北朝鮮と中国の国境の白頭山です。9〜10世紀に大爆発し、渤海という国の凋落をダメ押しした」
高橋氏「今、アメリカや中国が白頭山の観測を始めています。白頭山が大爆発すると火山灰が覆い、地球は数年間、寒冷化すると言われています。爆発は、韓国の済州島の火山の可能性もある。韓国にも活断層はたくさんありますから」
岩上「TPPで食料自給ができなくなる上に、大きな天災が起きたら飢餓になります」
高橋氏「火山爆発は冷害を引き起こし、食糧不足になる。先進国の中で、韓国と日本ぐらい食料自給率の低い国はない。日本を滅ぼすのにミサイルは要りません」
高橋氏「環太平洋は災害に弱い。このエリアの地震は、バヌアツ、パプア・ニューギニア、フィリピン東沖、熊本、カムチャッカ、アリューシャンなど、皆一緒に動いています。日本のマスコミは、環太平洋という大きな視点が欠けています」
高橋氏「今の熊本と同様、バヌアツでも地震は頻繁に起きている。太平洋プレート、インド・オーストラリアプレート、フィリピン海プレート、北米プレート、ユーラシアプレート、みんな押し合っている状態です」
岩上「相互関係にあるんですね」
高橋氏「次に気をつけるべきなのは、東日本なら火山の巨大噴火と、プレートが伸びてちぎれるアウターライズ地震。これは津波を引き起こす。長くて37年後、近くて8年後です。そろそろアウターライズ地震を意識しなければなりません」
岩上「一番怖いのは福島第一原発です。3.11ではギリギリセーフだったが、使用済み核燃料もたくさんある。浜岡原発も」
高橋氏「反原発派の方々も原発停止後のことはあまり気にしませんね。完全な廃炉技術は、世界にまだありません」
高橋氏「イギリスで、非営業の小さな原発の廃炉作業をしていますが、放射線量が高すぎて100年放置するしかないそうです。ですから、原発の稼働をストップさせても安心ではないのです。原発は、製造費の何百倍もの廃炉費用がかかります」
岩上「阿蘇山の火口でエメラルドグリーンの湖が喪失していると、週刊プレイボーイ誌がドローンを飛ばして発見しました。大丈夫でしょうか」
高橋氏「私が2016年1月にヘリで上空から見た時、このエメラルドグリーンの水はありませんでした」
高橋氏「ですから、今回の地震の影響ではないと思います。人工衛星の観測でもわかるはずです。今回、益城町や熊本市は固い溶岩台地の上ではなかったので、被害が増大しました。溶岩台地は水がないので、人間は住むのを避けてしまうのです」
高橋氏「崖の縁や低地は、地盤が柔らかいので倒壊しやすい。避難所や食料備蓄も固い地盤の上にすべきです。津波の場合は上に逃げるのが原則ですが、3階建てくらいでは役立ちません。高層マンションなどはいいが、外部の者は入れない」
高橋氏「今、九州で揺れているのは中央構造線ですが、マスコミは小さな断層の名前で呼んでいます」
岩上氏「情報操作ですね。川内原発は地盤が悪く、建設前のボーリング調査ではコアサンプルをすり替えたと請負業者が国会で証言しました」
高橋氏「歴史を見ると、1596年9月1日に慶長伊予地震、9月4日に慶長豊後地震、9月5日に慶長伏見地震と3連発しています。もし、南海トラフ地震が起きたら、3連発どころか4連発。台湾や東京にも連動するでしょう」
高橋氏「大阪の河内平野は、江戸時代に大きな池を埋め立てた人工地盤です。昭和40年頃から地下水汲み上げで地盤沈下したので、津波の危険性があります。また、高潮と津波は違うので高潮堤は役に立たない。地方議員たちは勉強不足です」
高橋氏「中央構造線上の佐多岬には伊方原発があり、津波による非常用電源喪失が一番の懸念です。また、慶長伏見大地震を起こした有馬・高槻構造線上には、川西市庁舎がある。また、京都も奈良も活断層に囲まれた盆地です」
高橋氏「南海地震では、京都や奈良に津波は到達しないが、直下型地震で家屋は倒壊してしまいます。木造家屋が多いので火事も起きる。古いお寺の仏像には指先などが燃えた痕跡がよく見つかりますが、当時の僧侶が火災から守った印です」
高橋氏「首都圏では上野、東京、有楽町、銀座、品川など、東京の東側は水没します」
岩上「東京の都心部はデコボコしています。かつての地震では、低いところは水が出たりして危険だが、山の手などは安全だったと聞きますが」
高橋氏「関東大震災の時、大邸宅が多い山の手は一軒あたりの敷地が広かったので被害は少なかったのです。あまり知られていませんが、関東大震災では横浜と房総半島の被害が甚大です。『横浜大地震』と言う方が正しいでしょう」
高橋氏「名古屋では、名古屋駅、熱田神宮、野並など東海道線の東側は水没する。2010年2月、南米チリのマウレ地震はM8.8、津波30m。2011年6月にはプジェウエ・コルドン・カウジェ火山が、2015年3月にビジャリカ、4月にカルブコが爆発」
高橋氏「ですから、東日本も安穏としていられません。西日本も同様。日本は災害列島です」
岩上「新潟焼山も動き、アウターライズ地震の可能性もある。野ざらしの福島第一原発では、汚染水も除染廃棄物も津波でさらわれてしまう」
高橋氏「海洋の動きはかなりわかっている。カナダ沿岸で3.11の遺留品が拾われて返還されたが、美談ではなく放射能汚染の実態です」
岩上「オリンピック誘致で、汚染水はコントロールされていると言った安倍総理は責任を問われます」
岩上「福島第一原発の処理は、アウターライズ地震をまったく考慮していない。防潮堤もなく、設備も貧弱。政治家も電力会社も認識が甘い。この後はリニア新幹線の話題に移りますが、内容が衝撃的なので会員限定公開にさせていただきます」
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