http://www.asyura2.com/15/health17/msg/620.html
Tweet |
成人の3割がNASH(C)日刊ゲンダイ
世界が注目 肝臓がん防ぐ「レスベラトロール」最新情報
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/178214
2016年3月29日 日刊ゲンダイ
NASH(ナッシュ)と呼ばれる非アルコール性脂肪肝炎は成人の30%を占め、発症すると10年間で20%が肝硬変や肝臓がんに至る重大病だ。このたび、日本の医師が発見した最新情報が世界的医学雑誌「Scientific Reports」に発表され注目を集めている。研究を行った横浜市立大学付属病院肝胆膵消化器病学・結束貴臣医師(写真)に聞いた。
島根大学医学部薬理学・和田孝一郎教授との共同研究で、結束医師が中島淳主任教授と突き止めたのは、「レスベラトロールが、NASHの『肝硬変や肝臓がんに至る前段階』を食い止める」ということだ。レスベラトロールは、ポリフェノールの一種で、ブドウの茎や皮などの抽出エキスに含まれている。
NASHは、「肝臓に脂肪が過剰にたまる→炎症が起こって肝臓が腫れ上がる→線維化が進行する」という過程を経て、肝硬変、肝臓がんに至る。結束医師がNASHのモデルマウスを使って実験を行ったところ、レスベラトロールを投与したマウスは、「炎症」と「線維化」が食い止められた。現在はマウスを対象にした研究結果で、人間に対して、どのくらいの量、どのくらいの期間投与すれば効果があるのかまでは分かっていない。
しかし、ここでポイントになるのは、レスベラトロールがNASHの進行した段階である「炎症」と「線維化」に作用する点だ。レスベラトロールはもともと心臓疾患や肝疾患に効くという報告がある一方で、効かないという報告もあり、賛否両論だった。
「それが私たちの研究では、NASHが進行して起こる炎症、線維化を抑制できることが明らかになったのです」
NASHは腸内細菌エンドトキシンとの関連が指摘されている。エンドトキシンは正常な人では肝臓内で悪さをしないが、肥満があると脂肪から出るレプチンというホルモンが働きかけ、「STAT3(スタットスリー)」という経路を介してエンドトキシンの反応性を高め、炎症、線維化が起こる。レスベラトロールは「STAT3」を抑制することで、炎症、線維化を改善できると考えられている。
■NASHによる肝臓の炎症、線維化を食い止める
NASHの治療目的は肝硬変や肝臓がんへの移行のストップだ。いかに炎症を抑え、線維化させないかが重要になる。
「現在のところ脂肪肝の段階に効く薬はありますが、炎症や線維化まで進行するとダイレクトに作用する薬がありません。厄介なことに、NASHで治療を受けている患者さんは、脂肪肝から進行し、炎症や線維化の肝障害をすでに起こしている方が大半なのです」
つまり、糖尿病や脂質異常症を併発していればそれらの治療でなんとかするしかなく、炎症や線維化まで進んだNASHへの直接的な治療はない。だからこそ、今回の研究結果が注目を集めているのだ。
今後は炎症や線維化が中心のNASH患者を対象にした臨床研究が行われる見込み。NASHの正式な治療にレスベラトロールを取り入れるかどうかまでは結論が出ていないが、結束医師は、NASHで肝障害まで起こしている患者は、主治医に相談した上で、試してみるといいのではないかと話す。
「レスベラトロールはすでに複数のメーカーからサプリメントとして出ていて、欧米では積極的に使用されています。規定量の範囲なら、ポリフェノールの一種なので、副作用については心配しなくてもいいと考えられます」
NASH治療の大きな一歩になることは間違いない。
投稿コメント全ログ コメント即時配信 スレ建て依頼 削除コメント確認方法
▲上へ ★阿修羅♪ > 不安と不健康17掲示板 次へ 前へ
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。