http://www.asyura2.com/15/jisin21/msg/121.html
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http://blogs.yahoo.co.jp/taked4700/13480317.html
桜島の本格噴火は少なくともあと10年は起こらないはず。
南海トラフ巨大地震と三陸沖大地震、及び富士山と桜島の噴火の年表を作ってみます。
ウィキの「南海トラフ巨大地震」( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%97%E6%B5%B7%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%95%E5%B7%A8%E5%A4%A7%E5%9C%B0%E9%9C%87 )、
「三陸沖地震」( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E9%99%B8%E6%B2%96%E5%9C%B0%E9%9C%87 )
「富士山の噴火史」( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%8C%E5%A3%AB%E5%B1%B1%E3%81%AE%E5%99%B4%E7%81%AB%E5%8F%B2 )から、南海トラフ巨大地震と三陸沖大地震及び富士山噴火を選び出し、年代順に並べます。なお、三陸沖巨大地震についてはM8以上、富士山噴火については大規模と思えるもののみをあげてあります。
桜島噴火については、気象庁の「桜島 有史以降の火山活動」( http://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/fukuoka/506_Sakurajima/506_history.html )から大規模と思われる噴火のみを選び出しました。なお、「歴史時代に入ってからは、天平宝字(764年)、文明(1471年)、安永(1779年)、大正(1914年)と4回の大噴火を起こし、そのたびに島は形を変えてきました。」( http://www.sakurajima.gr.jp/sakurajima/001318.html )という記述もあります。
482年富士山噴火
684年白鳳地震
764年桜島 マグマ水蒸気噴火→マグマ噴火
781年富士山噴火
800−802年富士山噴火
864年富士山噴火
869年三陸沖大地震(貞観地震)
887年仁和地震
937年富士山噴火
950年頃桜島 マグマ噴火
1083年富士山噴火
1096/1099年永長・康和地震
1200年頃桜島 マグマ噴火
1200年南海トラフ地震
1361年正平(康安)地震
1471〜76(文明3〜8)年桜島 マグマ噴火
1498年明応地震
1511年富士山噴火
1605年慶長地震
1611年三陸沖大地震
1707年富士山噴火
1707年宝永地震
1779〜82(安永8〜天明元)年桜島 マグマ噴火
1793年三陸沖大地震
1854年安政地震
1896年三陸沖大地震
1914(大正3)年桜島 マグマ噴火
1933年三陸沖大地震
1944/1946年昭和地震
1968年三陸沖大地震
2011年三陸沖大地震(東北地方太平洋沖地震)
桜島噴火は6回、富士山噴火は8回、三陸沖大地震は7回、南海トラフ地震は10回です。
関連があるかないかを判定する基準として30年間以内に起こっているかどうかを使うことにすると、関連があるのは次の11個の組み合わせです。
1.764年:桜島 マグマ水蒸気噴火→マグマ噴火
781年:富士山噴火
2.781年:富士山噴火
800−802年:富士山噴火
3.864年:富士山噴火
869年:三陸沖大地震(貞観地震)
887年:仁和地震
4.937年:富士山噴火
950年頃:桜島 マグマ噴火
5.1083年:富士山噴火
1096/1099年:永長・康和地震
6.1200年頃:桜島 マグマ噴火
1200年:南海トラフ地震
7.1471〜76年:桜島 マグマ噴火
1498年:明応地震
1511年:富士山噴火
8.1605年:慶長地震
1611年:三陸沖大地震
9.1707年:富士山噴火
1707年:宝永地震
10.1779〜82年:桜島 マグマ噴火
1793年:三陸沖大地震
11.1896年:三陸沖大地震
1914年:桜島 マグマ噴火
1933年:三陸沖大地震
1944/1946年:昭和地震
1968年:三陸沖大地震
以上の組み合わせのなかで、噴火だけの組み合わせは次の3つです。
1.764年:桜島 マグマ水蒸気噴火→マグマ噴火
781年:富士山噴火
2.781年:富士山噴火
800−802年:富士山噴火
4.937年:富士山噴火
950年頃:桜島 マグマ噴火
富士山と桜島でどちらの噴火が先になるかは、上のデータからは言えません。
次に、地震だけの組み合わせは、次の一つだけです。
8.1605年:慶長地震
