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睡眠不足が人間関係を壊しかねない理由
他人の微妙な表情が読み取りにくくなるうえ、感情表現が貧弱になる
寝不足であれば他人の表情を読み取りにくくなる(英語音声、英語字幕あり) Photo: Getty
By ANDREA PETERSEN
2016 年 9 月 14 日 10:47 JST
睡眠不足がいかに心の平穏を乱すかについて、科学者らは新たな洞察を得ている。
寝不足であれば他人の表情、特にその微妙な動きを読み取りにくくなることが分かってきた。寝不足の人は例えば、配偶者がイライラしているのか落ち着いているのかを区別しにくいという。
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また、睡眠を十分に取らなければ感情表現が貧弱になり、例えば何かが面白いと感じても笑顔が少なくなる。科学者らは神経画像から、睡眠不足が引き起こすだろう感情の起伏に関連すると見られる脳の活動パターンを発見した。
「十分な睡眠を取っていない場合、情緒の安定性ほど早く深く乱されるものはあまりない」と、カリフォルニア大学バークレー校のマシュー・ウォーカー教授(神経学・心理学)は指摘する。疲労による誤認や間違いが人間関係を台無しにすることさえあるのだ。
一般的に、専門家らは健康な成人で1日に7時間から9時間の睡眠を取るよう勧めている。だが米疾病予防管理センター(CDC)が2014年に44万4000人以上を対象に実施した調査結果によると、米国では成人の3分の1以上が平均で7時間未満の睡眠しか取っていない。5時間以下しか寝ていないと答えたのは、全体の12%近くに上った。
ドイツの脳科学誌「エクスペリメンタル・ブレイン・リサーチ」に掲載された2014年の研究では、健康な49人のヤングアダルトが2つのグループに分けられた。一方のグループは寝ずに夜を明かし、もう一方は通常の睡眠を取ってもらった。
その翌日、被験者には感情表現の度合いが異なるさまざまな顔写真が提示された。寝不足のグループに属する人々は全ての顔写真で感情を読み取るのが格段に遅く、悲しい顔を正確に読み取ることがあまりできなかった。
別の研究によると、特に微妙な表情の場合、寝不足の人は怒った顔と幸せな顔を区別するのが困難になる。睡眠不足に関する研究の多くでは、被験者が眠れないのは一晩だけだ。ただ、慢性的に睡眠が足りていない現実世界での経験にもこの結果が当てはまるだろうと科学者らは述べている。
ペンシルベニア大学ペレルマン医学大学院で睡眠について研究しているナムニ・ゴエル氏は、睡眠不足が公共の安全に影響を及ぼす可能性があると話す。軍人や警察官には、正確に他人の顔の動き(そして動機)を読み取らねばならない場面が多いと同氏は指摘する。
同大学院精神医学部のデビッド・F・ディンジス教授は、寝不足の人がささいなことに過剰反応しやすくなる科学的な証拠をつかんでいる。
ディンジス氏は2012年に同僚たちと行った実験で、片方のグループには眠らずに夜を明かしてもらい、もう一方には普段通り睡眠を取ってもらった。翌日、被験者は数学問題など一連のタスクをこなした。問題には簡単なものも難解なものもあった。ディンジス氏らは被験者からタスクの成果についてフィードバックを受けた。それにはポジティブなものもネガティブなものも含まれていた。
難解な問題を終了した後、両方のグループからストレスがたまるとか、イライラするとか、不安になるとか、気が重くなるといったネガティブな意見が返された。一方で簡単な問題を終了した後は、寝ていない被験者は睡眠を取った人よりも高いストレスや怒り、不安にさらされていたことが分かった。
ディンジス氏は「寝不足はストレスを感じる敷居を低くする。感情面でストレスに対処しにくくなる。ささいなことに怒るのはそのためだろう」と述べた。
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睡眠不足のとき食べ過ぎてしまうのはなぜ?
