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降圧薬が効きにくい人や若くして発症した人は…(※イメージ)
朝、血圧が高い人は要注意 “死に近い”高血圧の見分け方〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160428-00000197-sasahi-life
週刊朝日 2016年5月6−13日号より抜粋
高血圧は一生つきあう病気と思っている人は多いだろう。だが高血圧の一種、原発性アルドステロン症なら、手術で根治も期待できる。とくに降圧薬が効きにくい人や若くして発症した人は、この病気を疑ってほしい。
高血圧は該当者が日本で最も多い病気で、約4千万人とされている。大多数は原因不明で一生薬を内服し続ける「本態性(ほんたいせい)高血圧」だが、何らかの病気の症状として血圧が高くなり、外科的処置などで改善する「二次性高血圧」もある。
後者で最も頻度が高いのが「原発性アルドステロン症」だ。一般に高血圧症全体の5〜10%を占めるとされており、日本では200万〜400万人にのぼる。
「以前はまれな病気と思われていましたが、診断技術の向上で珍しくないことがわかってきました。しかし、まだ見逃されている患者さんが多いのが実情です。この方々を見つけ出すことが非常に重要です」
と、横浜労災病院名誉院長の西川哲男医師は言う。西川医師は、原発性アルドステロン症の世界的な研究者で、日本内分泌学会の診断治療ガイドライン作成委員長も務めた。
重要だという理由は合併症を起こすリスクが高いからだ。この病気の人は本態性高血圧の人に比べて、脳卒中(脳梗塞、脳出血)の発症リスクは4倍、心筋梗塞は6倍、不整脈のひとつである心房細動は12倍にもなる。
原発性アルドステロン症は、副腎(ふくじん)から分泌されるアルドステロンというホルモンが過剰に出る病気だ。副腎は小さな臓器で、左右の腎臓の上にある。
アルドステロンがたくさん出ると、なぜ血圧が上がるのか。
アルドステロンには、体内にナトリウムをため込み、カリウムを過剰に排泄(はいせつ)する性質がある。血液中のナトリウムが多いと、それを薄めようとして水分が血管内に移動する。血液量が増えて血管にかかる圧力が強まり、高血圧になるわけだ。
アルドステロンの過剰分泌は、副腎にできた腫瘍(しゅよう)や過形成(正常組織が部分的に肥大したもの)が原因で起こる。
「まず重要なのは、本態性高血圧の中に隠れている患者さんを見つけ出し、正しく診断すること。それで初めて適切な治療ができます。診断のポイントは病変が片側の副腎だけにあるのか、両側かという点です。60〜70%の人は片側で、その場合は副腎を切除する手術で治せます。副腎を左右とも取ることはできないので、病変が両側にある人は、原則としてアルドステロンの作用を抑える薬でコントロールします」(西川医師)
東北大学病院腎・高血圧・内分泌科特任教授の佐藤文俊医師は、かかりつけ医として高血圧患者の診療をしている一般内科医に、
「次の特徴がある患者さんがいたらこの病気を疑い、積極的にスクリーニング(ふるい分け)検査をしてほしい」
と呼びかけている。
●早朝の血圧が高い人
●緊張時の血圧が平常時より30mmHg以上上昇する人
●治療抵抗性高血圧(利尿薬を含む3剤以上の降圧薬を飲んでも血圧が140/90mmHg以下にならない人)
●比較的若いとき(20代、30代)から高血圧を指摘されていた人
●低カリウム血症の人、または降圧薬を飲んでいても血清カリウム値が低い(3.5〜3.7mEq/L)人
スクリーニングの方法は血液検査だ。ガイドラインでは、アルドステロン濃度(pg/ml)とレニン活性(レニンは血圧を上げる物質をつくる酵素)を測定し、「アルドステロン/レニン比」を調べることが推奨されている。その値が高いほどアルドステロンが多く、レニンが少ないことを意味する。値が200を超えていると、この病気が疑われる。
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