1611年:三陸沖大地震
地震だけの組み合わせはこの一つですから、大地震が起こった場合は、普通、噴火が一緒に起こることが大部分だと言えるはずです。
残りの7つの組み合わせは噴火と地震が30年の期間内に起こっているものです。この中に何らかの傾向があるのでしょうか。
3.864年:富士山噴火
869年:三陸沖大地震(貞観地震)
887年:仁和地震
5.1083年:富士山噴火
1096/1099年:永長・康和地震
6.1200年頃:桜島 マグマ噴火
1200年:南海トラフ地震
7.1471〜76年:桜島 マグマ噴火
1498年:明応地震
1511年:富士山噴火
9.1707年:富士山噴火
1707年:宝永地震
10.1779〜82年:桜島 マグマ噴火
1793年:三陸沖大地震
11.1896年:三陸沖大地震
1914年:桜島マグマ噴火
1933年:三陸沖大地震
1944/1946年:昭和地震
1968年:三陸沖大地震
明確に分かるのは、噴火があってから地震が起こっていることです。地震が先行しているのは11.の例だけであり、1896年:三陸沖大地震、1914年:桜島マグマ噴火となる組合せだけです。しかも、1914年:桜島マグマ噴火の後に三陸沖と南海トラフ地震が発生しています。
この現象は、海洋プレートの沈み込みによってマグマが発生し、かつ、海洋プレートからの圧力でマグマだまりが押されることで噴火が発生すると仮定すると、よく説明できます。火山の専門家の方も、そういった説明をされていると思います。
では、現状はどうでしょうか。2011年に東北地方太平洋沖地震が起こりました。この地震によって東北地方のある北アメリカプレートは太平洋プレートからの圧縮力から解放されて、東側に大きく拡張しました。また、太平洋プレートは北アメリカプレートとの間の大きなかみ合いが破壊され、沈み込み活動が活発化しました。
富士山も桜島もフィリピン海プレートの沈み込み活動に従って形成された火山ですから、太平洋プレートの沈み込みが活発化してもあまり影響を受けません。ただし、富士山は太平洋プレートの沈み込みの先端部分にありますから、間接的には影響を受けるはずです。また、東北地方太平洋沖地震の余震、誘発地震などが富士山周辺で起こり、その影響を受けることがあります。
フィリピン海プレートの沈み込み活動は、太平洋プレートの沈み込みの活発化の影響を受けるのでしょうか。西之島の活発な噴火活動を見れば分かるように、太平洋プレートはフィリピン海プレートの下へ、東から西へとかなりのスピードで沈み込んでいます。これは、基本的にフィリピン海プレートを東から西へ押すことになります。同時に、急激に太平洋プレートの沈み込みが活発化したことで、フィリピン海プレートの先端部が下側へ巻き込まれ、沈み込みの始まる部分でアウターライズ地震が起こりやすくなります。これは、厚みのある板を曲げると、曲げの外側に亀裂が入る現象と同じです。
西日本はユーラシアプレート、より正確に言えばユーラシアプレートの一部であるマイクロプレートのアムールプレートの上にあります。アムールプレートは中部地方あたりで関東地方や東北地方がのっている北アメリカプレートにぶつかっています。2011年の東北地方太平洋沖地震で北アメリカプレートは東側に大きく伸展しましたから、北アメリカプレートからのアムールプレートへの圧力も一時的に減少したはずです。このことは、2011年の年初、新燃岳や桜島の噴火活動が活発化しまし、その後、311の大地震が発生したことからも分かります。つまり、311の大地震発生直前は、北アメリカプレートが太平洋プレートから受ける圧力が極大化していたはずであり、その結果、北アメリカプレートからアムールプレートへの圧力も大きくなり、それが新燃岳や桜島のマグマだまりを圧縮するように働き、結果として噴火活動が起こったと解釈できるからです。実際、311の大地震が発生した後はあまり噴火活動は起こっていません。11月5日現在で桜島での空振を伴う噴火は既に50日程度発生していません。
フィリピン海プレートは、日本付近では、基本的に北西方向に動いている様子ですが、多少、動く方向に変動がある様子です。
2011年の大地震である東北地方太平洋沖地震の前回版である貞観地震では、桜島噴火が起こった様子がありません。
桜島が大規模噴火を起こす条件として、地下からマグマが上昇してきてマグマだまりにあるマグマの量が増加することと、マグマだまりが周囲から押されてマグマの圧力が上昇すること、そして、マグマが揺さぶられてマグマ内部の水分がガス化することの三つがあると仮定してみます。
マグマが発生するためには、海洋プレートが地下深くへ沈み込む必要があります。ところが、フィリピン海プレートはあまり沈み込み速度が速くない様子です。太平洋プレートが東北地方へ沈み込む速度が年に8cm程度であるのに対し、フィリピン海プレートが西日本の地下へ沈み込む速度は年に4cm程度であると言われています。沈み込み速度とマグマの発生量は必ずしも比例しないのかも知れませんが、マグマの発生にはプレートが地下深くへ運び込む水分量と関連があるとされていますから、ある程度比例関係にあると考えていいはずです。
