気象庁課長 観測史上、例がない事象を示唆
毎日新聞2016年4月16日 11時20分(最終更新 4月16日 12時54分) 自然災害 気象・地震 速報 社会 熊本地震:被害拡大 必死の救助活動が続く益城町14日夜の最初の地震で最も大きな揺れを観測した熊本県益城町。16日午前1時25分ごろ、熊本県熊本地方で発生した最大震度6強の地震は、14日以降に続く地震の「本震」と気象庁から発表された。この地震で、益城町ではさらに被害が拡大。倒壊する建物が増え、閉じ込められた人たちの救助活動が続いている。多くの住民が避難している保健福祉センターでは炊き出しも行われた。【撮影・後藤由耶、原田悠自】毎日ことば90秒:出身地はどこ? 自己紹介をする機会が多い季節です。自分の出身地を聞かれたら、どう答えますか? 新聞に登場する言葉をわかりやすく解説する「毎日ことば90秒」、25回目は、毎日新聞東京本社校閲グループの平山泉デスクが、「出身」をめぐる悩ましい気持ちを打ち明けます=隔週土曜朝更新。熊本:真夜中の震度6強の地震 阪神大震災と同規模気象庁は16日、同日午前1時25分ごろに熊本県熊本地方で発生した最大で震度6強の地震について、地震の規模を示すマグニチュード(M)を7.1から7.3に訂正した。マグニチュード7.3は、1995年1月17日に発生した阪神大震災と同じ規模。熊本市内では倒壊した店舗兼住宅から夫妻が救出された。【撮影・後藤由耶】熊本地震:真夜中に震度6強の地震が新たに発生16日午前1時25分ごろ、熊本県熊本地方を震源とする最大震度6強の地震があった。【撮影・後藤由耶】空撮:小型無人機「ドローン」で見た熊本県益城町の被災地(共同通信) 小型無人機「ドローン」で熊本県益城町の被災地を撮影した。【共同通信】熊本地震:炊き出しや風呂の提供始まる熊本地震で被害が大きかった同県益城町の保健福祉センターは避難所となり、被災者にボランティアらが炊き出しを行い、自衛隊による風呂の提供も始まった。【撮影・後藤由耶】女子マラソン:野口みずき選手が引退記者会見(共同通信)2004年アテネ・オリンピックの女子マラソンで金メダルを獲得した野口みずき選手が15日午後、神戸市内で記者会見を開き、現役引退を正式に表明した。【共同通信】熊本地震:震度7を記録した益城町の現場は14日夜の熊本地震で震度7を記録した同県益城町に入ると、倒壊した家屋などが無残な姿を見せていた。【撮影・後藤由耶】注目ニュース90秒 熊本地震の特徴 熊本県で14日発生した熊本地震は、15日正午までに余震回数が120回を超えた。熊本地震にはどんな特徴があるのか、なぜ余震が多いのか、火山活動とは関係があるのか。科学環境部の中西拓司デスクに聞いた。 空撮・熊本地震:南阿蘇で大規模崩落相次ぐ 0:00 / 1:21 [PR] 熊本、阿蘇、大分へと北東方面に拡大していく地震現象に 気象庁の青木元(げん)地震津波監視課長は16日午前の記者会見で、熊本、阿蘇、大分へと北東方面に拡大していく地震現象について「広域的に続けて起きるようなことは思い浮かばない」と述べ、観測史上、例がない事象である可能性を示唆。「今後の(地震)活動の推移は、少し分からないことがある」と戸惑いを見せた。 【写真特集】こんな土砂崩れ見たことがない <阪神大震災と同規模>新たに13人死亡、死者22人に また、14日の最大震度7の地震を「前震」と捉えられなかったことについて、「ある地震が発生した時に、さらに大きな地震が発生するかどうかを予測するのは、一般的に困難だ」と述べた。 熊本地方などを含む九州北部一帯は低気圧や前線の影響で、早い所で16日夕方ごろから雨が降り始め、16日夜から17日明け方にかけては広い範囲で大雨が予想されている。青木課長は「揺れが強かった地域は土砂災害の危険が高い。さらに雨で(地盤が)弱くなっている可能性があるので注意をしてほしい」と呼びかけた。