シカゴ大学の研究では、被験者は睡眠不足のときは十分に睡眠をとったときと比べて2倍の脂肪を摂取していたという PHOTO: ISTOCK
By
SUMATHI REDDY
2016 年 3 月 15 日 14:33 JST
人はなぜ睡眠が不足すると不健康な食品を多く食べてしまうのか――。この悩ましい問題について研究が進んでいる。
学術誌「スリープ」に今月掲載された研究によると、睡眠が不足すると体重増加リスクが高まる仕組みの解明につながる新たなメカニズムが発見された。研究を行ったのはシカゴ大学の研究チームで、被験者14人が夕方の間食で摂取したカロリーを比較したところ、睡眠不足のときは1000カロリー近くに上ったが、十分な睡眠をとったあとは600カロリーにとどまった。また、睡眠不足のときは十分に睡眠をとったときと比べて2倍の脂肪を摂取していた。ビュッフェ形式の昼食でのカロリー摂取量はいずれの場合も変わらなかった。
この研究の筆頭筆者でシカゴ大学睡眠代謝健康センターの研究員エリン・ハンロン氏によると、睡眠不足の状態になると、報酬や快楽としての食物摂取に関係する内因性カンナビノイド・システムの働きが増大したという。
内因性カンナビノイド・システムは体内で生成される脂質で構成されており、血液で測定が可能。大麻を吸ったときにも働くシステムで、空腹感の原因と考えられている。
研究では14人の被験者に実験室で8.5時間と4.5時間の睡眠を4日間ずつとってもらい、それぞれ4日後に内因性カンナビノイドの1種である2-AG の値を計測した。その結果、24時間の平均値は同じだったが、睡眠時間が短いときのほうが最高値が高く、最高値に達するのも遅かった。
ハンロン氏によると、被験者は睡眠時間が短いときのほうが空腹感も食欲も強く感じたそうで、これと同じタイミングで内因性カンナビノイドの数値も増加したという。
ハンロン氏は、内因性カンナビノイド・システムの働きが睡眠不足後の食べ過ぎを引き起こす要因の1つである可能性があると語っている。
では、同じ食物を食べても、睡眠時間が短いときと十分な睡眠をとったときとでは体重の増加に違いがあるのだろうか。
ペンシルベニア大学医学部の博士研究員アンドリア・スパエス氏が昨年、学術誌「オベシティ(肥満)」で発表した研究では、5日間にわたって睡眠時間を制限し、翌朝に安静時の代謝率を測定した。その結果、いつも通りの睡眠をとったあとより睡眠時間を制限されたあとのほうが代謝率が低いことが分かった。
スパエス氏によると、睡眠時間が制限されたあとの安静時の消費カロリーは制限がないときと比べて約42カロリー少なかった。「時間の経過と共にこれが積み重なっていく可能性がある」とスパエス氏は指摘している。
解明が進んでいない疑問はもう1つある。睡眠の質が食物の摂取量にどのように影響するのかという問題だ。これまでの研究では、徐波睡眠と呼ばれる深い眠りが少ないときはブドウ糖の処理能力が低下し、2型糖尿病の発症リスクが高まることが分かっている。
睡眠時間の増加と体重減少の関係については、シカゴ大学の研究チームも連邦政府の資金で研究を進めている。研究責任者のエスラ・タサリ医学准教授によると、体重過多の成人が1日当たりの睡眠時間を1.5時間延ばした場合、エネルギーバランスに変化があるか、最終的に体重は減少するのかを観察しているという。研究は5年間かけて行う予定で、研究チームは最大80人の被験者を募集している。
コロンビア大学医療センターのマリー=ピエール・サントンジュ医学准教授は被験者27人について神経画像検査を行い、睡眠時間を制限したときと十分に睡眠をとったときで食べ物の画像を見たときの神経反応に違いがあるかどうかを調べた。その結果、睡眠時間が制限されているときは、報酬中枢に関係する脳の領域の神経反応が大きくなったことが分かった。この研究は2012年に学術誌「アメリカン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション」で発表された。
サントンジュ准教授はこの結果について、シカゴ大学による内因性カンナビノイドに関する研究と一致するところが多いと語った。