噴火が起こるための第2の条件は、マグマだまりが周囲の地層から押されてマグマだまりの容積が減少し、結果的にマグマの圧力が高まることです。これについて、桜島に関連のあるプレートは、アムールプレートとフィリピン海プレートです。アムールプレートは、2011年の東北地方太平洋沖地震で東日本からの押す圧力が減少した結果、桜島付近については、アムールプレート内部の圧力は減少していて、地盤は却って緩む傾向にあるようです。フィリピン海プレートについては、1944年から1946年にかけて起こった昭和東南海地震や昭和南海地震から既に70年程度経過していますから、フィリピン海プレートからの圧力はかなり強くなっていることが確実です。しかし、南海地震と桜島噴火の関係を見てみると、上に挙げた南海トラフ地震10回のうち、桜島噴火が30年程度の内に起こっているのは次の3回のみです。
(ア)1200年頃の桜島噴火と南海トラフ地震
(イ)1471年から1476年の桜島噴火と1498年の明応地震
(ウ)1914年の桜島大正大噴火と1946年の昭和南海地震
注目するべきは、この3組では、三陸沖地震が起こっていないことです。つまり、三陸沖地震が起こると、アムールプレートの桜島付近の圧力が低下するため、桜島は大噴火に至らないと言うことではないでしょうか。
噴火するための三番目の条件であるマグマだまりが揺すられることですが、これは海溝型大地震の前兆現象として、火山の近辺でM6からM7程度の地震が起こることです。ところが、桜島大正大噴火では噴火が始まってからM7級の地震が起こっています。つまり、桜島の噴火にはこの三番目の条件はあまり関係がないのです。実際、過去の南海トラフ地震10回のうち、桜島噴火が起こっているのは、既に述べたように3回だけです。
フィリピン海プレートは、台湾付近でユーラシアプレートの上に乗り上げています。つまり、フィリピン海プレートの沈み込みは台湾付近で明確にブレーキがかかっているわけです。これがフィリピン海プレートの沈み込みで発生する大地震が基本的に静岡県から高知県の沖合いに限定されている理由のはずです。基本的とするのは、日向灘から奄美大島、沖縄に至る地域でも大地震が発生することがあるためです。ただ、頻度的には南海地震などと比べるとずっと少ないようです。
九州の火山は、九州を南北に縦走するように位置しています。これは、九州の東側からフィリピン海プレートが九州の地下へ沈み込んでいるためで、一般に海洋プレートが地下150キロ程度の深さになったところの真上に火山が発達するとされています。フィリピン海プレートの東半分、つまり、四国の南方にある部分は、伊豆小笠原海嶺の東側から太平洋プレートが沈み込み、その結果、伊豆小笠原海嶺の西側の地下でマグマが生成され、その上昇により海底が割れて広がったことで出来た様子です。つまり、三重県あたりに扇の根元を、扇のあおぐ部分を伊豆小笠原海嶺に沿って置いて、そこから西へ扇を徐々に広げるような形で四国沖のフィリピン海プレートが形成された様子です。これが、近畿地方に火山がない理由である様子で、同様にこのあたりで深発地震がほとんど発生しない理由でもあるようです。四国に火山がないのは、フィリピン海プレートの沈み込みがまだ浅いからでしょう。ただ、深発地震に関連して、土佐県沖から北方へ、そして、宮崎県沖から西方へ、フィリピン海プレートが沈み込んでいるのは事実なので、沈み込んだ結果、どこへ消えてしまっているのかがよく分かりません。ひょっとすると、まだ、深発地震を起こすほど深く沈み込んでいないという意味なのかも知れません。
最後に繰り返しますが、大正噴火レベルの桜島の大噴火は今後10年程度は少なくとも起こるようには思えません。2011年の東北地方太平洋沖地震の前に新燃岳とか桜島の噴火が活発化したのは、北アメリカプレートが太平洋プレートから押されて、その西側への圧力が極大化したために、桜島付近のアムールプレートの圧力が大きくなり、そのためマグマだまりを圧縮する力が大きくなったからでしょう。東北地方太平洋沖地震発生後は、その圧力が却って減少傾向にあり、桜島付近では正断層型の地震が発生しています。つまり、マグマだまりの容積が却って大きくなる傾向があり、噴火活動は沈静化しています。今後、南海地震の発生が切迫してきた段階で、つまり、後10年程度経過したときは、フィリピン海プレートによるマグマだまり圧縮の効果が出てきて噴火に至る可能性があります。ただ、大正噴火レベルの大噴火は貞観地震の様な大きな三陸沖大地震が起こってから数百年後、つまり、南海トラフ地震が数回起こってから発生する傾向がある様子です。また、カルデラ全体が噴火するような破局的噴火はまだまだのはずです。
2015年11月06日15時25分 武田信弘
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