【円谷美晶】 http://mainichi.jp/articles/20160416/k00/00e/040/246000c 熊本で未明にM7.3、九州で強い地震続く 死者24人に 2016年4月16日13時30分 4月16日未明、熊本市付近を震源とするマグニチュード(M)7.3の地震が発生した。写真は15日早朝、倒壊した住宅から救出された生後8か月の赤ちゃん。熊本県警提供(2016年 ロイター) [PR] [東京 16日 ロイター] - 14日夜から強い地震が続く九州地方で16日未明、熊本県を震源とするマグニチュード7.3の地震が発生した。建物の倒壊やトンネルの崩落、土砂崩れによる生き埋めなど広範囲で被害が出ており、NHKによると同県内で16日未明以降の死者は15人、14日以降の死者は計24人となった。 大分県を震源とする地震も観測。政府は自衛隊などの大幅増派を決めた。 気象庁によると、16日午前1時25分ごろ、熊本地方を震源とする強い地震が発生した。最大震度は熊本市内の東区や西区、菊池市などで6強を観測した。14日夜に起きた最大震度7、マグニチュード6.5の地震よりも規模が大きく、同庁は会見で「今回の地震が14日以降発生した地震の本震と考えられる」とした。マグニチュード7.3は1995年の阪神・淡路大震災と同じ規模。 16日午前1時44分ごろにも震度6弱の揺れを観測するなど、その後も熊本県の熊本地方と阿蘇地方では地震が多発、さらに大分県西部と中部を震源とする地震も起きている。大分県由布市では午前7時過ぎに震度5弱の揺れを観測した。道路や家屋、トンネルが崩れたほか、午前9時48分ごろに熊本地方で起きた地震では熊本城の石垣の一部が崩れた。 NHKによると、熊本県と大分県では震度3以上の地震が16日午前11までに69回発生。NHKは警察や病院の情報として、熊本県内で16日未明以降の死者は15人、14日以降の死者は計24人となったと伝えた。16日正午すぎに会見した菅義偉官房長官によると、政府はこれまでに死者15人、負傷者1500人、うち重傷者80人を確認した。 <阿蘇山が小規模噴火> 菅官房長官は16日早朝の会見で、家屋やアパートの倒壊、土砂崩れ、トンネル崩壊が起き、生き埋め23件、閉じ込め53件が発生していることを明らかにし、「広い範囲で甚大な被害が出ている」と語っていた。 共同通信によると、熊本空港のターミナルビルの天井の一部が崩落。同ビルは16日いっぱい閉鎖され、同空港を発着する便は全て欠航となった。阿蘇山で小規模な噴火も確認されたが、気象庁は地震との関連は不明としている。 さらに熊本県西原村の大切畑ダムの堤防から大量に水が漏れているとして、同村は約300世帯に避難指示を出した。決壊はしていないという。同県南阿蘇村では道路の土砂崩れで孤立した地区があり、自衛隊や消防などが救出作業をしている。 これまで2000人が派遣されていた自衛隊は、16日中に1万5000人、17日以降はおよそ2万人に体制を増強する。警察も全国から1000人を追加派遣して2800人体制に、消防も1338人体制を倍増する。 原子力規制員会は、全国で唯一稼働中の川内原子力発電所(鹿児島県薩摩川内市)、停止中の玄海原発(佐賀県東松浦郡)と伊方原発(愛媛県西宇和郡)に異常は確認されていないと発表した。 気象庁は「引き続き最大震度6弱の余震が1週間程度は考えられる」と警戒を呼びかけている。16日夜から17日にかけ、九州北部で大荒れの天気になる恐れがあるとしている。 *内容を追加して再送します。 (久保信博 編集:田巻一彦) http://www.asahi.com/international/reuters/CRWKCN0XC2KR.html
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