サントンジュ氏が最近、2012年の研究のデータに基づいて二次分析を行った結果、食べたものが睡眠の質に関係している可能性があることが分かった。被験者に好きなものを何でも食べてもらったところ、食物繊維を多く摂った被験者は徐波睡眠が長く、飽和脂肪の摂取量が多かった被験者は徐波睡眠が短かった。さらに、糖質の摂取量が多いと夜中に目が覚める回数が多いことも分かった。この研究結果は今年1月に学術誌「ジャーナル・オブ・クリニカル・スリープ・メディスン」で発表された。
サントンジュ氏は「昼間、何を食べるかが睡眠の質に影響する可能性に注意すべき」と話している。
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良い睡眠、時間だけでなく途切れないことも重要
夜中に何度も起きると、翌日の気分と認知能力に影響が及ぶことが分かった
By SUMATHI REDDY
2015 年 12 月 1 日 12:17 JST
良い睡眠にとって重要なのは、時間だけではない。睡眠が途切れないことも同じくらい重要なようだ。
新たな研究によると、泣いている赤ちゃんをあやしたり、トイレに行ったりするために夜中に何度も起きると、翌日の気分と認知能力に影響が及ぶことが分かった。
医学誌「睡眠」に先月掲載された研究で、ジョンズ・ホプキンス大学医科大学院のチームは、夜間に複数回目を覚ました人の気分が、夜遅くに寝ることを強いられた人より悪いことを突き止めた。前者に関しては、ノンレム睡眠のステージ3にあたる徐波睡眠、つまり深い睡眠も減った。
またピッツバーグ大学の研究チームは、高齢者の睡眠が中断されると認知能力が下がるが、時間が短くても中断がなければ認知能力が下がらないことを突き止めた。さらに、昨年発表されたイスラエルの研究では、8時間にわたる断続的な睡眠が気分と注意力にもたらす影響が、4時間の睡眠と同等だったことが分かった。
ジョンズ・ホプキンス大学の研究には、睡眠障害と診断されていない健康な人が参加した。論文の主執筆者である同大学精神・行動科学部のパトリック・H・フィナン助教によると、62人の被験者は研究所に集められ、無作為に3グループに分けられた。睡眠が断続的に中断される群、就寝時刻を遅らせる群、そして比較対照群の3つだった。
被験者は3日間にわたって、研究所で夜に8時間の時間を与えられ、その間に睡眠を取るよう指示された。
睡眠中断群の被験者は、8時間のうち7時間については、1時間につき20分間起き、残りの1時間については、ずっと起きていることを指示された。どの時間帯に起きていなければならないかは、毎日変わった。
初日を終えた時点では、睡眠中断群の気分も、遅い就寝時刻群の気分も悪化したが、睡眠中断群の気分はその後も悪化し続けた。遅い就寝時刻群の気分は3日間にわたって横ばいだった。
フィナン助教は「これは、まとまった睡眠は、たとえ通常より時間が短いとしても、夜中に何度も睡眠を中断されるより、気分を悪くさせないことが初めて示された」と述べた。
チームはポリグラフィー検査機を使い、睡眠中の被験者の脳波も計測した。その結果、睡眠中断群の被験者の徐波睡眠が、遅い就寝時刻群より少なく、中でも初日が少なかったことが判明した。初日の夜の睡眠中断群の徐波睡眠は、遅い就寝時刻群より42%少なかった。
2014年に医学誌「心理学と加齢(Psychology and Aging)」に掲載された研究で、ピッツバーグ大学医科大学院のクリスティン・ウィルキンズ助教のチームは、若者59人と高齢者53人の腕に体の微妙な動きから睡眠の状態を観測する加速度計を装着して、1週間にわたり計測した。
その結果、若者と高齢者の両方の群で、継続した睡眠を取らないと、記憶や言葉の流暢さなど認知機能を調べる一連の試験の結果が悪くなったことを突き止めた。ただし、全体的な睡眠時間は高齢者の認知能力には影響しなかった。
ウィルキンズ助教は、「われわれがこの結果抱いた疑問は、高齢者が必要とする睡眠は若者より少ないが、それが継続してまとまっている必要があることを意味するのではないか、ということだった」と述べた。
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